11-「まほう、おしえて?」
赤ちゃんのころから一気に3年経たせてしまいました!
と、言うわけでアルフォンス君、3歳からスタートです。
「まま、まほうを、おしえて?」
「アルフォンス!?も、もういっかい、言ってみて!?今なんて言ったの!?」
「まま、まほうを、おしえて?」
「」
母親を驚愕させた、この世界での初めての言葉は、3単語+αだった。
=========================================
みんなーっ!植物は、なんで食べ物を必要としないか知ってるかなかなー?
それはね、『こうごうせい』って言って、自分でお日様の光を使って自分の栄養を作ってるからなんだ!
そんなことを幼稚園生のころ、親の勧めで入ったビーバースカウトで習った。小学校2年に上がる前にやめてしまったが。だいぶ前の話なのに、なぜかボーイスカウトのお兄さんの声が残っている。顔は忘れた。
独立栄養生物となんかカッコイイと中学で習ったころには思い、高校に上がってからは書くのがかったるい、そもそもカルビン=ベンソン回路だとか、電子伝達系だとか、植物学者の中でもコアな部分にいる人とかじゃないと使わない単語を、良くもまぁここまで出てくるもんだとかえって呆れてしまった。
そんな植物の神秘・光合成。
すると俺はどうなるんだろうね?独立魔力合成生物?・・・おれとか人間じゃないっぽい?
神様にMP自動回復を所得した、と神託で念話を送ると「まさかこんなにも早く習得するとは」とか言っちゃってた。もっと苦心すると思っていたらしい。んで、理由も話した。光合成のことな。
そしたら、「たぶんイメージ(俺の固有魔法)がある程度補てんしてくれたんじゃろう」だと。
聞いてみると、この世界でMP自動回復を持っているのは一部の植物(魔植物とかいうらしい。一応魔物。)とか、今回のバイトである古龍や魔族の類だけらしい。
人間の魔導師はどうやればできるのか、と頭をひねらせるばかりで、実現した者は俺が初めてだとか。
・・・結局人間じゃねぇ。
で、そのMP自動回復を練習してたらその副産物としてMP拡張ができることに気付いた。
んなわけでMP拡張をほぼ毎日日課として3年やってたら・・・。ちょっと、やりすぎた。
まぁ、この世界で生き返りをかけてるからね?強いことに越したことはないんだけど・・・。
ステータスがその、うん。見ればわかる。
名前:アルフォンス=レヴァン 年齢 3
性別:男 レベル1
HP 73/73 MP 7238/7238
STR F+
VIT E
INT A+
RES B
AGI F+
スキル
異世界言語翻訳
超回復 Lv.5
身体強化 Lv.1
属性耐性 Lv.2
スキルカウンター Lv.1
鑑定 Lv.―
神託 Lv.5
魔力感知 Lv.4
魔力操作 Lv.6
MP自動回復
精神耐性 Lv.5
魔法
イメージ(無属性)Lv.3
うん。4ケタ。初めのころ、どんどん増えてく魔力にニヤニヤしつつ頑張ってて・・・。
しかも、あの満腹の状態に食い物突っ込むような特訓、実は体に悪影響あったようで・・・。
超回復スキルが発動してMPがうなぎのぼり。
あっ、超回復って、転んだときにも発動するんですよ。だからHPも伸びた。
もう、必死に特訓している人たちをバカにしているとしか思えないスピードで伸びた。
あふれる満腹感を精神攻撃とみなしたらしくて精神耐性とかできてるし・・・。
イメージはたぶん、光合成の影響だろうな・・・。
もう、あきれを通り越して笑える。
たぶんこれ、瀕死の重傷負ってから仙○食べれば、7つ集めりゃ願いがかなう漫画の主人公よろしく大幅パワーアップするんじゃね?それこそ別の惑星で戦ったり、その星爆発しても帰還したり。痛覚がひどそうだからやらないけど。
○桃桃先生よろしく柱投げて移動とかちょっと面白そうだけど。
ど○ん波よろしく指からビームとかも。
んで、思った。『そろそろいい加減、まともな魔法使いたい』と。
近くにちょうどいい先生居るんだもん。魔導師の。
魔導書の類は家にないし、まだ文字は覚えている最中なので読めない。
だから魔法を習うとしたら母親か、魔術学校へ行かないといけない。
なら、母親に見せてもらって、習うのが上策じゃね?
で、母親のつかえなさそうな火属性だったり風属性だったり、闇魔法だったりは学校で。
時間制限はあるが、学校には行こうと思う。妾腹とはいえ貴族。達山も行くらしい(ソース・神様)。
合流するならそこだろうな。
んで、話は最初に戻る。
すんごく喋りづらいけど、それでも言葉にできた。
「まま、まほうを、おしえて?」
「アルフォンス!?も、もういっかい、言ってみて!?今なんて言ったの!?」
「まま、まほうを、おしえて?」
「」
「まま?」
驚いて絶句する母さん。子供っぽくママって言ってみたけど、なにこれ、恥ずい・・・。
てか、母さん呼吸忘れてる!
このまま惚けてるの見てても始まらないから、ロングスカートのすそを数回引っ張る。
「まま?ねぇ?」
「しゃ、しゃべったー!!!!あ、アルフォンスが喋った!!!!」
むぅ。人を犬か猫のように扱わないでほしい。
いや、自分の息子が初めて喋ったんだから、その反応も当然か?
「アルフォンス!お父さんのところへ行くわよ!お出かけの準備して!」
「うん。」
コクリとうなずいて子供用のコートを羽織らせてもらう。どうやら父さんの墓へ報告に行くらしい。
・・・こりゃ魔法を教えてくれるのだいぶ後だな。
町にある共同墓地につくと、母さんがある場所で立ち止まる。ここが父さんの・・・。
「アルフォンス。パパにご挨拶して! あなた!アルフォンス、しゃべれるようになったの!」
「ぱぱ・・・。」
「ほら、『ぱぱ、こんにちは。』ってご挨拶してみて。」
「ぱぱ、こんにちは。」
墓石に向かって挨拶を投げかける。当然返事はないものの、
「きっとパパも喜んでるわ!アルフォンス、よくできました!」
と母さんから声がかかる。
ニッと笑い返すと、母さんが抱きついてきた。
「すごいわ!すごいわよ、アルフォンス! もっともっとしゃべれるようになって、たくさんママとお話ししようね!
あぁ、神様ありがとうございます!これからもこの子を見守っていてください!」
神に祈る母さん。・・・祈りの対象はやっぱり治癒神とやらだろうか?加護受けてるわけだし。
とあまり重要でもないことを思いつつ、されるがままの状態だ。
「冷えちゃうから、今日はおうちに帰りましょうか。 あなた、また来るわ。この子の成長を、見守っていてあげて! ほら、アルフォンスもパパにバイバイって!」
「ぱぱ、ばいばい。」
母さんのあったかい手をつなぎ、家路についた。母さん、まほう、おしえて・・・。
夕食後。もう一度母さんにおねがいをする。
「まま、まほうおしえて?」
「あら?魔法を知りたいの?・・・そうね、明日教会へ行って適性を調べてもらいましょう!それから魔法を教えるわ、それでもいい?」
「・・・てきせい?」
魔法に関する適性があったか、まぁ、当然と言えば当然だ。
「んーとね、アルフォンスやママ達には、みんな自分が使える魔法と使えない魔法があるの。だから、教会に行って使える魔法を調べてもらうのよ。」
俺が小さく適性?と復唱したのを疑問と判断したらしく、母さんは適性について述べる。
「だから、明日まで待ってて?」
そういわれちゃしょうがない。俺は諦めてうなずいた。
そろそろ章を組もうかな~と考えております。
章組みにあたって、内容に修正は加えないつもりです。