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KnightGirls_ナイトガールズ  作者: カンダ
0_プロローグ
9/15

9_犬のように食べさせてあげる。

「飲み物がないとさすがにのどか乾くわね。」

アンネリーはそう言っているが、マリアが飲み物を用意する様子も無かった。

「あの、マリアさん?」

「私、いくら地位が低くても愚民のように扱われるとつらいわね。」

「あれは冗談のつもりで言っただけよ。大体、何の材料も無しにクッキーを用意したから変だと思ったわ。」

「私、本当は戦うつもりで入隊したつもりなのに。お金持ちの娘に召使い扱いされるだなんて。スタンさん、私これからやって行けると思う?」

話に混ざりたくなかったが、流石に空気で居続けるのは無理があったようだ。

「マリアちゃんのクッキーは美味しいね。」

「誰もそんな話してません。大体、いくら財界のトップにいる方の一人娘とはいえ、メイド扱いされるほど私は寛容ではないんです。」

「じゃあ何でクッキー作ったのよ!?」

アンネリーの叫びは分からなくもないが、マリアは彼女からクッキーの袋を取り返す。

「私はただお友達が欲しいだけなんです。もっと純真な気持ちで私はアンネリーと接したい。」

「ま、マリア。」

まさかマリアにそんな気持ちがあったとは、流石にアンネリーもたじろいでいた。

「こうしてみんなに私の気持ちを少しでも受け取って欲しい。なのに、アンネリーはまるで私を灰をかぶった行き遅れの召使いみたいに。」

「べ、別に私そんなつもりじゃないし。私がどうしろというのかしら。」

「そうね。まずはこうして、私に向かって普通に座ってください。」

「こ、こう?」

「はい、あーん。」

「あの、マリアさん?これは一体。」

「お友達同士なら、時折片方が食べ物を口にあげる遊びをするでしょう?だから、こうして食べさせてあげているんです。はい、あーん。」

左手で顎に優しく触れ、クッキーをアンネリーの口に入れようとする。

が、アンネリーの顔はどちらかといえば恐怖で引きつっていた。

「これ何かおかしくない!?顔、顔が怖い!?」

「やだ、私はお友達に親切にしてるだけなのに。アンネリーって、物凄く意地悪で失礼な方なんですね。」

「ひっ、た、助けなさいよそこ!?もがっ!?」

「あらやだ可愛い。」

アンネリーの悲痛な声が聞こえてきたが、他の子たちのことも見ておきたいのでスタンは笑って誤魔化す。

「えっと、他に用事があるんで。」

アンネリーのことは仕方がない。

とりあえず、彼女が生還できる事を祈るしかなかった。

他の子たちは今どうしているのだろうか。

任務が無い日の自由時間になると、この場所では探しにくい。

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