たいへん
翌日から返した隊長からとんでもない量の紙が届くようになった。
「毎日こんな量送られちゃたまったもんじゃないな。少なくまとめるように言うんだった……」
送られてくる内容の大半は知っていることやどうでもいいことばかりだ。
「あ、これとか有益なんじゃない?」
だからこうしてシュティーアと精査している。
「『アンチスター繊維』? えーっと? 『星座の力を99%無効化する特殊な繊維。他の88星座では既に検証・立証済み。十二星座でも星座の力である以上無効化される可能性が高い』。厄介な物作られたなこりゃ」
「嘘かもよ?」
「レーヴェとユングに精神侵されて嘘つくほど強くないと思うぞ、あの隊長さん」
他にも情報はないかと探していると、トラゴスが駆け込んできた。
「ツヴィさん! シュティさん!」
「そんなに慌て……どうしたそれ」
視線をトラゴスに向けると首から腰の辺りまで赤い。
「その……」
トラゴスは話し始めた。
「最近忙しいお二人のために家事の分配をしたじゃないですか」
確かにした。とんでもない量の紙の精査のために二人は半日使うことも少なくない。
「それでさっき井戸の水を汲みに行った俺とヴェルソー、シュッテェが襲われまして。なんとか無事だった俺が二人を抱えて戻って来たんですけど」
「ヴェルソーとシュッテェは!?」
「現在ミィオが治療中です」
「ティーア、ここ頼む」
「ヴィリ!」
「大丈夫だ。俺はしぶとい。例え殺されても死ぬつもりはない」
シュティーアの心配顔をおいてツヴィリンゲは出ていった。
トラゴスに聞いた位置にヴィスイーに落としてもらう。
三分もすれば敵の中心に来ることが出来た。
人数はルィヴィによると20程度だと言っていたが、明らかにそれより多い、気がする。それになんか一部から変な気配を感じる。
「よお、俺の家族を可愛がってくれたのはお前らか?」
「だとしたらどうする?」
「決まってるだろ」
ツヴィリンゲが二人に増える。
「「盛大に血祭りにあげてやるよ」」
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次回もよろしくお願いします
今回は短めですみません……