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第3話 カチューシャ

和やかに話しながら、リーナ様とキャサリン様が図書館に向かうようだ。

いつの間にあんなに仲良くなったのかな?


「なあ、アデル?あいつは、最近なにやってるんだ?」

「公爵家のキャサリン様と、お勉強なさっているようですよ?よく、お見掛けします。」


ふーーーん、と、どうでもいいような返事をして、レイン様が言う。


「人の心配してないで、自分ももう少し頑張ってほしいよ。な?」

「・・・・・」


リーナ様の成績は、僕と同じくらい。Aクラスの、中ぐらいかな。本当に真ん中位。

気を使っていらっしゃるんだろう。なにせ、、、、プライドの高い方だから。

あまり上だと面白くないだろうし、余り下だと、僕に恥をかかせるのかとお怒りになるだろうし、、、、

小さい頃から見てきたが、、、自分が一番じゃないと気が済まない。まあ、それなりに努力もされているが、、、、


「まあ、レイン様、ここの数式は、こちらから解くと、こう展開できるので簡単ですよ?」

「は?ちょっとできるからって、何?僕に意見するの?」

「いえ、、、、、、、いえ、すみません、、、」


まあ、一度や二度ではない。その度に、リーナ様の顔が暗くなっていく。

侍従服のポケットに、たまたま侍女の方に頂いた飴があったので、そっと渡した。


僕はその頃から、彼女に会うときは、ポケットに飴玉を一つ入れておくようにしている。泣きそうな顔の彼女の手に、そっと握らせる。まあ、おまじないみたいなものだね。ふふっ、、、


初めてお目にかかったのは、彼女が10歳になったとき。


僕も、その少し前からレイン様に仕えている。なにせ、伯爵家の三男坊。王家の三男坊とは置かれている立場が違う。丁度、レイン様と同い年の側使えを探していた王妃様にスカウトされた。

「なんというか、、、、末っ子で、上の子と年も離れていたから、つい甘やかしてしまって、、、、ほほほっ。」

と、父上に説明していたが、、、本当に、、、その頃はすでに、俺様に育っていた。まあ、、、、王子だし、、、

一緒に勉強し、剣術の練習もし、ダンスの練習、、、、まあ、、、それでいてささやかだが給金も出るので、スゴクお得だ。命にかかわるようなこと以外は、にっこり笑って、やり過ごしてきた。


あの子は、、、、緩いウエーブのかかった黒髪をカチューシャでまとめて、カワイイ淡い緑色のワンピースだったかな。初めて会う婚約者に、一生懸命、自分の好きな事や、自領のことや、これからやってみたいことを話していた。


・・・・まあ、、、、婿に入るんですから、先方さんの領地のこととかは知っておいたほうが良いですよね?僕も、そう思います。だから彼女は、一生懸命話しているんだろうなあ、、、、、、と。レイン様の後ろに控えた僕でさえ、そう思ったのですが、、、


「・・・淑女たるもの、もう少し、静かにつつましく出来ないんですか?」


「・・・・・あ、、、、すみません、、、、、」


それから、静かーーーーにお茶を飲んで、ケーキには手を出さず、お茶会は終了しました。お見送りを受けて、出立してから、忘れ物をしたから、取ってこいと言われて、侯爵家のお茶会会場の中庭に戻ると、、、、、


「はああああああ・・・・やって行けるかしら???無理じゃない??」


と、独り言を言いながら、リーナ様が二人分のケーキを平らげているところでした。

ぷぷっ、、、、


「あ、、、、、、あら、あなたは、レイン様の?」

急に現れた来訪者に構えていますね?でも、口の周りにクリームが付いています。


「ええ、、、ふふっ、、、アデルと申します。忘れ物をしたようで、、、、」

「あ、、あら、、、、そうでございましたか、、、、」


中々癖のある、楽しい方の様です。



*****


「ねえねえ、リーナ?」

「はい。」

「あなた、小さい頃のお茶会に来てた頃は、もっと普通にかわいかったわよね?」

「・・・・普通に、カワイイ、とは?」

「なんて言うか、、、、綺麗な黒髪で、いつもドレスに合わせたリボンかカチューシャで、ぱっとしてたっていうか、、、、、今のそれはなんなの?変装?」

「・・・・・」

「三つ編みおさげに、伊達メガネ?野暮ったい丈のスカート、、、、」

「・・・・・そのうち、、、、キャサリン様もそのうちわかります、、、、」

「?」


今日も放課後は二人で図書室にこもっている。学院の勉強は随分進んだ。10月中には、一年生の教科書が終わってしまう勢いだ。今は、、、興味のあることを学びましょうと言われて、美容?から始まって、民間薬なんかについて調べたりしている。国内の本は読んでしまったから、隣国の原書で、民間薬の本を読み解いていた。結構楽しい。


「水、、、封じ込める?皮膚、、、なにこれ?」

「あ?保湿成分のことじゃないですか?」

「ああ、、、、なるほどね、、、」

「しかし、、、キャサリン様の向上心には感心致します。これは、2年時の生徒会役員決定ですね!!隣国語も、今はほぼ辞書なしで行けてますよ!!」

「・・・・でさあ、、、あなたはやらないの?生徒会役員?」

「やりませんね。」

「・・・・・」













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