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闇を放つ蝋燭  作者: naolog
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第一章

 この小説は著者の創作フィクションであり、実際の人物、事件、場所等とは一切関係ありません。

 私は初めからわかっていた。

 こんな事をしてもなんの解決にもならないことを。

 彼らの悲しみや怒りは私に向けられ、やがてはさばきを受けるであろうことを。

 失うことは、大きな力になるということを。

 しかしその夜に私はそういった思考を持ち合わせてはいなかった。また、不幸なことに私のそばには数多あまた蝋燭ろうそく十分じゅうぶんな量の灯油があった。

 三月七日のことである。

 私は放火犯となった。

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