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第6話 方言を直します?

「私の侍女のエミリーです。控室で待たせますので。」


そう言って、生徒会副会長のキャサリンが、生徒会室に1年生を連れてきた。


「初めましてえ、エミリーです。」


何となく、イントネーションが変だ。


「いやあ、都会には、こんだにいい男がいんだなあ、、、おらあ、びっくりだあ、、、なんだってまあ、、、まるで王子様みてえだ、、、、かっこいいなあ、、、、」


田舎もん丸出し、、、、だけど、なかなか素直な子だね?


「あ?いやあ、、、いい男だげじゃねえんだなあ、、、頭もいいのが?いやあ、、、すげえなあ、、、生徒会長って、一番でねえドならんねえんだべ?」


ちょっと所々わかりにくいが、、、まあ、おおよそ、そんな感じだね?


「エミリー、取り合えず、みんなにお茶を出してあげて?」

「はーーーーーい。」


カチャカチャと茶器を運び、配る。


「ああ、さすが女の子だね?」

「はあああーーー何言ってんだんべ?お茶なの、手が空いてるものが出すに決まってんべ?おらんちでは、爺さんも父も、出すぞ?みんな忙しいべ?なあ?」

「・・・・・?」

「エミリー?」

【あ、申し訳ございません、、、、何をおっしゃっているんですか?お茶は手がすいている者が出すものでしょう?私の家では、祖父も父も、手がすいていればみんなに出してくれますよ?みんなそれぞれ、忙しいですからね?そうでしょう?】

「・・・・・」


レイン様が黙り込む。あら、、、、意外と破壊力あるわね、この子、、、、


末席で、平然とした顔で聞いていたアデル君が、化粧室に立った。お腹でも痛くなったのかな?

他の皆さんは、驚愕のまなざしで固まっている。まあね、、、レイン様にここまで言えるのは、、、、エミリーしかいないわよね??



*****


「それでねえ、凄いのよ?エミリー!!あのレイン様を黙らせてしまって、、、、聞いてる?」


今日は今後の打ち合わせを兼ねて、リーナのお屋敷にお泊り会になった。なにせ、、、取り巻きはいるけど、友達と呼べる子はいなかったから、他の子のお部屋に入るのも初めてですわ!!もちろん、お泊り会なんて!!


「リーナ?何やってるの?あなた?」


「あーーーーレイン様の話を聞くと、動悸と息切れ、めまいとかが起きそうになるので、あらかじめ精神を安定させようかと、、、、」

そう言いながらリーナは、可愛らしい紙袋に鼻を突っ込んでいる。大丈夫?

すーーーはーーーいいながら、自分を落ち着かせているようだ。


「何が入ってるの?薬草とか?」

「あーーー精神が安定する匂いがするんです。特別にキャサリン様にも嗅がせて上げますよ?減るといけないので、一回だけ、、、、」

「いえ、、、、遠慮しておくわ、、、、」


覗き込んで見て見たら、紙袋の中には、綺麗に伸ばしたキャンディの包装紙がたくさん入っているみたい。少し、イチゴの匂いがした。何なのかしら、、、、変な子、、、、くすっ、、、


「それでね?誉めて、それから諭す、って方法が有効みたいね?レイン様に」

「やりましたよ、、、、凄いですねえ、、でもここをこうすると、もっといいんじゃないですか?とか、デショ?」

「まあ、、同じ?」



「いやあ、さすがだべえ!さすがレイン様だ!なっかなかおらには思いつかねえなあ、、、すげえなあ、、、、したげっちょ、、、ここんとこは?おらにはよくわがんねえなあ?え?すったごど?金がもったいねえなあ、、、んだべよ?要らねえ金使ってんだったら、なんかいる物買ったほうがよかんべ?」


「・・・エミリー、、、僕に分かるように、、、言ってくれる?」


【失礼しました、、、、本当に素晴らしい提案でございますね。さすがレイン様です。私のようなものには発想すらございませんでした。ですが、、、この部分が良く分からなかったのですが、、、、まあ、、、、そういう事ですか、、、、それは、無駄な出費ではございませんか?そうでございましょう?でしたら、そのお金を、何か有益なものを購入したほうが、よりよい選択と存じます。】



「・・・・あの子の方言、直さないほうが良い気がしてきたのよ?レイン様も、どどっと、聞き取りにくい方言で話されるから、聞き取ろうと、真面目に聞いちゃうのよね?しかも、言いなおしさせるから、皮肉言ってるタイミングないし、、、、、あの子の言っていることは正論だし。」

「・・・・掘り出し物かもね、、、、」

「そうね、、、そう思うわ、、、、おかげさまで、新入生歓迎会の会場は、私の提案した会場に決まったわ。警備費が随分節約できたわ。エミリーがいると、生徒会室和んで楽しいわよ?」

「・・・・すごいわねえ、、、、そうそう、あの子、勉強のほうは心配ないみたいね。少し、、、新しいものが足りなくない?ってくらいかな。新しい農業関係の本を探してあげたら、食い入るように見てたわ。真面目よねえ、、、、」

「余計なこと言わなくても、レイン様、エミリーに矯正していただきましょう?あの二人、意外や意外、、、、いいかも!」


今日のリーナはお風呂上りなので、ふんわりとした黒髪にリボン。フリルのついた可愛らしい寝間着を着ている。もちろん、伊達メガネも外しているので、小さい頃見たイメージ通り。さっきの紙袋を大事そうに抱えている。変な子、、、、


「ところで、、、あなたさあ、、もう、元に戻ったらいかが?」

「?」

「髪型も、成績も、、、成績わざと落としてるんでしょ?私より下なわけないじゃない?」

「・・・・・」

「カミングアウト、したらいいと思うわ。どうせリユースする気なら。」
















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