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第4話 ベルマンの街

 街に出るために着替えたロリアはオウリュウマル()連れたアレクと共にベルマンの街の中心部へと向かった。その途中ロリアはずっと気になっていたオウリュウマル()について聞いてみた。


「あの、アレクさま、その鎧は一体何なのですか?」

「オウリュウマルの事か。3ヵ月前まで私は旅をしていて家には居なかった。だから私には側付きの執事はいない。そこで専属の執事を雇うまではオウリュウマルに執事の代わりをしてもらっているんだ」


 そう言う事では無くオウリュウマル()の正体そのものを聞きたかったロリアだったのだが、馬車が目的地に着いたので続きを聞くことが出来なかった。


「さてここはベルマン家(母上)御用達のブティックだ。ロリアの服もいくつか頼んである」

「私の服ですか?」

「ロリアのウエディングドレスを作った時に図ったサイズでいくつか作らせた。試着と細かいサイズ合わせで午前中は潰れるだろう。代金は支払い済みだから無駄遣いと言うのは無しな」


 そう言うとアレクはロリアの手を引いて店の中に入った。


「お待ちしていおりました。アレク・ベルマンさま。ロリア・ベルマンさま」


 店の中に入ると店の主らしき身なりの整った40十代なかばの女性が待っていた。ロリアは外の人にベルマンの名で呼ばれて始めて結婚したという実感が湧いてきた。


「急な予定変更になってしまって済まないと思っている」

「いえ、本来はこちらからお屋敷に出向かなければならないものを、わざわざ当店にお越しくださって感謝しています」

「押しかけた詫びだ、アクセサリーもいくつか買っていこうと思う。後でオススメを見せてくれ」

「かしこまりました。では予定通り先に若奥様の服の方を」

「ああ、頼む」


 アレクと店主の話が終わるとロリアは綺麗なお姉さんの店員に連れられて店の奥に入った。そこで服を着替えては問題ないか確認し、また着替えては問題ないかを確認した。


「これ全部私の為に用意されたものなんですよね」

「はい、今回用意したものは私用で外出したり来客を迎える時に着る服と伺っております。若奥様は成長期なのですぐ大きくなる事を前提にか数は少なめとの事です」

「これで少なめ。ベルマン家に嫁いだら裕福な生活は保証されると聞いていたけどこれほどだなんて」


 ロリアは改めてベルマン家の力を目の当たりに…


「若奥様、若旦那様の名誉の為に申し上げますが今回の服の支払いは若旦那様個人のお支払いとなっております。『ベルマン家』のお金は使われておりません」

「え、アレク様のお小遣い?」

「若旦那様は『一個人』で比べればソーラいち、ひょっとしたら大陸一のお金持ちと噂されていますからこれ位の支払いは余裕でしょう」


 実家のブラウン家の100倍と言うのは冗談ではなく本当の事かも知れないと思うロリアだった。


 それからすべての服の試着を終えると屋敷を出る時に来ていた服ではなく、店で試着をした服の1つに着替えさせらてロリアは隣の部屋で待っていたアレクの所に戻った。


「どうだ、似合っているか」

「はい、お似合いでございます」


 アレクはロリアの隣に並んで店主に質問をして、店主は似合っていると答えた。その会話を聞いてロリアは今自分が着ている服がアレクの服装に合わせたものだと気づいた。屋敷を出る時に来ていた服は実家で来ていた服なので、お世辞にも高級品とは言えなかったのだ。


「じゃあ後は服に合わせた靴とアクセサリーを数点かな」

「いくつか候補を見繕ってありますのでお持ちいたします」


 それを聞いてロリアはまだあるのかと少しうんざりした。


「それにしても奥様に連れられて女性の服の選び方のセンスを当店で鍛えられて来た坊ちゃま、いえ若旦那様が実際に女性を連れて服を選ぶ様子を見ると感慨深いものが有ります」

「そうだね、顔を会わせたのは結婚式の時だったけど、ロリアの容姿は前もって聞いていたから想像して似合う服を選ぶのは苦労したよ。女性に服を送るのはこれが初めてだからな」


 いろいろと女の噂の有る男が何を言っているのだとロリアは思ったのだが口にはしなかった。それに自分が付けるアクセサリーを楽しそうに選ぶアレクの姿を見て悪くは無いなとも思うロリアだった。

 今後の更新速度ですが2,3日で1話を仕上げ、書けない日も有るので1週間に1、2話くらいのペースになりそうです。

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