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出会い
彼を初めて見たのは青く光る満月の下だった。
大きな目と長いまつげで魅了された。
長い指で口をおおって白い息が漏れてた。
手の割には案外ガッチリした体、不思議に思った。
「俺のこと女だと思った?」
静かな声をかけてくれた。
「そんなことないけど。」
「顔ばっかり見てる。」
彼の手が私に伸びる。
「かわいいなあ。」
それはこっちのセリフよと言いたくなったけれどよした。
少し冷たいような目を向けて私の方を向き直った。
「僕を好きになれる?」
「すぐには。」
「そのうちなるのかな。」
高慢だな、と思うけど惹きつけられる。
夢みたいな月の下で、出会った。
美青年と普通の少女の恋