04-バイトをを決めよう。
テスト期間・構想練りなどで遅れてしまっています。
できるだけ早いうちに次話を上げたいと思いますので、よろしくお願いします。
自分と神様だけが動いている、という不思議な時間を体験した後、神様が自分に注意が集まっていることを確認してから、
「やはりみな帰りたいようじゃの。」
といった。たりめーだ。よっぽどの理由がなければ、帰りたくないなんて奴はいないと思う。
もう今世は諦めて生まれ変わりたいと思いそうな、クラスでいじめられていた奴も帰りたい、と望んだようだ。そんなにひどいいじめでもなかったしな。
「さて、先ほど言った通り、世界に帰るためにはエネルギーを稼がねばならないのじゃが、いくつか方法がある。とはいってもあまり多くはないし、いくつかの方法には人数制限がかかっておる。自分がどのようにして稼ぐのかを決めてほしい。もし、人数オーバーとなってしまったら、当人同士で話し合いをしてほしいのじゃ。」
なんだそれ、そう思っても仕方がなかった。
先ほどまで、「意見に流されてほしくなかった」などと言っておきながら、この物言いである。
まったく逆のことを言っているのだ。---あれ、神様がこっちを見ている?
神様が俺のほうを見ていた。そして、神様が口を開く。
「先ほどとは言っていることが違う、と思っているようじゃが、これから始まる試験、生半可なものではない。心のよりどころを他人におくのはよくあることであろうし、・・・インターネットじゃったか?がない今となっては、さらにその傾向が強まると考慮しての。人の心は案外もろい、複数人で受ける試験もたくさんあるから、しっかりと納得のいくように決めて、エネルギー集めに頑張ってほしいのじゃ。折角試練を与えたのに途中で挫折されても困ってしまうからの。」
・・・なるほど。試練を用意しても辛すぎて挫折してしまう可能性があるから、か。折角だし、達山と行動しようか。
そう思い今度は達山のほうを見ると、目があった。同じことを考えていたらしい。
・・・にしても他人とよく目が合う日だ。
「どんな試練があるのか説明してくれ・・・ませんか?」
同じ学校の、・・・名前が思い出せないが生徒だろう。制服を着ているから。
そいつが神様に試練についての説明を頼んでいた。
「そうじゃな。まず試練についてじゃが、おもに次の3つじゃ。」
そういいながら虚空に向かって腕を振る神様。すると、淡い輝きとともに現代日本ではおなじみの、タブレットが浮かび上がった。おぉ、神様っぽい。神様だが。
そのタブレットのようなものに、箇条書きで3つ何か書かれている。
・異世界調整(※行き先は要相談)
・神界拡張手伝い(※担当者による面接あり)
・神様補佐(※担当者による面接あり)
なんか書いてあるけれど、いったい何をさせられるんだ?
「わからないことは、その項目を触るとヘルプ画面とやらが現れるようになっておるぞい。操作はお主達の世界のものにあわせてあるぞい。」
とりあえず異世界調整を押してみる。
・異世界調整(※行き先は要相談)
バランスの崩れている異世界がいくつか存在している。そこの世界の維持のためにエネルギーが割かれている。バランスを正せば、維持に割かれているエネルギーを使って生き返らせることができる。
(※行き先は複数、ある程度の世界に関する選択は可能。)
他の二つも見てみると、
・神界拡張手伝い(※担当者による面接あり)
神界のさらなる発展のため、猫だろうが手伝ってほしい。発展すればするほど、エネルギー生成量が増えるので、増加分を使用して期間が可能。
(※力仕事系・事務処理系に分かれてもらいます。)
・神様補佐(※担当者による面接あり)
神様といってもたくさんいます。中には、天使を生み出すことが難しい神様も。
そんな神様を手伝って、お礼にエネルギーをもらっちゃいましょう!
(※雇う神様と面接をしてもらいます。)
・・・異世界調整っていうのに興味が引かれる。一体何をするんだろうか。
「達山、お前は何やりたい?」
「んー、異世界調整かな?なんか物語っぽくて楽しそう。」
「やっぱりお前もか。どうせなら一緒にエネルギー稼がないか?」
「いいね。魔法無双とかできないかな?転生チート的なやつで。」
神様がこっちにやってくる。
「できるぞい。制限がかかってしまうがの。」
・・・さっきから、やけにかまってこないか?
なにかあるのだろうか・・・。
「ん、お前さんには神様手伝いをやってほしくての。一応皆の前で選択の自由を認めてしまったことじゃし、こちらから頼みたかったのじゃ。まぁ、強制はできぬから、異世界調整がよいなら構わぬがの。」
それでタイミングをうかがっていたのか・・・
しかし、なんで俺に神様手伝いを?
「お主が居ると退屈しな、、、じゃなく、作業がはかどりそうでの。」
よし決めた、絶対に異世界調整だ。できる限り離れたい。神界拡張も何かと会いそうで嫌だ。
「そんな毛嫌いせんでもよいじゃろ…」
知らん。
「なぁなぁ、神様。さっき、魔法無双できるって言わなかった?」
「うむ。できるぞい。ただし制限をかけなければならん。」
「どんな感じの?」
「なに、心配することはない。派遣するときにあまりエネルギーを使ってしまっては稼ぐ量が増えるだけじゃから、向こうで時間が経過するごとに強くなる、だとか、お主の世界にあったゲームのように、レベルが上がるほど強くなったり、じゃ。」
「むしろそこがイイ!神様解ってるじゃん!センスイイよ!」
なんか達山が興奮している。よほど奴の琴線に触れたようだ。
「何も魔法に限ったことではないぞ。儂から与える技能は、すべて初めのうちは何らかの制限がかかっておる。」
「ちなみに、どんな技能がもらえるんだ?」
「それは後程説明しよう。行先によって内容も多少変わるからの。」
神様は一度俺たちとの会話を中断する。そして、この場にいる全員に向かって、
「皆の者、そろそろ決まったかの?決まったものは、先ほどの画面にチェックを付けるところがある。やりたいところにチェックを付けるのじゃ。」
といった。
俺と達山はもう決まっている。どちらも異世界調整を選択する。
「全員決まったようじゃの。では、場所を変えて説明しよう。今から転移を行う。まずは神界拡張を選択した者よ、転移するぞ。」
パンッ。 神様が手拍子を一拍。それだけで、何人かが忽然と消える。
・・・すごく違和感がある。さっきまでそこにいたのに、今は何も感じられない。
「次に、神様補佐の者じゃ。」
パンッ。もう一拍。またもや数人が虚空へと消え、10人かそこらを残して辺りには誰もいない。
「異世界調査は・・・このままでよいな。では、詳しい説明をしよう。」
転移を味わわなくて済むようで、息をつく。
・・・景色がいきなり変わるなんて考えられん。
「先程から異世界、異世界といってはおるが、内情にもいろいろある。」
神様が言ったことをまとめると、こんな感じだ。
世界の種類
・元居た世界のように、科学が進歩した世界。ただし時代はいろいろ。科学系と呼称。
・科学よりも、魔法が進歩した世界。こちらも時代はいろいろ。魔法系と呼称。
その世界でやること(行先によって変化。以下は一例。)
<科学系>
・核戦争後の復興
・疫病の対策
・タイムトラベル等におけるパラドックスの解決
・etc.
<魔法系>
・人魔大戦後の復興
・疫病の対策
・勇者の手助け/勇者の代わり
・etc.
・・・なんかいろいろツッコミどころがある。しかし神様が俺に
『お主は神様手伝いでもよいんじゃよ?』
なんて語りかけてくるもんだから、さっさと行き先を決めて離れたいと思ってしまう。
あと、頭に直接語りかけてくるのはやめてほしい。いきなりすぎて驚いたし、違和感が半端ない。
異様にクリアな声って言うのは気持ち悪く感じる。
「達山、魔法無双したいんだっけか?魔法系で、・・・勇者の代わりをやるか?」
「いやぁ、無双したいけど、勇者はちょっと・・・。これなんかどう?全世界ダンジョン踏破とか?」
「全ダンジョン・・・結構きつくないか?いくつあるかさえ分からないだろ?・・・それに、時代が地球でいう古代。日本では縄文かそこらだ。まとも生活がはたして送れるか・・・?」
なかなかいい条件の世界が見当たらない。しばらく無言でタブレットを見つめ続ける。
「そうだな・・・。お、これなんかどう?」
「こんなのはどうだ?」
しばらく話し合ってよさそうな世界を絞る。
そして・・・
「なあなあ、これどうよ!?」
達山がよさそうなのを見つけたらしい。詳しく表示してみると・・・
―――魔法系、時代区分、中世。
条件:人数制限2人、能力制限(初期・レベル式)
目的:絶対的強者になってしまった複数種族の討伐、種族間のパワーバランスの調整。
技能:―――――。
特に面倒くさい制限はないようだし、ほかの奴らも行き先を選択し終えたみたいだ。時間もあまり残ってないみたいだし、これに決めてしまおう。
あまり時間をかけずに、説明を読み飛ばす。
「では与える技能を選択するのじゃ。」
画面が切り替わり、もらえる技能が表示される。・・・思ったより数があるな。
「技能は種類ごとに分けてあるから、うまく活用するように。ヘルプ・検索機能も付けておいたぞ。」
何とも親切なことで。・・・さっきから頭に語りかけてくることさえなければ、素直に感謝できるのになぁ・・・。
達山は魔法系の能力で取得技能を埋めているみたいだ。
・・・俺はどうしようかな。
とりあえず、ヘルプ・検索のところをタッチ。
すると、
・近接攻撃重視
・近接防御重視
・近接補佐重視
・中距離補佐重視
・遠距離攻撃重視
・遠距離補佐重視
・回復重視
・生産重視(武具)
・生産重視(道具)
いろいろな立ち回り方と、それに適したスキルのヘルプが現れる。
・・・そんな中、面白そうなものが目に付いた。