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第8話 カミングアウト 引き続き。

「はい。二人にお土産よ?」

「あーリーナは夏休み中、ずっと自領に帰ってたんでしょ?なんか、、、顔がさっぱりしてるわ。日に焼けた?」

「でしょ?久しぶりにのんびりしてきたわあ、、、皆さんは?」

「おらあ、、、、侍女のアルバイトしてだ。レイン様のお屋敷で。なして、、、」

「なして?」

「世の中にはお金持ちっていんだなあ、、、、おら、、、たまげた。キャサリン様のお屋敷でもたまげたげんじょ、なんだかなあ、規模が違うべ?」

「うん、うん、楽しかった?」

「はあーーーほがの侍女の皆さん、厳しくてなあ、、、んでも、ご飯はうめがった。」

「ぷぷっ、、、、エミリーらしいわね?成果を披露してくれない?」

「まあ、キャサリン様、とても貴重な体験でございました。だべ?」


夏休み明けの9月の昼休み、木陰のガゼボで3人でお昼ご飯を兼ねたお土産交換会。

エミリーが楽しすぎて、腹を抱えて笑う。


「そう言う、キャサリン様は?どうなさっていたの?」

「私?ふふふっ、、、、これよ!」


キャサリン様が取り出したのは、カワイイ瓶容器に入った液体?

「エミリーがね、前に、他の侍女から貰った化粧水を付けたら、かぶれちゃったのよ。だから、、、誰でも使える、安全な、しかも安価な化粧水があったらなあ、、、って、調べてて。別荘の管理をしてくれている地元の方にね、へちま水、って言うのを教えてもらって、、、へちま水にいろいろ入れて実験してたのよ。夏休み中、自分で。で、、、かんせーい!」


「うおお、すげえです。使ってみでいいべか?」

「私も!」


ぴちゃぴちゃと化粧水を叩いてみる。日に焼けた肌にしみこむ。匂いも、草原のさわやかな香りがする。


「どう?」

「いいんじゃない?凄いわね?キャサリン様。」

「いーべえー、、、はーなんか、さっぱり致しますわ!」

「ありがとう!もうちょっと他の方の意見も聞きたいから、秋の教会のバザーに出してみようかと思って!!!」


三人でわいわいと話し込んだ。キャサリン様はどうも、3年時には隣国に留学を考えているようだ。まあ、隣国は美容大国だからなあ、、、、私は後期からアカデミアの聴講が始まるし、、、、エミリーは引き続きレイン様のお屋敷で働くらしいし、、、、


「そうそう、私、後期から選択科目を剣術にしたんですよ?」




*****


「え?」


後期の剣術の時間、リーナが髪を一本縛りにして校庭に現れた時に、レイン様が息をのんだ。何も話し合っていないんだろうなあ、、、夏休みはかかりきりでエミリーの言葉の矯正をしていたから。キャサリン様に丸投げされて、、、、ふふふっ、、、、


何時ものようにクラス分けのための対戦が行われる。メンバーが若干変わるから。

いや、、、この二人の直接対決は避けたいなあ、、、、プライド高い方だから、、、、


運よく、僕とで準決勝になった。

剣を合わせる。

「リーナ様、お手柔らかにね?」

「うふふ、、、どうかしら?アデル君?」


彼女の領は、西側の国境沿いにあるハートラム領。地域柄、自領軍を持っている。剣も馬もお手の物だろう。今までよくおとなしくしていたなあ、、、

夏休み明けの彼女は、よく日に焼けて健康的だ。まあ、本来の姿なんだろう。


でもね?取り合えず、、、ここで負けるわけにはいかないんだ。ごめんね。


軽くいなしながら、打ちあう。良い剣筋だね?さすがです。

このくらいの年頃になると、体格差がネックになるんだけど、物ともしないで勝ち上がってきた。面白い人だ。


何回か打ちあって、癖もわかった。そうね、、、ここかな?


パーーーン、と、リーナの剣を弾き飛ばす。

「勝者、アデル!」

負けたのに、彼女はせいせいした顔をしている。

ありゃあ、、、なんて言いながら、、、、ふふふっ、、、、


・・・・あとは、、、僕は、、、、決勝で、さくっとレイン様に負けたら任務終了。




「アデル君さあ、、、、わざとでしょ?」

「何がでございますか?」


顔を洗っていたら、リーナ様に声を掛けられた。


「なんでもないわ。楽しみだわ!うふふっ、」


これは、、、、飴は要らない笑顔かな?





















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