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獣剣の魔女  作者: Dy02-SK
第1章 永遠と須臾の煌めき
9/27

第9話 それぞれの家族

「第1章 永遠と須臾の煌めき」

の中の「第1幕 転生諸変」

の中の「第9話 それぞれの家族」です


《重要なお知らせ》

第10話の更新は、6/20を予定しています。詳しくは下の方にある「作者マイページ」から「活動報告」をご覧ください。


2025/06/21 アリステラに対する”姉さま(仮称)”の呼び方を変更。

      「魔女様」から「アリス姉様」へ

「……しら…あ、()らなくないてんじょう(天井)だ。」

「ぁ、目が覚めたか…!」


 白い光に包まれた後、目が覚めればそこはベビーベッドの上だった。隣には安心したというふうにホッと息を吐きだすお母さんがいる。


「すまなかった、いくら何でも犯したミスが多すぎる。完全に、私の責任だ。本当に申し訳ない……」


 床に膝をつけて目線を合わせ、正座のような格好になって頭を下げられる。

 初対面の時にも同じようなことになったが、今回はそれよりも雰囲気が重い。


おえ()も、ごめんぁしゃい。はぢ()めるまえ()かくにん(確認)したのに…」

「いや、訓練中に昂った生徒が危険なことをする場面は多々ある。それをちゃんと止めることこそ教え導く者の責務だ。危うく死なせてしまうところだった。本当に、申し訳ない…!」


 力の入った顎からは、ギリリと歯のこすれる音がした。

 お母さんは今回の件に関して非常に重く受け止めているようだが、先も言った通り俺の自業自得な面も少なからずあると思っている。


 それでも、ふと俺はお母さんに許しの言葉を与えるべきなんじゃないかと、思った。


「ぅん、わかった。だいじょーぶ…だよ?つぎは、おぇ()もきをつけゆ。」

「あぁ、そうだな………それでなんだが、魔法の講義とか実技の時だけでもいいから、私を師匠と呼んでくれないか?」

「ししょー?」

「そうだ。魔法を教える者は師匠、教わるものは弟子。明確な法はないが、不文律というか、習慣として存在する。当の私も今まで魔法を教えた生徒達全員にそう呼ばせていた。もし今回の事故で魔法を学ぶ意欲を無くしていなければ、私が君を弟子として教えるという覚悟を確かめるためにも、そう呼んでほしい。今までは君が赤ん坊だからと、どこかで油断していた。」

「ん、わかった!」

「ありがとう。」


 こうして事後処理は済んだ。

 ついでに言うとあの魔力爆発で庭は酷い有様だったらしいが、俺の無事を確認したお母さんが寝てる間に魔法で戻したんだとか。一夜明けた庭の様子は平穏そのものだった。



***



Side ???


「あら…って、姉さま!?いつの間に帰って来たの!?」


 白狐と魔女がようやく本当の師弟となった頃、遠く離れた都市の豪邸にて。

 春が終わり夏の始まりを告げる暖かさの中、屋敷に入ってすぐのホールに、驚きに満ちた女性の声が響いた。


「やぁ。久しいなステラ。」


 我らエルフの中でも特別な“巫女姫”直々のお出迎え…では、ないのだろう。こちらを見る目は驚きに見開かれているし、出で立ちはいかにも“通りすがりですけど何か?”と言いたげだ。


「えぇ、本当に、久しぶり。帰るなら通話のときに言ってくれればよかったのに…」

「実は最後の通話の直後に帰ることになってな。目についた依頼を一つ二つこなしながら帰って来たんだ。」

「そうだったの…あ、そうそう、お話ししたいことがたくさんあるのよ。お父様が久々にお腹抱えて笑ったとか、アルが魔法を使ったとか、お師様も狐族の子供を拾って育ててるとか!」

「ちょ〜い待て待て、せめて湯浴みだけでもさせてくれ!長旅から帰ったばかりなんだぞ……ん?父上が爆笑…?アルが魔法を?まだ三歳だろ…ってアリス姉様にも子供っ!?……それは、確かに…気になるな…」

「ふふっ、そうでしょう?じゃあ私はお茶の用意をして待ってるわね?」

「分かった。用意でき次第すぐに行こう。」


 まったく。確かにウン十年ぶりの我が家ではあるが、旅の途中でもギルドの通話水晶で度々連絡をとっていた。

 まさかこの一、二週間でここまで話題に事欠かない…どころか話題の山ができているとは思いもしない。しかもどれも大口開けて驚くような特ダネばかり。


(一体何が起きているのやら…)


 大いに気になるところだが、こんな汚れた格好で屋敷の中を歩き回る訳にはいかない。

 もしそんなことをすれば、あの礼儀だマナーだとうるさい母上が鬼婆のような形相で冥界から這い上がって来るだろう。


 長旅で凝り固まった疲れをシャワーに流せば、水浴びすら満足にできずに溜まっていた汚れがみるみるうちに落ちていき、くすんでいた髪も黄金の輝きを取り戻す。


「あら、姉さまったら随分汚れていたのね。さっきのくすみ具合が嘘みたい。」

「ははっ、冒険者だからな。あれくらいは仕方ないさ。それでさっきの話、ちゃーんと最後まで教えてくれるんだろうな?」

「ふふん、それはもちろん!最初はお父様が―――」


 彼女たちのお茶会は深夜まで続く。

 夜はまだまだ冷え込むが、乙女たちの口を塞ぐようなことは…どうやらできないようであった。



第一幕 完


あとがき


まぁ、うん。はい…すいませんでした。

前回のあとがきでは散々煽りましたけど、魔女様の魔法障壁は強度も展開速度も文字通り世界トップクラスですし…突き飛ばされて擦りむいたぐらいなら光属性に回復系の魔法ぐらいありますし…大した傷跡もなく暴発は処理されました。


ともあれ、第一章第一幕「転生諸変」はこれにて終幕。次回からは第一章第二幕「千載三遇」となります。

後半ではその第二幕に出てくる方がちょびっと出てきましたね。


次回、光陰矢の如し、です!




| ˙꒳˙)チラリ


まだ読んでいらっしゃいますか…?

大したことでもないのですが、できれば少しお願いを聞いていただけないかと思いまして…


さて、今回めでたく第一幕完結となったわけですが、今後もこの作品を書き続けていくにあたって、感想やレビューをいただけないでしょうか?


ここが良かったとか、ここが良くなかったとかですね。


私は自分の書きたい事ばかり書いてしまうので、ここの描写もっと増やして欲しいとか、人や物や魔法なんかについてもっと知りたいとか。


この先キャラの数が増えることで誰かほったらかしにされたり、張られた伏線が回収されなかったりすることもあると思うんです。(実はもう回収の仕方に悩んでいる伏線も…)


現状すでに投稿された回もたまに読み直し修正していたりします。(今後は修正時に修正箇所を前書きのに追記します)


もちろん、誤字報告も絶賛受付中です!やはり人間完璧にはいかないもので、自信をもって掲載した回を読み返して気付いたりなんてこともありまして…


なんだかまとまらない文章になってしまいましたが、まだまだ至らない点の多いこの作品を今後もよりよいものにしたいと思っていますので、どうか応援のほどよろしくお願いいたします!


それでは、また次回でお会いしましょう。


|彡サッ!

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