ー監禁生活2日目 昼夜ー
さぁ起きた。まだ昼やんけ。う〜んどうしたものか。。
「妃華さんが帰ってきた時の為に簡単に甘いものでも作るか…」
さぁ水仙、何を作る。
「先程切り離した耳を使おうそうしよう。食材を無駄にしない精神大事。」
用意する食材と調味料はこれ!
・食パンの耳
・厚切りの食パン 1枚
・バニラアイス 適当
・板チョコ 1/4
・牛乳 10g
・砂糖
・揚げ油
・蜂蜜
「さあ作っていこう。」
まずは食パンの耳を細かく刻む。出来るだけ細かく…細かく……
※ミジンコ並に。
耳を切り刻んだら180度に加熱した揚げ油の中へポン。
※油の温度の見分けがつかない人は水滴を少しだけ入れると良い。入れた瞬間バチバチッと音がします。
それでだいたい180度前後です。
油が飛んできて怖いって言う人は小麦粉と水を合わせた物を1滴程落としてください。
1、2秒程で浮いてきたら適温です。
30秒ほど経ったら刻み耳を灼熱の油地獄の中から救い出します。
ボウルか何かに入れてそっとしててあげてください。
次はミルクチョコレートソースを作ります。
鍋に水を入れお湯を沸かします。
その間にチョコレートを細かく刻みます。
細かくなったおチョコ様を皿かなんかに入れて差し上げ、お湯の入った鍋へ皿ごとポン。
※この時絶対にお湯が入らないようにしてください。美味しくないですよ。
チョコが少し溶け始めたら用意した牛乳を投入。
チョコが完全に溶け、牛乳と合体するまで混ぜます。
出来たら鍋から取り出し常温で冷まします。
はいソースの完成。簡単!
次に先程灼熱の油地獄から救い出したお耳様にとろけるような甘さの持ち主。砂糖ちゃんをまぶし、まぜまぜ。
そして次!厚切りの食パンをオーブンに五分ほど入れ、焼いていきます。こんがりと。
焼きあがったパンに蜂蜜を塗りたくります。ヌルヌルと。
塗り塗りしたらアイスを取り出しスプーンか何かで丸く形を作りこんがりパンの上に置いて差し上げます。アイスを愛す。なんつって。
合体したパンアイスに灼熱の(以下省略)をまぶします。
最後の仕上げとしてチョコレートソースを波掛けしたら完成!
自家製ハニートースト!
「ふぅ〜時間かかるけど楽しいなぁ」
「妃華さんが帰ってきたらハニートースト持ちながらおかえりハニーとか言っちゃったりして。」
残念系料理男子。
そうボヤいてる間に姉御が帰ってきた。
「ただいま〜」
「お帰りなさいませ。デザートを用意してます。」
普通に出迎えた。
「あら、気が利くじゃないの。ふふ、楽しみだわ。」
「ハニートーストです。美味しいですよ。」
女性が喜びそうなデザートを作った僕は妃華さんの様子を伺う。
「わぁあ。いいじゃない!とっても素敵!やるわね!すいべん!」
「水仙です。覚えてください。泣いちゃって良いんですか?泣きますよ?え?」
「ふふ、ごめんなさいね。わざとよわざと。」
妃華さんは上機嫌だ。よかった。今回は喜んで食べてくれそう。
「いただきま〜す。……んん〜美味しい〜!ね、この上に乗ってるサクサクしてるやつ何?」
「あーこれは今朝余ったパンの耳ですよ。切り刻んで油で上げました。」
初めて妃華さんに自分の作った料理の質問された気がする多分。
「へぇー…パンの耳って使いようによってはこんなにいい物になるのね。食パン恐ろしや。」
「食パン先生は我々を決して裏切りませんから。」
「…はい。」
初めてボケに反応してくれたが塩だよねこれ完全に。泣けるわ〜。
「はわ〜美味しかったよ水仙!ありがとうね。」
「キュンッ」
おっとまずい。妃華さんのあまりの可愛さに口に出してしまった。
「ふふ、水仙って面白いのね。」
冗談だと捉えたのだろう。よかった。
僕達こんなに仲良さげにしてはいるが僕は監禁された側で妃華さんは僕を監禁してる側なんですよね。
監禁なのかこれ。いや外出は出来ないし監禁だよ監禁。
「…あの、妃華さん。」
「なぁに?」
「妃華さんの年齢…とか聞いちゃったりしちゃったりよかったり…?」
だいぶ日本語が変なのは自分でも分かる。誰も突っ込むな。
「今年で28よ。悪かったわね、30手前で。」
「…僕の9歳上ですね!!姉御!」
「切るわよ?」
「サーセンした」
うん。やはり刺がある。だがそこがいい。年の差?関係あるまい。
「水仙って、19なんだね。20前半かと思ってたわ。」
僕が老けてるとでも言いたいのかなこの人。
「はい。まぁ未成年に見えないとは言われますけども…」
「大人っぽいってことでしょ?いいじゃない。」
「キュンッ」
またやってしまった。
「飽きたわ。」
ごめんなさいね。今度僕の口縫い合わせておきます。
「そっすか。」
そんな会話をしているうちに外はだんだん暗くなってきた。
「晩御飯でも作りますか?」
「そうね、私お風呂入ってくるから作るものは任せるわ。覗いたら切るわよ?」
はい。覗きません。僕まだ切られたくたいですし。
「フリですか?」
「切る」
「ごめんなさい。」
妃華さんは風呂場へ向かった。
「何作ろうか。」
作る料理を考えながら冷蔵庫を開くと刺身が沢山あった。
「おぉう姉御分かってるじゃん。」
海鮮丼レッツゴー
レシピ
・マグロ
・サーモン
・鯛
・寒八
・イカ
・ウニ
・イクラ
・刻み海苔
・薄口醤油
・わさび
「これだけあれば…」
調理スタート
ウニ、イクラ以外の海鮮物をわさびと合わせた醤油の中へポン。浸しておく。
刺身たちを浸してる間にどんぶりにご飯を入れる。
ごはんを入れたらその上に刺身を同じ種類でまとめて盛り付けていく。
余ったスペースにウニを乗せ、イクラを散らす。
最後に刻み海苔をまぶし、上から醤油を少しかければ完成!
簡単です!
「お風呂出たよ〜」
「おっ、ちょうど今晩御飯出来ましたよ〜」
毎回タイミングいいなこの人。
「あら〜海鮮丼?私お魚大好きなのよね〜うふふ」
海鮮丼にしたのは大正解だったようだ。
「それは良かったです。ご飯が冷めないうちに頂きましょう。」
妃華さんは、そうね。と返事をしたあと食卓に着き、早速食べ始めた。
「んん〜おいひぃ…」
「泣きますか?」
「ないわ」
そうですよね。泣きませんよね。僕の方が泣きそうです。
「貴方、自分が監禁されてる身だと分かってる?」
「も!ち!ろ!ん!」
元気いっぱいのいい返事をしたと思う。
「…」
妃華さんは呆れた様子。
「食器は僕が洗っておくので先にお休みになってください。」
「気が利くのね。貴方を攫ってきて良かったわ。水仙。」
キュンとしたが今回は口に出さなかったと思う。多分。
「おやすみなさい水仙。どうせ逃げられないんだし縛るのはなしにしてあげる。」
どういう事だろう。ことの真実を確かめるため僕は冒険へ出た。いざ玄関へ。
「おぉう姉御…何故パスワード式のロックが…しかも内側から…」
ぶっちゃけこの監禁生活が以前より快適なので逃げる気はなかったが。まぁいい。
「僕も寝ますか。おやすみなさい僕」
ー監禁生活2日目終了ー