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第7話 カミングアウト

教室が一瞬、ざわっとした。教室の入り口を見て見ると、リーナがいた。

普通の格好で。


緩くウエーブがかった黒髪を綺麗な緑色のカチューシャで押さえ、スカート丈は、いままでひざ下の微妙な丈から、膝のほんのちょっと上位?伊達メガネもしていない。

まあ、、、、普通。

ああ、昔のリーナを知らない子たちは、驚くのかな?男子生徒がざわついている。

・・・・・相変わらず、可愛らしい。


どういった心境の変化かな?くすっ、、、


振り返って、リーナを見たレイン様は、ため息を一つついた。

「着飾ってばかりで、、、成績はどうなんだ?最近キャサリンといるせいで、影響されたのか?まったく、、、、」


そう、、、そうして、昼休みに前期のテスト結果が、教務員室の前に張り出された。

「・・・・・」

黙り込むレイン様、、、、怒ってるなあ、、、、





「みだーーー!リーナ様、さすがだべ!学年一位がよ!!キャサリン様は2位かあ、、、んだべなあ、、、」


「何が、んだべ、なんだい?エミリー?」


三人でご飯を食べていると、レイン様が来た。まあ、来ると思っていたけど。


「ああ、レイン様は今回は3位があ。がんばったな!あのなあ、おら、リーナ様に勉強教えてもらってんだあ、この人はすげえんだ!秋がらは、アカデミアで聴講生になんだど。経営学、をやんだど。おらもなあ、農学と経営学、どっちにすんべか、悩んでんだ。」


「は?アカデミア?聴講生?聞いてないけど?大体、、、」


青筋立ててそう、、、リーナに、そのまま聞いてろ、と、目配せする。


「いやあ、ここんとこはなあ、すんげえなあ、がんばったなあ、おらも負けらんに!って、言うんだぞ?がんばったのに、男も女も関係ねえがらなあ!!すんげえなあ!」

「・・・・・」

「レイン様もまざっか?昼休みに勉強してんだ。リーナ様は、教え方もうまいぞ?」

「・・・・エミリー、、、、」

【あ、すみません、、、あら、そこはね、すごいですねえ、がんばったんですねえ、私も負けられません。がんばります。って言うべきでしょう?頑張ったことに、男も女もございませんでしょう?すごいことですよね?

レイン様もご一緒されますか?お昼休みにお勉強しているんですの。リーナ様の教え方は、本当にお上手なんですよ?】


「いや、いい。結構だ。」

「んだか?」


レイン様は話の腰をぽっきり折られてしまい、足早に退出した。彼に従うアデルが、こそっとリーナに何か言っていたが、聞き取れなかった。


「こりゃあ、親に呼ばれるかなあ、、、はああああああ」

「普通にしてただけなんだから。いいんじゃない?このまま行こうよ。」

「んだあ、今日のリーナ様はきれいだあ!」

「そういう、エミリーも、髪の毛ツヤツヤになってきたね?」

「んだべ?キャサリン様のお屋敷は、働いてるおらだちにも親切なんだあ、、、毎日、風呂さもはいれんだ!ご飯もうめえんだ!」

「エミリー?」

【あ、、、、そうでしょう?キャサリン様のお屋敷は、使用人たちにもとても親切にして下さり、、、毎日入浴もできるのです。お食事もとても美味しいんですよ?】


あははは、、、と、三人で笑う。どうせ逃れられないなら、楽しく生きたほうが良いよね、とリーナが口に飴玉を放り込んで笑う。どっから来たの?その飴?


「ま、、、、逃れる気満々だけどねえ、、、、」





*****


その夕方の生徒会室は、レイン様の怒りが充満していた。はあああああ大人げない。


前期分の各クラブやサロンなんかの会計報告が上がってくる。

後ろのほうで、机を並べて、アデル君とエミリーが検算を入れている。


彼の機嫌が悪いのを察して、誰も何も言わない。おいおい、、、、

まあ、、、いいかあ、、、、早く帰りたい、、、、


「レイン様?今日、家庭科でクッキーを焼いたので、、差し入れでございます。うふっ」

リリーちゃん、、、取っておいたんだ。私は食べたな。

「ああ、、、いつもありがとう。皆で美味しくいただくよ?」

ま、ここは通常か。さすがタラシだわね。

「リリーちゃんは、、、いつも控えめでおとなしくてかわいいねえ。」

そう、、、、成績もかわいいんです。

「君みたいな子が婚約者だったら、毎日穏やかに暮らせそうだねえ、、、」

八つ当たりからの、、、、なんなの??誤解を生むわよ???


・・・・あら、、、じゃあ、リリーちゃんでも良くない?いっそ、、、

いや、、、あの子はお金持ちだけど子爵家かあ、、、どうかな?跡取りでもないけど、親に商社を作ってもらうとか?ありか?あの二人で商売?、、、、無しだな、、、


「いやあ、めんこい人だなあ、、、お人形さんみてえだ!」

クッキーを添えて、お茶を出しながら、エミリーが言う。

「したげど、おめえさま、婚約者いんだべ?そんじおなご口説くとか、、、あだま、大丈夫が?」

「え?」

【ああ、、、可愛い方ですねえ、お人形さんみたいで。

でも、レイン様は婚約者がいると伺っておりますが?それで、女性を口説くというのは、少々、思慮が足りないかと。】


・・・・正論、ド・ストレートだわね、、、


「んだなあ、、、なんでかんでだら、、、婚約者の人とわかっじから、口説けばいいべ?すぎなんだべ?あのおなご?」


「・・・・いや、、、社交辞令だ。」

「そうがあ、そうは聞げねがったなあ、、、あのおなごも、そう思うべな、、、」


「キャサリン!!!」

「・・・はい?」

「この子の方言は治らないのか?どんな教育をしている?」


えーーーーーそんなとこで八つ当たり???勘弁してよ、、、、







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