かいわ
「俺が寝てた間、なんかあったか?」
「起きて早々それ?ま、いいや。ルィヴィ」
「はい……。ツヴィさん、到着したら私が伝えた人数より多くありませんでしたか?」
「……あー、確かに少し多かったな」
「それ、多分これだと思います」
ルィヴィが出したのは血まみれの隊服だ。
「これがどうした?」
「これに対して何かしら星座を当ててみてください」
「彫刻具座とかわかりやすいと思う」
シュティーアに促され、彫刻具座を突き立てる。ガンッと音がしたが、おかしいことに気づいた。
彫刻具の中程を持ち、距離的に手は台に当たらないはずなのだが、今は手と台が接している。
「アンチスター繊維か」
「多分そう。だからルィヴィの索敵に引っかからなくて実際よりも少なくカウントしちゃったんだと思う」
「そーいや羅針盤座が効かなかった奴がいたな。……ちょっと待て? じゃあ、なんでカラス座は効いてたんだ?」
「無効化するのは接しているところだけなんじゃない? 今のところは、かもしれないけど。それにカラス座は周辺自体を暗くするからどっちにしろ見えなかったんだと思う」
「なるほど?」
再度隊服に彫刻具座を突き立てる。
同じようにガンッと音を立て、今度は貫通した。
「嘘!?」
「いつもの10倍は込めればイケなくはないな」
「ええ……」
シュティーアは呆れ顔を浮かべた。まさかそんな脳筋戦法で突破できるとは思っていなかったのだろう。
「でもまあ、効率はクッソ悪いな」
「こっちの報告はこんなものです。ツヴィさんは何かありますか?戦闘中のこととか」
「あー、関係あるかわからんがあの時は描かなくても発動出来たな。妙に頭も冴えてて。てっきり怒りで逆に冷静なっているもんだと思っていたが、もしかして違うかもな」
「冷静なだけじゃ確かに描かなくても発動の説明がつかないもんね」
「自分が気付かないくらい早く描いた、とかですかね?」
「でも自分で描いてる以上気づかない?」
「あと考えられるのは、出てきたとか?」
「……どこから?」
「身体ん中から? ポンッと(笑)」
「真面目に言ってる?」
「ま、そのうちわかるんじゃね?」
「それは、そうかもだけど……」
「つーか腹減ったわ。誰かなんか作ってくれないか?」
じゃあ、と料理当番なのであろうユングフラウが出ていった。レーヴェも手伝う、と後を追った。
他は食器を出したり、見回りをしに出ていった。
部屋にはツヴィリンゲとシュティーアが残った。
「で? 『私が甘えられるのはヴィリだけ』だっけ?」
「き、聞いてたの!?」
「うっっっすらな。ほれ」
突然ツヴィリンゲは両手を広げる。
「何……」
「ハグして頭でも撫でてやろうかと」
シュティーアの顔が途端に赤くなった。
座っているツヴィリンゲの頭をシュティーアは容赦なく殴りつけた。
上からの衝撃に耐えられず、顔から床に突っ込む。きっと頭には特大のたんこぶができたことだろう。
「……いきなりなんだよ。俺、重症なんですが」
「知らない!!」
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