第5話
第5話
ーそして今に至ると!
そういえば、ウサギもどきを倒したときLevelが上がりましたって頭の中に響いてきたような。
よし!ステータスを見るとするか!
ー ステータス ー
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Level 1→2
名前:市島 颯
種族:人族
年齢:16歳
性別:男
職業:学生
HP 100→150
MP 50→100
STR 40→80
DEF 40→80
ALE 50→90
INT 100→140
LUCK 100
スキル: 武の才能 魔法の才能 全能のカード 全言語翻訳(会話) 全言語翻訳(読み書き) 剣技Lv.5 鑑定 限界突破(全能力) SP操作 健康 魔力回復(2倍)
称号: 異世界人 神の孫 天使に祝福されし存在
SP: 5
所持金:0
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…何この成長率…凄すぎだろ!
まぁ、LUCKの数値は変わってないが、固定なのだろうか
たしか爺ちゃん、こっちの世界で天才と呼ばれてるような人でもLevelが一つ上がっても各種の能力が20前後上昇するくらいって言ってたよな…
俺その倍以上上昇してるんだけど!
まぁ多分、増えたスキルの影響だと思うけど… 限界突破って俺魔力だけしか取って無かったのに全能力になってるしな
そう呟きつつ、限界突破(全能力)の説明を見ようとすると
《儂から孫へのプレゼントじゃ。限界突破以外にもスキルを付けといたから見ておきなさい。では、新らしい世界で楽しく過ごすのじゃぞ!
神より》
やっぱ爺ちゃんからだったか…
ありがとう、楽しくやっていくよ!
じゃ、爺ちゃんも言うことだし早速もらったスキルを見るとするか!
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スキル 魔法の才能
魔法に関する全ての能力が成長しやすくなる
スキル 剣技lv.5
上級者の剣技が使用可
スキル 限界突破(全能力)
全ての能力に限界値がなくなり、成長率に上昇補正
スキル SP操作
自身がもつSPを操作し、スキルを取得することができる
スキル 健康
異常状態になりにくくなる。また、異常状態を軽減する
スキル 魔力回復(2倍)
魔力の回復速度が通常の2倍になる
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おぉ、見事に全て俺が欲しかったスキルだ!
SP操作のスキルを見て思ったが、どうやらこの世界の人々はSPというものがある事を知らないっぽいな。てことは、スキルを習得する手段としては、修練しかない訳か… 大変だな
よし!ステータスの確認も行ったし、取り敢えず森を抜けるために歩くとするか!
…てか、どっち行けばいいんだろ。
もし人里に辿りつけなかったら、俺食料とか持ってないし、ヤバいよな。
幸いさっき引いたカードに 水(2ℓ)っていうのがあったから水分は少しずつ飲めばなんとかなるだろう。
食料は…そういやさっきウサギもどき倒したよな…あいつ食べれるのか?
いや、やめておこう、健康スキルがあるとはいえ、強い毒をもってたらひとたまりもないからな…
! そうだ、俺鑑定スキルもってるじゃん!取り敢えずこいつに毒がないか調べよう!
「鑑定」
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Level 3 ホーンラビー
HP 0 / 100
MP 30
STR 50
DEF 30
ALE 50
INT 10
スキル: 突進Lv.2
称号: なし
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どうやら毒は持ってないみたいだ。
今は…日が真上に登ったところか。
ウサギもどきを持ってくのは苦労だし、ここで食べるにしてもナイフとかないから解体もできない…仕方ない、このままにしておくか。
…それにしても、さっきの戦闘かなりギリギリだったな。
運がよかった。だけどもう今日はカード引けないし、火の矢 のカードは使ってしまった。次出くわしたら剣技でどうにかするしかない。
…そういえば俺剣持ってなくね?
どうしよ!? 石化は取っておきたいが…仕方ない。逃げ切れないかったら使うとしよう。
はぁ〜 。
考えれば考えるだけ自分が餓死するイメージしか思い浮かばなくなってきた。
だが、暗くなったら何が起こるかわからない。さっさと森を出なくては
今くよくよしてても仕方ないな。
切り替えて、さっさと方向決めて歩くとするか!
よし、その辺の木の棒を立てて倒れた方向に行くとしよう。
我ながら適当だなーと感じつつ、棒を倒した。
「おっ!右か、方向決まったし行くか!」
それから、休憩も少し取りながら2時間ほど歩き続けた。
「キャ〜〜〜っ!」
前の方向から女性と思われる高い悲鳴が聞こえてきた。
助けに行かなくては!
そう思ったが、よく考えてみると俺には自衛手段が一つしかない。
やめておくか…いや、取り敢えず近くまで行こう。もしかしたら戦闘じゃなくて、虫にビックリして叫んだだけかもしれない。
そうして、女性から20mくらいまでの位置で止まり、木に隠れながら様子を伺う。
「なんで、こんなところにレッドタイガーがいるのてすか!?誰か!助けてっ!!」
ガルルルルゥ〜!
…俺は何も見ていないし聞いていない。さて、元の道を進むとしますか!
えっ?外道?
ちょっと待って下さい。確かにここで俺が 石化 を使えばあの女性を助けることができるでしょう。
しかし、その後のことを考えて見てくれ。あの女性を見た限り、防具や剣を装備しているところから考えて、おそらく冒険者だろう。だが、装備はあまり強そうじゃないし、彼女自身も実力があるとは思えない。見た目で判断することは愚かであることは分かっているが、対峙している赤い虎に追い詰められている。そのことを踏まえて、彼女は実力者ではなく、駆け出しといったところだろう。
そう、だから今回は仕方ないんだ!
俺、まだLevel2だよ?それに対して、あの赤い虎はかなり強そうだ。もしあの赤い虎が複数いれば、俺はゲームオーバーだろう。
ここは、静かに立ち去ろう…
ぱきっ!
「っ! そこのお方!助けて下さい!!お願いしますっ!」
…ふぅ、やっちまった!
なんで、こんなところに折れそうな木の枝が落ちてんだよ!草で隠れて見えなかったよっ!
くそっ!運がねぇ!
疾風 使って全力で逃げるか?
やめておこう、やつは足が速そうだ。逃げ切れるかわからん。
(ギロッ!)グルグルッ!!
あぁ!気づきやがった!
仕方ない、やるしかない!
「全能のカード 石化!」
俺が石化を発動すると、赤い虎が足から石になっていく。
ギャオッ!ギャウゥー!?
どうやら、焦っているようだ。
ふっ!もう何をしても無駄だ!
ギ、ャ、ゥ
そんな言葉を残し、赤い虎は完全に石になった。
「あ、あの、助けていただき、本当にありがとうございますっ!あなたがいなければ私はそこのレッドタイガーの食料になっていたでしょう、本当にありがとうございますっ!!(グスっ)」
「あ、あぁ、気にするなよ。当たり前のことをしただけだよ!」
「はいっ!このご恩は一生忘れません!」
そう言ってその女性は泣きながらも本当に嬉しいといった笑顔をこちらに向けてきた。
…いたたまれねぇーーー!!
そっとその場から逃げようとしたなんて言えるはずねぇ!
そうして、俺が心の苦痛を感じている間に目の前にいる女性は泣き止んでいた。
彼女をよく見ると、目はさっきまで泣いていたので少し赤くなってるが、ライトブルーの髪と目は彼女が放つ雰囲気とマッチしている。目はどちらかというと垂れ気味で、顔はかなり小さい。鼻はスゥッとしていて、地球では見た事ない程の美少女だ。俺の身長は178cmで彼女は大体俺の胸あたりくらいに頭があるから、160cmくらいか。
それにしても、美少女だな…
「あ、あの、私はアリスと申します!冒険者になってからあまりたっていません!
このグアルスの森には薬草の採取の依頼でやってきました!ランクは昨日Fに上がりましたので、Fです!」
「あぁ、俺は市島 颯、この森には…いつの間にかいたよ。ここはどこか教えてもらえる?」
「そうなんですか!? 多分それは転移トラップと呼ばれる罠にあったからだと思います。私はあったことはありませんが、状況的に考えてトラップが原因でしょう。分かりました。それでは、ここはサトス王国にあるグアルスの森と呼ばれる場所です。イチイマ、イチシマ、イチ」
「言いにくかったらハヤテって呼んでくれたらいいよ。友人にはこっちで呼ばれてるから」
「すみません… それではハヤテさんと呼ばせて頂きますね! ハヤテさんはどこに住んでいたのですか?」
「あぁ、日本ってところから来たんだ。ここからずっと遠いところにあるから知らないと思うよ。それよりクレアさん」
「わ、私のことは、クレアって呼んでください!恩ある人にさんを付けられると申し訳ない気持ちになりますので!」
「わかったよ。じゃあクレア、俺はこのサトス王国?のことを全く知らないんだ。一般的なことを教えてくれないかな?」
「はい!分かりました。それでは、基本的なことについてお話ししますね!サトス王国には、違いますね、これは世界共通のことですが、王族、貴族、騎士、平民、奴隷という階級が存在します。種族に関しては街によって住んでいる種族が異なり、様々な種族が一つの街に暮しているところもあれば、一つの種族だけで暮している街もあるそうです。サトス王国にはかなりの数街があり、それぞれを貴族が治めています。どのような規模の街であれ、冒険者ギルドは必ずあります。そのため、冒険者ギルドは街の国のものではなく、独立した形となっています。冒険者ギルドの数についてはやはりモンスターの存在が大きいです。貨幣に関しては王金貨、上白金貨、白金貨、上金貨、金貨、上銀貨、銀貨、上銅貨、銅貨、鉄貨といった種類があり、白金貨以上は平民以下の人はまず目にする機会もないでしょう。この国で平民の家族3人が一年間を普通に生活していくのに必要な金額はおおよそ金貨1枚と上銀貨5枚くらいです。貨幣のそれぞれの価値は
王金貨 1枚 = 上白金貨 10枚
上白金貨 1枚 = 白金貨 10枚
白金貨 1枚 = 上金貨 10枚
上金貨 1枚 = 金貨 10枚
金貨 1枚 = 上銀貨10枚
上銀貨 1枚 = 銀貨 10枚
銀貨 1枚 = 上銅貨 10枚
上銅貨 1枚 = 銅貨 10枚
銅貨 1枚 = 鉄貨 10枚
といったふうになっています」
なるほど…やっぱり奴隷はいるのかー。異世界だな。
金の価値はそれぞれ1枚を日本円で換算すると、だいたい
王金貨 10000000000円 (100億円)
上白金貨 1000000000円 (10億円)
白金貨 100000000円 (1億円)
上金貨 10000000円 (1000万円)
金貨 1000000円 (100万円)
上銀貨 100000円 (10万円)
銀貨 10000円 (1万円)
上銅貨 1000円
銅貨 100円
鉄貨 10円
くらいってとこか。
確かに上金貨は普通に暮してたら見る機会がないな。
「ありがとう、アリス。基本的なことは分かったよ! それじゃあここから一番近い街ってどれ位かかる?方角とかも教えてくれるかな?」
「いえいえ、この位のことでしたら。それに、危ないところを助けていただいたのですから当然です!
そうですね、ここから一番近い街ですと1時間くらい南に行ったところにあるヤスラの街ですね!私が住んでいる街でもあります。助けてくれたお礼としたいですし、よかったら一緒に来てくれませんか?」
「いいのか?こちらとしてもうれしいけど」
「はい!もちろんです!では早速行きましょう♪」
「うん!あっ、ちょっと待って、この石どうする?」
「そういえば!どうやってレッドタイガーを石にしたんですか!?」
「あー、うん、魔法だよ魔法」
「魔法ですか…見たことない効果の魔法ですが… もしかしてハヤテさんは高名な魔法使い様でいらっしゃるのでしょうか?」
「違うよ!確かに魔法を使って戦ったりするけど、どこにでもいる魔法使いだよ。それ以上でもそれ以下でもない」
「…そうですか。すごい魔法が使えるのですね!羨ましいです」
「アリスは魔法を使えないの?」
「水魔法を少し使えるのですが、威力がないので…」
「そうなのかー。冒険者になったばかりなんだよね?Levelがあがったら威力も強くなると思うから頑張ろうよ!俺も強くなりたいから、街についたら取り敢えず冒険者登録して冒険者としてやっていこうと思ってるし」
「そうですね… はい!」
「それじゃあ、こいつについてだけど…このまま放っておいても大丈夫かな?」
「この魔法は解けたりしないですよね?」
「うん、大丈夫」
「それなら、このままでいいと思います。特に害もないようですし」
「分かったよ。それじゃあ置いておくとしますか!」
「はいっ! じゃあ行きましょう!」
そう言い合い、二人はヤスラの街に向かって歩き始めた。
最後までお読みくださりありがとうございました。
やっと、女性が出てきました!(カイエルさんは置いといて)
その場その場で書いているのでおかしなところもあります!
コメントをいただけると嬉しいです!