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第9話 経過確認

「ところで、キャサリン様?このままでよろしいんでしょうか?」

「え?」


エミリーがいきなり普通に話しかけるので、逆にびっくりしたわ。


エミリーは、、、油断しなければ普通に話せるようになった。王城の侍女教育はさすがだわね?レイン様といると、逆に油断してなまってしまうようだけど。


「そのままでいいと思うわ。エミリーはとても魅力的な子よ?」

「んだべか?」


髪ははちみつ色。ツヤツヤになった。髪型は、、、相変わらずもっさいのだが、、、前髪長いし、、、来るべきどんでん返しの日まで、そのままが良かろうと、リーナと打ち合わせ済み。こう見えて、、、スタイルもいい。ちゃんと食べるようになったからか。


なんだか、リーナもいろいろと吹っ切れて好きにやっているようだし、、、地を出して、、、、レイン様の《《理想の女性》》から順調に遠ざかっているみたい。


あとはなあ、、、もうちょっとレイン様が大人になって下さればなあ、、、、



*****


秋の教会のバザーに、私の手作り化粧水を並べる。とりあえず、30個ぐらい作ってみた。リーナとエミリーはあれからずっと使ってくれている。

後はいつもの手作りクッキー。

リーナはまた、使わないものや、ハンカチに刺繍をしたものを出してくれた。

エミリーはおじいさまの代のタウンハウスにあった、こまごまとした備品をいくつか。


私の化粧水は、まあ、値段も手ごろなので、順調に売れました!うれしい!

リーナの子供時代の物や、リボンやハンカチも順調。


・・・・ただ、、、、驚いたことに、、、、


「こ、、、こんなものを、バザーで???」

「いやあ、、、ふるいもんだから、、、すみません、、、、」

「いやいや、君、こんな素晴らしい骨とう品、ちゃんとしたオークションに出すべきだよ?しかも、、、、、こんな値段で?ありえない!!!」

「???」

「君、悪いことは言わない。すぐに大事にしまいなさい。価値の分からないものに買われたら、本当にごみ扱いされてしまうよ???」


親切な紳士が、エミリーが並べた古い燭台やら、銀器やら花瓶やらを見て驚愕している。


・・・・そうなんだあ、、、、流石、、、歴史のあるエルノ侯爵家、、、、恐るべし、、、、


その紳士に言われた通り、大事にしまい込む。

「なんだか、、、すみません、、、せっかくバザーに出したのに、、、、」

いやいやいや、、、、自領のために使ったほうが良いよね?

「残りは自領に運んであんだ、、、、いやあ、、、たまげたなあ、、、、」

ホントだね!




あとは、クッキーが一袋、というときに、いつかの、キャサリン様に八つ当たりされていた紳士がまた来てくれた。


『おや、、もう一袋でお終いかい?』

『はい。お陰様で』

ふーーーん、と言いながら、チョークで書いた看板を見ていた。

『オリジナルの化粧水?肌に優しい?へえ、、面白いものも売っていたんだね?見たかったな?』

『うふふっ、ありがとうございます。独自に開発したんですの。この子の肌荒れがひどいので。』

『へえ、、、、君が作ったの?』

『はい。どなたか、皮膚が弱い方がいらっしゃる?』

『ああ、、、、妹がねえ、、、、残念だったなあ』

『まあ、、、それでは、お届けしますよ?家にまだございますので。お使いいただいて、感想が聞けると、とても嬉しいですわ!!!』


キャサリン様は、ワクワクした顔で話している。

自分はもちろん、私たちも使っているが、モニターは多いほうが良いもんね、、、

良いと思うし、、、、あの化粧水。


残り一袋のクッキーを買ってくれたその紳士は、住所を書いたメモをキャサリン様に渡して去って行った。

・・・・貴族かな?だったら、キャサリン様が分かるだろうし、、、

隣国の商人?とかかな?隣国語だったし、、、、しかし、、、ちょっと胡散臭くない?看板読んでたわよね?じゃ、しゃべれるんじゃないかしら?ね?




*****


「・・・へえ、、、教会のバザーにねえ、、、」

「楽しかったですよ?お天気も良かったですし。レイン様もお誘いすればよかったですかね?」

「・・・いや、、、俺はそんなに暇じゃない。」


外出先から帰って、エミリーがレイン様の執務室にお茶を出していた。

僕にもお茶をありがとう。

・・・・今日も、、、機嫌が悪そうだなあ、、、


「・・・・・」

「まったく、、、キャサリンも、婚約者の一人もいないくせに、来年から留学?は?

行き遅れるぞ。」

「・・・・・」

「リーナも、良い年して剣なんか振り回して、、、、呆れる。おまえは?お前もどうせなんか影響されてんだろう?」

「・・・・私は、、アカデミアで農学か経営学をやろうと思っています。来年からですが。」

「はあ、、、、、どいつもこいつも、、、、淑女なんていないのかなあ、、、はあ、、、勉強もいいけどな?ほどほどにしないと、嫁にいけないぞ?」

「・・・・・」

「男を小ばかにするような女ばっかりか、、、、」


「・・・・・黙ってりゃあ、、、、この男、、、、」


レイン様が、書類から顔を上げて、固まっている。


「キャサリン様もリーナ様も、、、、おめえよりよっぽどイイ人だ!なんだあ?小ばかになんか誰もしてねえ。そだごど思うのは、おめえの肝っ玉がちっっちぇがらだ!!!!」

「・・・・・」

「キャサリン様はおらさ、かぶれねえような化粧水作ってくれただ。いっつぺえ勉強してだ。それの何がわりいんだ??おら以外にもいる人いんべえ、って、もっと勉強するって、それの?なにがわりいんだ?」

「・・・・・」

「リーナ様だって、あの人の領地考えだらわがんべ??剣と馬がでぎねがったら、領民も国も守れねえ場所だって、、、わがんねえのが??」

「・・・・・」

「おらだってなあ、遊んでるわけでねえ!領地がなあ不作続きで、農業改革やりでえって、父上が言うがら、、、、おらはなあ、帰ったら領民のためにはだらぐんだ!なにがわりい?あ?」

「・・・・・」

「おめえはなんだ?おめえの貯めた知識や、剣術は、誰に、いづ、使うだ?あ?誰のためのもんだ?あ?言ってみろ!!!」













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