4_最初の話し相手
コルネリウスとの挨拶が終わった後、次はブリランテ小隊のメンバーの紹介が始まった。
部屋の中に既に居る11人の少女たちは、それぞれ地位も出身も違う人間である。
右から準に名前を紹介すると
スフィア・オルドリッジ
リンダ・ベネディクト
セシリア・クレスウェル
アンネリー・バイルシュミット
シャルロッテ・ベルゲングリューエン
ツェツィーリア・エーベルハルト
マリア・キシュファルディ
セレーネ・スターライ
アイリーン・バラクシナ
ニナ・クールバリ
となり、今回新たにリーネ・ストラトスが加わることでブリランテ部隊の少女は12名ということになる。
コルネウスが言うには全員が魔法少女となるが、これからスタンが全員をサポートしなければならないとなると大変だろう。
挨拶がすんだ後は解散となりスタンはコルネウスの秘書に案内させてもらっている。
リーネはソフィアという子に連れていかれたが、少し心配にはなってしまう。
年齢が近いだろうから、そこまで考える必要はないだろうけれど。
買い物をするついでに町を案内させてもらう事になったリーネは、スタンの心配は必要なく打ち解けていた。
「君は、王国軍の従者だったんだよね。」
セシリアが先に確認する辺り、部隊内の出生地はばらけているかもしれない。
「うん。スタンとはまだ従者契約は続いてるけど。」
「じゃあ、やっぱり二人はそういう関係なの?」
現在、リンダ、スフィア、セシリアとリーネ四人は中庭に居る。
他の少女たちは、他の用事などで別行動をとっている。
リーネが聞いた限り、帝国側の地域から来ている子も居るが。魔法少女をスカウトした人がどうやって12人も集められたのか気にはなっていた。
今それは考えるべきじゃないけれど。
「ち、違うよ?何でいきなりそんな話に?」
「従者ってそういうのじゃないの?」
「うーん。」
リンダは騎士の従者を恋人かなにかと勘違いしているようだが、実際には従者は主人である騎士をサポートする人間だ。
「私は魔法が使えたから、スタンの手伝いをしているだけ。」
「そう。」
リンダは本当に分かっているのだろうか。
「でも、私は17歳だから後一年は過ぎればまた従者として一緒になるけど。おそらく恋愛なんてないと思う。」
「一年だけでもサポートしてくれるだけで十分よ。リンダの場合、まだ13なのに前線に出ることもあったから。」
スフィアからのフォローも有り難いが、前線てどういう意味だろうか。
「前線って?」
「私、前は兵士の人とゲリラしてたから。」
「ゲリラって。貴方、アインリッドの子じゃないの?」
「うん。ルフト生まれ。」
ルフトは三つの国に隣接されている小さな国だ。
その国では貴族同士の争いが多く、リンダのように村人が騎士相手にゲリラ行為をしているのは知っているが。
「流石に危険だから、リンダを私が任意同行してきたんだ。」
「任意同行?」
セシリアは、ルフトで一体何をしてきたのだろうか。
「拉致された」
突然変な事を言ったが、拉致とはつまり強引にリンダを連れ去ったという事になるのだろうか。
「人聞きの悪い。私は騎士道精神を発揮して、危険な目にあっている少女を助けたのよ。」
「さすがに私も魔法少女同士が戦って相手をさらう人は貴方が初めてだと思うわ。」
スフィアの言う通りなら、リンダもさすがに気分は良くないんじゃないか。リーネは少し心配になってきてしまった。