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代償は

「それで、その商人と仲間の魔物ハンターはどうしたの?」

「分からない。アレは商人と荷を主に狙っていたみたいだった。よっぽどヤバいものを積んでいたんだろう。アレを惹きつける何かがあるみたいに、執拗に商人と荷を狙っていたな。俺たちが攻撃しても、煩わしそうにするだけで見向きもされなかった。……あれ?荷に何かヤバいものがあったのは分かるが、俺たちの中でも商人だけ執拗に狙っていたのはなんでだ?まさか、誰かにそういう風に躾られてでもいたのか……?人間相手なら俺たちが無視されたのはおかしい……」


 人間は、何かを考え込んでいるようだった。


「商人はダメだったの?」

「あぁ、多分ダメだったと思う。確認は出来なかったが、アレにやられて動かなくなっていたし。商人がやられたなら、こちらに矛先がきてもとても戦える相手じゃないし、仕事ももう無理だと思ったから俺たちはバラバラに逃げたんだ。仲間の魔物ハンター、こいつをユージーンっていうんだが。ユージーンもアレは本気じゃなかったみたいだったのに、かなりの深手を負ったみたいだった。お互い怪我だらけだったし、一緒に逃げても逃げ足は遅くなるし、的は一つじゃない方がいいだろうってことで、アレが荷に気を取られている内に別々に逃げたんだ。あれからユージーンがどうなったかは分からない……」

 同じ集団でも、商人と荷だけを執拗に狙う魔物なんて変な話だ。確かに、何かがおかしい。


「それで、その魔物はどんなやつだったの?」

「魔物だって!?アレは魔物なんかじゃない!ここの魔物を見た後なら、なおさらはっきりとわかる。強い魔物だと思っていたが、姿形も魔物とは違う。あれはなんていうか……異形だ」

「異形?」

「ほら、子供が小さいときに土や何かで形を作るだろう。あんな感じの、どんな動物とも言えない形だった。魔物はさっきの魔物たちみたいに犬に似ていたり、熊に似ていたり、何かしら動物と似ているだろう」


 それは魔物の原型が動物と言われているからだ。動物が何かしらの要因で魔力を溜め込み、突然変異したものが魔物と言われている。

 魔物になると動物でいるときよりも強くなるし、魔法も使えるようになり、俊敏になる。病気や怪我をしないわけじゃないし、不死になるわけじゃないからあくまで動物よりも、というだけだが。

 それでも、年月を経て力と知恵をつける魔物もいる。そこの犬型魔物や豹型魔物、熊型魔物のようにだ。


「アレは、何だか色々な動物の部位を切り取って貼り付けたみたいな、異形としか言えない形をしていた。それに、魔物なんかより素早くて段違いに強かった」


 キメラだろうか?どこかのマッドサイエンティストが作り出したのだろうか?それとも、突然変異?何れにしても、私の知らない所で何か異変が起きているらしい。


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