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03-死後の世界、与えられた機会。

更新が遅れてすいません!

今回も長いです。アドバイスや誤字・脱字・誤表記に関してはできるだけ早く訂正を反映させていただきますので、ご指摘よろしくお願い致します!

11/20

少しサブタイトル・内容の一部を書き換え。

「・・な・・。~~~っ。お・なさ・。………起・き・な・さ・い!」


ん?女の人の声?船員にいたっけ?


「さっさと起きなさい!」ガンッ!


いてぇ。頭蹴られた。起こす時蹴るか?普通。


「………はい。」


なんかすんごく理不尽のように感じたが、また蹴られてはかなわない。しぶしぶ起きることにする。


「…?あれ?どこだ、ここ。」


俺は…海に沈んでった記憶はあるが、こんな緑豊かな草原に寝っころがった記憶はない。周りを見渡せば、あの時同じ救命ボートに乗っていたメンバー(たぶん)がすでに起きて会話を繰り広げている。


「起きたの、アンタが最後よ。…ほら、このままだとぼっちになっちゃうよ?行ってきなさい。」


そう促されて、初めて声の主を見上げる。するとそこには―――――見えたっ!ピンクだ。




………なんてことはあるわけもなく、俺をゴミを見るような目で見てくるショートカットの女の子。

まぁ、違和感バリバリだけど。海にいたはずが草原だとか、死んだはずなのにみんなが談笑してるとか、そういうのは置いとくとしても。

俺が見上げた女の子、髪の毛どころか、眉毛、睫毛まで桃色なのだ。あ、一応さっきの間違いではないな。


「お、やっと起きたん?」


達山がそばにやってきて隣に座る。


「なぁ、何があったんだ?それに、ここは一体…?」


「あ、それに関しては問題ないっぽい?今から説明始まるらしいし?」


どうやら達山も何が起きているのかわかっていないようだ。

…起こされた理由はわかった。けど、なんで蹴ったんだよ……

そう思ってさっきのピンク頭をにらむと、向こうもこっち見てきた。勘良過ぎ。めっちゃ怖い顔してるし。やめてくれよ、「すばやさ」が下がっちまうだろ。


なんてどうでもいいことを考えていると、突然フラッシュが2回。なんだ?


「神様がいらっしゃったわ。いったん話すのをやめなさい。」


「いいていいて。そんなにかしこまられたらこっちもそれなりの対応をせにゃならんのだし。」


おぉ。フラッシュのあったほうからいきなり白い布だけ巻きつけた格好の爺さんが表れた。

なんか黄色いオーラ(?)みたいなのはなってる。爺さんのハゲ頭に反射してて、笑いを誘っている。


「ちょっと!何失礼なこと考えてるのよ!今すぐ謝罪しなさい!」


「ぷっ・・・。いやぁ、毎回ニホン人とやらは面白いの。人によって反応にバリエーションがあるのはよいことじゃ。にしてものぅ、オーラが反射してるか、・・・面白いことを考えよる。まぁ、以前には殴りかかってきた者もいたから、まだましというべきか?あ、引き続きその口調でよいぞ。」


あれ?黙れって言われたから黙ってたはずなんだが。思わず口に出してたか?てか殴りかかった人なんているのか。


「いや、口には出しておらんの。しかしまぁ、ちょっと不思議な神様パワーだと言えばわかるか?」


「当然、さっき起こした時のヘンな考えもわかってるからね!」


…何。ばれていただと・・・

そうか、なるほどなー。不思議度合いはちょっとで済まされるものではないと思うんだけど、神様すげーな。プライバシーなんてあったものじゃない。


「話を進めてもいいかの?」


「まってくれ。さっきからほかの連中が動いていないんだが?」


そう。いきなり静かになったなー。と思ったが、あたりを見回すと、誰一人として動いていない。


「それも含めて話をつづけるぞい。今儂達は他のものと別の場所におる。空間を切り取って独立している状態じゃ。この間、神である儂が他の者がおる空間の時間を止めておる。」


「なぜそんな事を?」


「お主達ニホン人といったか?は、他人の意見に流されやすいからの。これからやることの選択については、自分自身が決めたこと、とはっきり自覚してもらわんといかん。そのために用意しておる。」


選択とはいったい何を決めるのだろうか? それに、『自分自身が決めた』という自覚?どういうことだろう。


「お主達は海で溺死したことを覚えているかの?」


「もちろんだ。重くなった体が強制的に海中に引き込まれるのを覚えているよ。」


「うむ。それでの、現世でも一度くらいは聞いたことあると思うが、そなたたち人間を含め、生き物の魂はリセットされて、もう一度生まれ変わっておる。悪行を積めば虫といったものに、可もなく不可もなく、というものは人間を含め、ある程度自由に選べるようになっているの。まぁあとは数えるほどしかないが、生前善行を積んだもの、こういうものには人や、今のところ2柱しかおらんが神として、新しい生を授けておる。じゃからまぁ、どのような立ち居振る舞いだったのかを調べて、新しい生を授けようと思ったのじゃが・・・」


へぇ。昔話とかだと地獄の閻魔大王がやってたけど、まさか自分自身がそんなことを受けるとは・・・


「あれ?『だが』?」


「うむ。一つ聞くが、お主達成仏できるか?」


「いや・・・できないと思うが・・・」


「生き返りたいかね?」


「たりめーだ。」


何か特別なやり残したことなんて壮大なものはないが、やりたかったことくらいはある。


「ふむ。・・・やはりみな帰りたいか。」


帰りたがらないやつはふつういない。


「うむ。数人迷いを見せたが、結局はみな帰りたいそうじゃ。」


数人迷ったのか・・・


「まぁ、希望は聞いたものの、儂に43人もいきなり生き返らせるなどという横暴は許されん。生き返るためのエネルギーは、自分で捻出してもらうこととなるがよいかの?」


「具体的にどうやるのかは教えてくれ。」


「なぁに、簡単なバイトじゃ、バイト。お主達の世界を侵食しようとする存在が、隣の世界におるのじゃ。そもそも---」


神様が言ったことには、

・平衡世界《パラレルワールド》は掃いて捨てるほどあるらしい。

・その中の1つであるお隣さんが、あろうことか他の世界に侵略しようとしてるらしい。

・だから俺たちに『さくっと倒して来い(制限時間付きで)』と丸投げ。

らしい。


「・・・制限時間ってなんだ。」


「世界はそれぞれ独自の時間軸があり、神が介入できる時間等が決まっておる。しかも、それぞれ世界によって介入できるレベルが変わってくるのじゃ。そして---」


「--俺たちの世界にも当然存在し、干渉できる時間が決まっている、と。さっきみたいに俺たちの世界の時間は止められないのか?」


「無理じゃ。儂にできるのはここ、神界で時間を止められる程度じゃ。それも2~3時間ほどかの。そろそろこの空間の維持も難しくなってきたころじゃ。―――ここより後は、みなにも話さねばならん。一度この空間を解いて皆のところに戻ろうかの。」


そういって神が視線を向けた先には、多少面食らった様子のみんなが普通にしゃべっていた。



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