番外編 そしてそれから。
エミリーの領地は国内の東北地区にある。比較的、寒冷地。時々、冷害になる。
アカデミアで農学をおさめて帰ると、先に領地入りしていたレインが、青空市を計画していた。
「市?ですか?」
「そう、エミリーに聞いてはいたけど、君の家の倉庫に突っ込まれていた先々代の使っていた調度品、すごいよ?かなりの上質な骨とう品なんだ。綺麗にして、市を開こうかと、、、、」
へええ、、、、そうなんだ?ただのガラクタかと思っていたけど、あの教会のバザーに来ていた方も、そんなことを言っていたけど、、、、
「合わせて、レプリカも作ったらどうかと。今、職人さんたちと試行錯誤しているんだ。」
と、レインは楽しそうに笑った。
都会育ちの高貴な方が、こんな田舎町では、退屈して早々に帰ってしまうのでは?と、、、、実は思っていた。なにせ、人の数より、牛の数のほうが多い、森に囲まれた自領、、、、
魅力なんかない、って思っていた。
「森の木が、十分育っているから、家具もいいなと。椅子や、テーブルや、タンスや、、、そこに、アンテーク加工をして、売って行こうかと。まずは、お客さんに来てもらうために、市、だよ?どう?」
「・・・・そんなにうまくいくんだべか?」
エルノ領の蚤の市は、骨とう品マニアに瞬く間に知れ渡った。
驚くことに、どこの民家にも、それなりの古いものが取ってあり、品数に困ることもなかった。
・・・・田舎って、、、、ある意味、凄いね、、、、
私は農業分野の開拓を、レインは家具造りに力を入れて、エルノ領は、蚤の市、と、家具の町、として有名になった。もちろん、訪れたお客様をもてなすに足りる農作物は、農業部門の私が頑張っている。
人生、どこでどう転ぶか分からないけど、、、レインに出会えたことを感謝したいと思う。