第7話
第7話
ん、ー 朝か。この世界にきて初めて1日を過ごしたが、特に今の所問題ないな。
取り敢えずカードを引いておくとしよう。準備は整えておかないとな。
「スキル 全能のカード ジェネレート」
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① ライト Num.171
使用者の周囲を明るくすることができる光球を発生させる。(光量は使用者のMP量に依存する)
③ 記憶操作 Num.193
使用者から10m以内に存在する対象の記憶を捏造、消去することができる。(1人)
① 虫除けの香 Num.139
対象は1時間のあいだ虫が寄り付かなくなる(虫系モンスターには効果なし)
⑦ アイテムボックス Num.34
物を収納することができるアイテム。時空魔法で作られているため、アイテムは異空間に収納される。そのため重さの負荷がかからない。収納できる数は使用者のMPに依存する。生物は収納不可。
② 風の矢 Num.85
使用者から20m以内にいる対象に風でできた矢を放つ(1本)
威力 : 100
消費MP : 10
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やったあーーっ!
⑦きたよ!しかもアイテムボックスって、かなり役立つよ!ラッキー!
これで、モンスター倒したら楽に持ってけるな!
記憶操作か…怖いな。まぁ俺がなにかやらかした時使うか。でも、これ単体だけなんだよなー。それでも十分な効果なんだけどね。
風の矢は火の矢と効果はほぼ同じだな。
他は日常生活で便利なものだ。
早く冒険者登録したいな!
「よし!冒険者ギルドに行く準備でもするか」
俺は家の外に備え付けてある井戸から水を汲み顔を洗った。
井戸の水は少し冷たくて、目を覚ますのには丁度よかった。
「ふぅ、すっきりした。 」
それにしても、この世界は科学があまり発展していないように思える。
まだ、この街しか見ていないのでどうか分からないが…
そんなことを考え家の中に戻ると、ちょうど俺を呼びに行こうとしたのか、俺が借りていた部屋の前にいるアリスとあった。
「あっ、ハヤテさん。もう起きていらっしゃったんですね!おはようございます!朝食が出来たのでお呼びしようと思ったのですよ」
「おはよう!ありがとうね」
「いえ!じゃあ朝食をたべて、ギルドにいきましょう!」
そうして2人はリビングに向かった。
「おはようございます、ハヤテさん。
朝食出来たので、どうぞ、召し上がってください」
「すみません、ありがとうございますサーチェさん」
どうやら、イシアちゃんはまだ起きていないようだ。それじゃあさきに朝食を食べますか。
モグモグ
やはり、サーチェさんは料理が上手だな。店を出してもいいんじゃないか?
そんなことを考えつつ朝食を食べていたらいつの間にか無くなっていた。食べすぎは良くない、これからギルドに行くんだからな。
「お代わりありますよ?」
「ありがとうございます、これからギルドにいくので動けるようにしておかないと」
「そうですね〜 今から行くのですか?」
「はい、お世話になりました!」
「いえいえ、こちらこそ。いつでもいらして下さいね」
「ありがとうございます! イシアちゃんにもお礼をいっておいて頂けますか?」
「あら、そんなのいいのに、わかったわ。伝えておくわね」
「よろしくお願いします! じゃあ行こうかアリス?」
「はいっ、じゃあお母さん、行ってきま〜す!」
「いってらっしゃい、気を付けてね!」
そんなやりとりをして家をでた。
「ああ、楽しみだな!」
「ふふっ、ハヤテさん、嬉しそうですね!なんだか、私も楽しくなってきました」
楽しく会話しつつ、1時間くらい歩いていると、いかにも冒険者ギルドって感じの3階建ての建物が見えた。
「あれが、冒険者ギルドですよ!
さぁ、入りましょうっ!」
アリスに連れられて建物の中に入る。するとそこには様々な種族が剣や杖などの武器をもち、防具を着て一番奥にある受付らしきところになにやら紙をもって並んでいた。
「なあアリス、あの奥が受付だよな?あと、そこに並んでる人はなんで紙を持ってるんだ?」
「はいそうですよ。皆さんが持ってらっしゃる紙は依頼内容が書かれた紙ですね。ハヤテさんは登録なので、一番左のブースです。誰もいないみたいなので早速いきましょう!」
受付口は全部で5個あるようだ。そこに1人ずつ担当者がいる。全員女性だ。やはりギルドの顔ともなる受付嬢だと、皆美人だ。
ていうか、俺この世界にきてまだ美人や美少女にしか会ってないんだけど…この世界レベル高くね?ま、嬉しいんだけど!
俺が向かったブースの受付嬢は猫の獣人の美人さんだった。
「すみません、ギルドに登録したいのですが」
「はい、お二人様でよろしいでしょうか?」
「いえっ、私は違います!こちらのハヤテさんをお願いします」
「分かりました。それでは、こちらに書かれた質問について記入して下さい。代筆はいりますか?」
「大丈夫です」
そう言って渡された紙に書かれた質問は名前や年齢といった簡単なものだった。
ん?
「すみません、この職業の欄に冒険者って書いてありますよね?その横の( )の部分は何を記入すればいいのでしょうか?」
「そこには、自分が得意とする役割について書いて下さい。例を挙げると、剣が得意な方は剣士と書くといったものですね」
どうしようか…まぁ、色々使うと思うし適当に書いとけばいいか。
じゃあ、魔法使いっと。
「書き終わりました!」
「はい、では確認させていただきますね……全部記入されてますね、ではギルド登録料として銀貨1枚になります」
「はい!分かりました。これでお願いします」
「確かに受けとりました。ではギルドカードを発行するのでこの場で少しお待ち下さい」
そう言って受付嬢は紙をもって奥に入っていった。
「すまないな、アリス。すぐ返すから」
「いえ!大丈夫ですよ!これくらい」
「そんな訳には行かない、これは俺の気持ちの問題だけどね」
「…分かりました。だけど、無理に返さなくてもいいですからね?余裕が出てきた時に返していただければ」
「あぁ、分かったよ」
すると、さっきの受付嬢が奥の方から戻ってきた。
「お待たせ致しました。こちらがギルドカードになります。もしカードを無くし、再発行する場合には上銀貨1枚が必要になりますので、よろしくお願いします」
俺は受付嬢から茶色のカードと紙を受け取った。
「では、ギルドカードについてご説明させていただきます。ギルドカードは身分証明にもなります。そして、ランクはその冒険者の能力を表しています。G<F<E<D<C<B<A<AA<S<SS<Zという順にランクが存在しますが、SSランクは現在1人しか存在しません。Zランクに関しては100年前に1人いたという記録が残っているだけで、現在は存在していません。ランクは依頼達成や魔物討伐によって上がり、ランクが高いほど難易度の高い依頼を受けることができます。
依頼は1度に最高で3つ受注することができます。しかし、依頼が失敗したと認められた場合、依頼に応じて罰金が科されますので無理な受注はしないほうがいいですね。ちなみにハヤテ様は登録したばかりですのでGランクからとなります。GランクからFランクになるには依頼を3回受け、達成すれば上がることができます。Fランクからはギルドカードに記録されるモンスター討伐情報と依頼達成情報を加味した上でランクが上がるようになります。説明を終わりますが、何か質問はありますか?」
「今から依頼を受けることはできますか?」
「はい、ギルドカードを受け取った時点で依頼を受けることができます。あちらにランクごとで分けられた依頼ボードがありますので、そちらから好きな依頼用紙を持ち、受付まで来てください」
そう言って受付嬢は壁にあるボードを指した。
なるほど、あそこから取ってくればいいのか。
「他に質問はありますか?」
「いえ、ありません。ありがとうございました」
「はい。頑張ってくださいね!」
受付嬢はニコッと微笑んだ。
「は、はい!」
…ちょっとどもってしまったが、美人に微笑れたら誰でもこうなるよね?
なせが、アリスから視線を感じるんだけど…
「よっよし!早速依頼探していくか!」
「すみません、ハヤテさん…私も一緒に行きたかったのですが、これから友達と依頼を受けることになってまして…」
「あぁ、そうなんだ!じゃあね、色々ありがとう!ま、ギルドに来てたら会うだろうからよろしくお願いね?」
「はいっ!よろしくお願いします!それでは!」
そう言ってありすはギルドを慌てて出て行った。
あぁ、もう依頼を受注してたんだ、引き止めてなんか悪いことしたな…
よしっ!切り替えてさっさと依頼受けて金を稼がなくては、野宿する羽目になる。
颯はGランクの依頼ボードに向かい、何かいい依頼はないかと探しはじめた。
…やはり、Gランク、要するに見習い冒険者みたいなもんだから面白そうな依頼もないなー。
まぁ仕方ない、この《毒消しの花 10本採取》《キノコ(種類問わず)10本採取》《麻痺ちらし草 10本》の3つ受けるか。3つ合わせて銀貨1枚と上銅貨5枚か… まぁ仕方ないGランクだしな。今日でGランクは卒業するぞ!まぁ依頼失敗したら借金できちゃうけどね… ま、まあ簡単そうだしすぐに終わるはず!だよね?
俺は依頼書をもち、誰もいない受付の方に向かった。
「すみません。この3つを受けたいのですが」
「はい、分かりました。でも、いきなり3つも大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫です」
「分かりました。…はい、依頼を確認しました。どうぞ、気をつけて行ってくださいね」
「了解です!」
俺は意気揚々とギルドをでた。
あれ?そういえば、キノコとか花どこに生えてるんだろう?戻って聞こうか?まぁいいや、さっさと依頼終わらせたいし、グアレスの森に行けば生えてるだろう。この街に来る途中でキノコらしきものとか見つけたし。何より俺には鑑定スキルがあるからな!!
ーーーーーーー
「よしっ!あとは毒消し花1本だけだな」
俺はギルドを出た後、すぐに門をでてグアレスの森へ走って向かった。
街まで歩いて2時間くらいかかっていたのに走って行くと40分くらいで着いた。ステータスのおかげか?
未だにモンスターに遭遇していない。弱いやつ出てこねぇかな、戦闘の経験しておきたい。
「毒消し花ないな〜。よしっ、少し奥のほう行ってみるか!」
30分ほど奥のほうに進んだ。すると一輪の毒消し花が咲いているのを見つけた。
「ふぅ、依頼は終わった。2時間くらいで全部見つかったし、やっぱ鑑定はすごいな!これがないと2時間で終えることはできないよ」
ゴガガッ!ゴギグ!
ガガッ!
…この声は間違いなくモンスターだな、近くにいるらしい。倒せそうだったらやるか。
そう考えていた矢先ーー
ガサガサっ! ギャアグゴ!
グゴッゴッ!
130くらいの人がたのモンスターが草木の影から飛び出してこっちに向かってきた!
「ちっ!来たか!特徴から考えるにこいつがゴブリンか。2匹も来やがって、これでも喰らえっ!」
颯は火魔法のファイアーボールを連続で使った消費MPは1回で5なので結構撃てる。
ファイアーボールは真っ直ぐこっちに向かって来る2匹のゴブリンに直撃し、バンッという音が連続で響き、直後ゴブリンは倒れた。
…楽勝だったな、だがこのゴブリンは防具をつけてないし、防御力もくそもないからだろう。鎧をつけてるゴブリンもいるってアリスに聞いたしな。
取り敢えずこのゴブリン、ギルドで売れるかもしれないし、一応アイテムボックスに入れておくか。
「おぉー、本当に重さを感じないな、スゲー」
アイテムボックスにゴブリン2匹を放りこむと、その便利さに感動していた。
「よしっ、依頼もこなして戦闘経験を得たところで街に戻るとするかね!」
颯は元の道を引き返そうと、少し歩きだしたその時ーーー
「きゃーーーー!」
…まさか?