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最後の最後は運頼り!  作者: 小人ノ勇者
第1章
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第2話

主人公が、異世界に来る前(1日前)の出来事です!

part1


 ミ〜ンミンミンミ〜


 夏到来の代名詞である蝉の声が耳に入ってはまた耳に入りを繰り返している。


「来週には夏休みだなー、何すっかな」


 時山高校1年生の俺こと市島 颯は現在、4時限目の物理の授業時間を使ってこんなことばかり考えている。俺にとって暇、退屈な人生というものは一番の大敵と言っていいほど暇や退屈を嫌っている。そう思っているのは俺だけではないも思うが、俺の暇、退屈嫌いはこの地球に生きる生物の中でも上位に位置しているだろう。暇があり退屈な人生ならば死んだ方がマシだと考えるくらいである。実際には自殺など怖くてできはしないし、俺には自分を心配してくれる家族だっている。せっかく親に腹を痛めて自分を産んでもらったのだ。死ぬんだったら親孝行くらいしてから死にたいと思っている。


「これで今日の授業を終わります。」

「起立、礼」

『ありがとうございました』


 どうやら、自分の退屈嫌いについて考えている間に授業が終わったようだ。


「颯! 購買に飯買いに行こうぜー!」

「おう!お前は授業時間はいつも寝てるくせに昼休みの時間になるといきなり元気になるよな」


 この購買に昼食を買いに誘ってきた茶髪の超イケメンは俺がこの学校で一番仲の良い友人である 一条 龍太 で、こいつは確かサッカー部に所属している。幼稚園の頃からサッカーをやっていて中学時代には全国大会の決勝までいったらしい。2週間前の校内選抜戦でハットトリックを決めて一軍のスタメンに選ばれたってめちゃくちゃ嬉しそうに俺に報告してきたっけ。まぁ、その運動能力の分学力に関しては壊滅的だ、1日前に俺が懇切丁寧に教えた内容を忘れている。鳥頭か!ってまじで殴りたくなる時が間々あるが一年生でこれくらい耐えることが出来なければ、俺は高校を卒業するまでに死んでしまうだろう。ストレスによる胃潰瘍でな!…言っててなんか泣きたくなってきた。

 こいつの頭のヤバさに関しては一緒に過ごした短い期間でもう諦めるしかないと思っている。

 それなのにだ!こいつはかなりモテる。

 この高校に入学して今までの間で俺が知っている数だけでも20人以上の女の子に告白されている。

 くそっ!鳥のくせに!


「おーい! 颯!おい!(ギリッ!) ひぃいぃー!」


 おぉ、あまりにもこいつがムカつくので感情を抑えれず睨んでしまった。まぁこいつだし睨むくらいいいだろ。本気で殴ってもいいくらいだ。いや、それじゃまだ生温い…


「いや、睨むなよっ! 颯の睨む時の目まじで人殺せそうなくらい負の感情こもってるから!その状態で俺殴られたら確実に南無三だから!それ以上やられたら存在したことすら消されそうだわ!」


 ちっ! 声に出てたか!


「そんなことより、飯買いに行かなくていいのか? お前の好きなスーパーデラックスメロンパンなくなんぞ。あれ、月に二回しか売ってないんだろ?」

「そんなことよりってなんだよ!俺お前の視線で死ぬのとかいやだぞ!お前だってモテてるじゃねぇか!俺知ってるんだぞ!昨日2組の子に放課後呼び出されたの見たんだからな!」


モテてねぇよっ!フザケやがって!自慢じゃないが、俺は16年という人生で一度も告白なんてされたことなんてないからな!呼び出さらることは結構あったが、みんな顔を赤くしてモジモジしだしていっこうに内容を話し出さないから取り敢えず、用事を思い出したって言って帰るのことにしていた。結局何を言いたかったのだろうか?はっ!これはもしかしてモテない俺への嫌がらせか?!くそっ!そうに違いない!泣きたい、いや泣いてなんかないもんね!(ぐすっ)

なんで俺はこんなにモテないのだろうか…スポーツは器械運動以外は少しやったら基本的にある程度はできるようになるし、成績だって中の上くらいはキーブしている。じゃあ何が……顔か、所詮この世は顔なんだな!俺がフツメンだからか。は〜〜。もうため息しかでないわ。こいつは俺のことをモテるだなんて言ってくるけど、一体何を言っているのだろうか。まぁ、俺がモテないっていう話しはもういい。憂鬱になってくるからな!そんなことより、今はこいつの処分だ!


「うるせー!まじで殴らせろ!」

「そうだそうだ!殴らせろ!」「てめぇ、いつかもいでやる!いや、今もいでやるっ!」


 ほらみろ、いつもは俺に対して何故か女の子に関することを話していると冷たくなるクラスの男達も一致団結してお前という巨悪に対し立ち向かっていくではないか!


「えーっ! それはお前ら理不尽だろ! いや、ちょっと待って!こっちくんな!やめろーーーー!!」


 …一条 龍太ここに没す!


「没す!じゃねえよ!颯の姉ちゃんと妹ちゃんに言いつけるぞ!」

「…調子に乗ってすみませんでした!これからはもうしません!許して下さい!」

「変わり身早っ!どんだけ姉ちゃんと妹ちゃんを恐れてんだよ!もういいや、とりあえず急いで購買行くぞ!俺のスーパーデラックスメロンパンがなくなっちまう!」

 何故俺がこんなに変わり身が早いのか、怒ると怖いのか?暴力にでてくるのか?違う、姉ちゃんこと 市島 奏と妹ちゃんこと市島 華は俺が隙をみせるとすぐに甘えてきて、抱きついてきたり、何か俺がミスをしたときに、兄弟ですることではない行為をするように迫ってくるのだ!初めに抱きついてきた時は確かに兄弟同士仲良く慣れたようで嬉しかったさ!だけど、それが段々とエスカレートしてきて… 家って最も気が休まる場所だよね?俺何も間違ったこと言ってないよね!?


「おーい! ボサってしてんなよ! 行くぞ!」

「お前が脅してくるからだ!あぁわかったよ!行くとするか!」


 俺たちは教室を出て購買に向かう。いつもは校舎の一階の食堂の近くに購買コーナーがあり、パンや弁当などが売られているのだが、スーパーデラックスメロンパンが売られる時はスーパーデラックスメロンパンの校内人気がものすごいため、生徒が混雑しすぎないように校庭で購買のコーナーが設けられることになっているため、俺たちは駆け足で校庭にむかう。

 校庭に出るとやはり生徒の群れでごった返ししていた。


「やっぱ、人気あんなー これは買えそうにないし、今回は諦めるかー はぁー」

「ま、今回は運がなかったってことで、次回があるしそんときにゲットしようぜ!」

「そうだな!次は絶対買ってやるからなー!」

「じゃあ、今日は食堂にしようぜ」

「おう、食堂のおばちゃん達の飯も美味いからな!」


 二人が食堂に向かおうとし、走りだそうとしたときに颯の片方の靴紐が切れた。


「すまん!靴紐切れたから、ちょっと直すわ 先行って席二人分とっといて」

「了解!んじゃ先行ってるわ!」


 あー両方の靴の靴紐完璧に切れてるよ、靴紐切れたら不幸が起きるって言われてるけど、まじだったらどうしよう…

 ま、迷信だし大丈夫だろ!あっやべ、これフラグじゃね?そう颯が考えていた次の瞬間ーーーピカッ!

 空が光ったなと思ったと同時に颯は意識を失なった。

 

お読み下さりありがとうございました!

姉ちゃん、妹ちゃん、鳥さんが出てきましたが、これから彼らが出ることは多分ないとおもいます(笑)

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