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獣剣の魔女  作者: Dy02-SK
第2章 曙光と絆の先へ
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第65話 凶事は続く

第2章 曙光と絆の先へ

第2幕 萍水相逢

第65話 凶事は続く


水曜日は更新できずすみませんでした!不安定な投稿ですが、今後もよろしくお願いします。

 広く、暗い場所。

 それは私に、輪郭の定まらない既視感を抱かせる。


 私はそこで、背を向けて歩くお母さんに追いつこうと、必死に走っていた。


「はぁっ、はぁっ……ま、待ってよ!ねぇ…!なんで私を、置いて…っ!」


 どれだけ呼び掛けても、お母さんは振り向かない。

 まるで声そのものが届いていないかのように、ただ前へ前へと歩き続ける。


『―――っ!―――』


 どこからか声のようなものが聞こえた気がした。

 けれど、そんなことに構っている余裕はない。


 なりふり構わず走る私とは対照的に、お母さんの足取りは悠々としたもの。

 だというのに、距離は離される一方だった。


 早く追いつかなければ。

 そうしないと、お母さんが―――



「おいミオッ!しっかりしろッ!」



「っ、ひゅ―――」

「起きたか?起きたな?……よし。大丈夫だ、俺たちが居る。ここは安全だ。」

「こ、けほっ、ここは……」


 肩を強く揺さぶられ、視界が急速に現実へと引き戻される。

 目に入ったのは、心配そうにこちらを覗き込むクレイグの顔だった。


「馬車の中だ。日付は分かるか?今日で護衛3日目になる。」


 ―――そうだ。

 たしか、私が唯一の女性だから、という理由で馬車の中で休むように勧められたのだったか。


 しかし、頭が痛い。

 めまいもするし、それに酷い寝汗だ。寝間着が透けてべったりと肌に張り付いている。

 初夏とは言え、この気温にしては尋常ではない発汗量だ。


「何か、ありましたか?魔物の襲撃でも……」

「いや違う。突然馬車の中から物音がして……様子を見たらお前―――呼吸をしてなかったんだぞ。」


 このところ夢見が悪いとは思っていたが、まさかそこまで深刻だとは思っていなかった。

 とは言え、この世界に精神科の病院など存在しない。今のところ、自然に収まるのを待つ他に手が無かった。


 私はとりあえず、”光福(ウォルグ=リーア)”(一般回復魔法)を自身にかけ、生成した一口分の”水球(レタウ=ララブ)”を口に含んだ。


「……ごくっ、はぁ……えぇと、起こしていただいて、ありがとうございました。」

「……なぁ、もしこの前俺が―――」


 言いかけて、クレイグは顔を背けた。


「……いや、先に着替えを済ませた方がいいだろう。冷えては悪い。俺は外に出ている。」


 そう言われて、ようやく自分の状態に気付く。

 汗に濡れた寝間着は透け、完全にアウトな状態だった。


「あはは、こんなの魔法で乾かせば―――」

「いや、その服を男に晒し続けるのも問題があると思うんだが……」

「あー、確かに。わかりました。少し外で待っていてください。」

「ああ。」



***



「お手数おかけして、すみませんでした。クレイグさん。」

「大したことじゃない。それより体調はどうだ?予定ではまだ半分ほどだが。」


 クレイグ提案で編成を変え、

 先行する馬車にヴィメル、ドレイク、ハルマン。

 後続の馬車にランデル、クレイグ、私が乗っている。


 朝の件が気がかりだったのだろうか。手間をかけさせてしまって申し訳ない。


「精神的な疲労はありますけど、魔法を使うのには問題ありませんし、大丈夫だと思います。」

「魔法使いは、メンタル的に弱ると咄嗟に魔法が使えなくなることがある。くれぐれも気を付けろ。」

「……はい。ありがとうございます。」


 強固なイメージを必要とする魔法は、小さな乱れで簡単に崩れ去る。

 それが戦闘中に起きた場合の危険性については、よく理解しているつもりだ。


 実際習いたての頃に、イメージの制御ができなくて魔法が発動しなかった回数は10や20ではきかない。


「……ミオは、人を殺したことがあるか?」

「え?」


 突然の言葉に、一瞬思考が停止する。


「護衛依頼では、稀に盗賊に襲撃されることがある。盗賊は敵だ。迷う必要のない、殺すべき相手だ。」


 クレイグは一拍置いて続ける。


「だが、初めて人の命を奪う時は大なり小なり躊躇する。……もう一度聞くが、人を殺したことは―――あるか?」

「……ありません。」


 この世界では、旅路で遭遇した盗賊の処刑は公的に認められている。

 これは冒険者ギルドと商業ギルドが提案して各国が認めたもので、無論私も知っている。


 だが森では村以外の人とは会ったことが無いし、森を出てからは魔物討伐以外の依頼をやったことが無い。

 私にその経験は無かった。


「魔法使いの持つ力は強大だが、その源は精神力だ。もし”魔法で人を殺した”ことがトラウマになれば、二度と魔法が使えなくなる可能性もある。」

「もし盗賊と会ったら―――剣で戦えと?」

「そうだ。」


 その時、御者台の方からランデルが口を挟んだ。


「剣でやってトラウマになるなら、そいつは冒険者にゃ向いてねぇってこった。剣が使えねぇ魔法使いは、先輩が瀕死にさせた奴にとどめを刺すんだ。お貴族の坊ちゃん連中は、高速した罪人の首を斬らせるって話も聞いたことがあるぜ。」

「……とは言え、遭遇率は高くない。今後その機会があれば、今日の話を思い出してくれればいい。」


 クレイグはそう締めくくった。

 しかし、言葉通りにはいかなかったようだ。


「襲撃ーッ!!弓を射られた!全員伏せろッ!」


あとがき


「………筆が乗らない。」

まぁーたスランプが来てしまったぁ…!!

一応書くことはあるんです。少し先までプロットも組んであります。

それでも何故か書けない…!集中が、続かないッ!

この先しばらくは更新できたりできなかったりするかもしれませんが、どうか生暖かい目で見ていただければと思います……

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