表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人形たちの儚き夢物語  作者: 夢兎 みるくてぃ
第1話・あれから1年後
9/79

第1話(その⑦)

 「Monsieur.(ムッシュ)リアン! Monsieur.(ムッシュ)リアン何処にいるの! 一人にしないで!」

 「ボヌール! 何処にいるんだ! 無事か!」

 ボヌールとリアンは逃げ惑う人混みに巻き込まれてしまい、ボヌールは座り込んで動けない中、リアンは人の波に揉まれてボヌールからどんどん離れてしまい、お互いの叫び声も周りの人の声でかき消されてしまいました。

 そんな中、リアンの名前を何度も呼ぶボヌールの元に、動き出して混乱を招いた人形二体が現れ、目の前でしゃがみ込みました。

 「ようやく会えたね。主人(あるじ)

 「泣きそうな顔をしちゃって、もう大丈夫ですよ」

 そう言いながら人形たちがボヌールに触れようとした瞬間、ボヌールの恐怖度が増し、大声で泣き叫び始めました。

 「うわぁぁん! 誰か! Monsieur.(ムッシュ)リアン! 助けて!」

 泣き叫ぶボヌールを見て人形たちが困惑していると、警備の人たちと共にリアンが現場に戻ってき、ボヌールの傍に駆け寄り、抱っこして人形たちから引き離しました。

 「ボヌール、一人にして悪かった。警備の人たちを連れてきたから、もう大丈夫だからな」

 「Monsieur.(ムッシュ)リアン! 怖かったよ。私、もうダメかと・・・・・・」

 無事再開できたボヌールは、まだある恐怖心からリアンの服を掴んで離れようとしませんでした。

 その様子を見た人形たちがボヌールの元へ行こうとすると、警備の人たちから拳銃を向けられました。

 「この子が無事でよかった。さあ、危険ですから、こちらへ」

 「ありがとうございます。行こうか、ボヌール」

 「うん。早くここから離れたい・・・・・・」

 展示室から出ていくボヌールたちを見た人形たちは追いかけようとしましたが、警備の人たちに取り押さえられました。

 「こら、大人しくしろ!」

 「「待って主人(あるじ)! 行かないで!」」

 人形たちの叫び声に対し、誰も返事はしませんでした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ