13_正義は自称
地面のレンガが破壊され、男たちも死んでは居ないがおそらく長期入院することになる。
リーネなら魔法で治せるだろうけど、多分止められるのでやめておいた。
「とりあえず、お兄さん無事?」
「は、はい。でも、またこいつらが来ないか心配で。」
「その時はまた私を頼ればいいわ。」
「あ、ありがとうございます。それでは、僕はこれで。」
そして、襲われていた方の男性は去っていく。
「ごくろうさん。正義の魔法少女さま。」
「げ、何であんたたちが居るのよ!?」
「物凄い勢いで屋根の上を走っていたからね。」
「幻影魔法を使ってたのに。まさかセシリアにばれるなんて。」
「魔法少女の敵は魔法少女、かな。」
むしろリーネはアイリーンの格好につっこみを入れたかった。
謎の仮面やらリボンやら、戦える衣装にも見えない。
「あ、あの。どういうこと?アイリーンは、任務でこういうことしてるの?」
「違うわね。この人は、自分の趣味でこういうことをしているの。」
「趣味?」
「そう。城下町のヒーロー、謎の仮面をつけた戦士として、悪い奴らを倒しているの。」
悪い人たちを倒すこと事態はリーネも経験済みだが、問題は目立つ格好をする理由にはならないことだ。
「月光騎士アイリーンの名において、私はアインリッドの平和を守っているのよ。」
「月光、騎士。」
むしろ生きる世界を間違えた人みたいだった。
「リーネも引いているし、いい年して正義ごっこはやめてよ。」
「いい?私たち魔法少女は18を超えれば力を失うの。私は自分の夢を叶えたいのよ。」
「アイリーンはね。児童小説で有名な作品を見て、現実に実行しちゃった痛い子なんだ。」
「リーネさんに変な事を言わないでくれる?私にとって魔法少女はこうして人を守るガーディアンだからこそ意義があると信仰しているの。」
「ちょっと中二入ってるね。」
「だからリーネもあまり気にしないであげてね。」
「人の話を聞きなさいよ!?」
いや、聞いてるけどまともに静聴できないと二人はため息をした。
「あれ?二人とも何処に行ったのかしら?」
ソフィアとリンダは待ち合わせ場所に来たが、二人は居ない。
「帰った?」
「まさか。セシリア、もし彼氏がいたら15分前には必ず待っているタイプだもの。」
「謎の信頼感は不思議だけど。ソフィアはセシリアの何処がいいの?」
「うーん。軍人の娘としてしっかり教育を受けているから。並みの男性よりも引き込まれるじゃない?」
「ありえないわ。」
そうリンダは言い放って、その場から立ち去ろうとする。
彼女を制止する声が聞こえたが、目の前に知り合いが居て帰れなかった。
「ちっ。」
「舌打ちとは下品ね。男にモテないわよ、リンダ。」
ツェツィーリアは、嫌そうなリンダと対照的に笑顔だった。