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閑話1

 最近書くための時間が取れなくて更新が遅れてしまいました。まだ時間が取れないのでどこに入れようか考えていた小ネタを元にした話を書きました

 翌朝、ロリアが起きると頭にキツネ耳を生やしたサクヤが朝の支度の為にやって来た。昨日見た時は頭に耳は生えてなく、人間の耳が普通についていた。しかし今は顔の横は下した髪に隠れていて耳がどうなっているのか分からない。


「あの、その耳はどうしたのですか?」

「ああこれですか、もちろん作りものですよ」


 おそるおそるロリアが聞くとサクヤはキツネ耳が付いたヘアバンドを外してみせた。当然髪の下には普通の耳が付いていた。


「獣人の村のお祭りなので小道具として付ける事になっているのですよ」

「そ、そうなんですか。所でもう1つ聞いてもいいですか。その大きい胸は自前ですか?」


 安心したロリアはサクヤに胸の大きさの事を聞いた。サクヤの胸は大きく今までロリアが見てきた中では一番の大きさだったからだ。


「ああ、これですか。これは私がおっぱいを10個持つホンドキツネの獣人だからです。人間のおっぱいは2つしか無いですよね。でも多産の獣はおっぱいはたくさんあります。そのたくさんのおっぱいが人化する時に2つに纏まるので大きくなる…らしいです」

「そうなんですか」


 道理でこの村の住人は胸が大きいと思った。そして丹頂鶴の獣人であるお鶴の胸が残念なのも…


「ちなみに熊のおっぱいは6個でテディさまも若い頃は胸が大きかったそうなのでその血を継ぐロリア様も将来性はありますよ。大きくてもいい事は無いですけど」


 悪気はなくても嫌味にしか聞こえないので睨みつけるとサクヤは話を続けた。


「形が崩れない様に胸筋を鍛えるのが大変なんです。それに昨日アレクさまに押し付けた時は重いと言われましたし」


 そう言えば昨日サクヤがアレクにもたれ掛かっていた時はアレクはあまり嬉しそうでは無かった。そして大きい胸に対して重いと言うアレクに対して戦慄した。


「アレクさまは女神さまの使徒をしていますから美しい女神さまの姿を見慣れていて並みの美人・美少女では反応しないみたいです。そしてその美しい女神さまを相手にしても怒ったらビームでこんがりと焼いてしまいます。忘れもしません、ペットとして飼われていた時にその光景を見たことが有ります」


 アレクは女の子を虐めて喜ぶ趣味は無い。けれどもメイドに罰を与える時は容赦なくビームでこんがり焼く。この世界を作った10賢神の1人でこの大陸を治める女神さまに対してビームでこんがり焼いて御咎め無しとは…。改めてアレクの凄さを認識するロリアだった。


「あ、でも相手が美人でも平気でこんがり焼くからアレクさまはモテないのだとテディさまは言っていました」


 顔と権力と金に恵まれて実力も有るのに女の子から怖がられているアレクの凄さを再認識するのだった。


「逆に言うと女を見た目で選んではいないという事になります」

「うん、それは分かっている。アレクさまはちょっかいを出した時の反応で楽しんでいるから」


 夫婦生活でアレクの性格を少しづつ分かってきたロリアはゲンナリとしながらそう言った。


「私達胸の大きさの話をしていたのにどうしてこんな話をしているのだろう」

「大きい胸でアレクさまを誘惑しようという話では無かったのですか」

「それは無いから」


 そう言うとロリアはこの話題を話すのを止めるのだった。

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