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気がついたら
ああ、どうしてこんなことになったのか。
気がついたら全身鱗に覆われていて、視線も覚えのある高さと随分違う。
急に背が伸びるわけもないし、何事かと思ってみたら手からして人間の形をしていないし、視界の端に鱗に覆われた尻尾を見つけて、おバカな犬のようについ尻尾を追いかけてぐるぐると回ってしまった。
まず言葉が出なくなり(出るかもわからないけど)、息が止まって、そのあとギャー!!と叫んだらよく分からない言葉と一緒に口から炎が飛び出した。
口から炎とか……完全に人間じゃないし。
一体何事!?と訳がわからなくなって、うろたえること数時間。
周りには誰もいないし、なぜこんなことになっているのか教えてくれそうな人もいそうにない。
私の記憶では、高校を卒業して、いざ大学へ行く前の短い自由時間と計画していた卒業旅行へ行く準備をしていたはず。
家の中に居たはずが、なぜかここは随分深い森の中だし傾斜があるから山の中っぽい。
こんな場所に一人とか、勘弁してよ!とか言っててもしょうがないので、取り敢えず状況把握に努めることにした。