父が体験した怖い話
怖い話が苦手な方は、速やかにブラウザを閉じる事をお勧めします。
これは、うちの父親が実際に体験した事です……
僕がまだ生まれる前、父親はバイクが大好きで、よく夜の峠に走りに行っていたようです。
奥多摩、あそこは今でも頭文字Dの人たちみたいな人が、自慢の愛車で峠を攻めています。
その奥多摩に行った時の話です。
時刻は午前2時くらいでしょうか。
その時父親は、いつものように自分のバイクで峠を攻めていたようです。
ふいにタバコが吸いたくなった父親は、バイクを脇に止め、タバコをふかしたのだそうです。
……………………その時です
下り方面の道から、女の人が歩いてきます。
普通だったらあまり驚きはしませんが、その女性は異常だったのです…………
着物姿の女性……これだけでも何かワケありのように見えるというのに、なんとその女性は……
逆立ち姿で歩いていたのだそうです。
着物姿で尚且つ逆立ちで歩く女性……こちらをじぃーっと見ながら道路を歩いてくるのだそうです。
勿論父親は固まってしまいます。
タバコを咥えたままそのままです。
どれくらい時間が経ったのでしょう、あの変な着物姿の女性は通り過ぎ、父親も我に帰ります。
ここでもまたおかしいのです……
時間が経ったというのなら、タバコの灰が、フィルターぎりぎりまで溜まっているはずです。
しかしそのタバコは、ふかしたて同様に、まだ殆ど灰がなかったとのこと。
父親は大慌てで家に帰ったということです。
これは後で聞いた話なのですが、『この出来事がある前か後に、着物姿の女性が逆立ちで歩いてる……みたいな事を書かれた本を読んだ気がするんだよ。でもその本がなんの本だったかは分からない。それに、いつこんなことが起こったのか覚えていないんだ……」と父親は語っています。
一体この女性は誰だったのでしょう?