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3-15

 「だれもとりゃしねぇよ」

コーガの声に琥珀は目だけを向けて一心不乱にエディンが持ってきた夕食の残りを口に入れていた。


ゲフッ


琥珀が大きなげっぷをした。

「琥珀ちゃん食べすぎるとよくないわよ」

ミレイの言葉に斜め下から琥珀がちらりと見て

「くえるときくわねぇとな」

と言った。

「もう話せるか?」

ディーの言葉に琥珀が顔を上げた。

「なぜ『ミコ』を探しに来たんだい?」

ディーが優しく問いかけると琥珀が警戒した顔をした。

「きいてどうすんだ」

「あなたを手伝えるかもしれないかと思ったのよ」

ミレイが優しく言うとまた琥珀の顔がやや赤くなった。

「あのねーちゃんがさがしてるみてぇだからオレも探してやろうと思っただけだ」

「あのねーちゃん?」

コーガの言葉に琥珀が目線だけをコーガに向ける。

彼女・・と知り合いなの?」

ミレイが探るように言う。

「あのねーちゃんには助けてもらったからな」

「どのようなことでだ?」

私の問いに琥珀は目線だけを私に向け

「見つかりそうになった時に逃がしてもらったし食い物ももらったからな」

言いにくそうにそういった。

「見つかりそうに?」

ミレイが片眉を上げながら言う。

「金のありそうな家に入ったら見つかりそうになったんだよ」

「それって…」

ミレイの言葉をつづけるように

「泥棒だな」

コーガが付け加える。

そう言ったコーガの頭にミレイが拳骨を落とす。

「しかたねぇだろ、ほかにかせぎがねぇんだから」

琥珀が開き直った様子で言う。

「それは今は置いとくとして、そこで彼女と会ったのか?」

ディーの言葉に琥珀が頷いた。

「その時に、『ミコ』を探してるって聞いたの?」

「それはちげぇ」

ミレイの言葉に琥珀が左右に首を振った。

「どういうこと?」

「ねぇちゃんもそこからにげられねぇっていうから、

出れっとこないかもっかいそこに見に行ったんだ」

「それで?」

ミレイが先を促すと琥珀が思い出すように耳を触りながら顔を上に向けた。

「んで、ねーちゃんのいたとこは窓がねぇから床下に入ったらよ、

声が聞こえてきたんで聞いてたんだ」

「なんていってたの?」

ミレイの言葉に琥珀が上を向いたまま眉間に皺を寄せる。

「んと…『「やはりまがいものではひらかぬか」』っておっさんの声がして…あとべつのおっさんの声もしたな」

「それだけ?」

ミレイの問いに琥珀が唸りながらさらに上を向く。

「んと、『「やはりすくいの『ミコ』がひつようかと」』っていって、別のおっさんが「『「だがこのむすめがだめでもまだ次がある」』って言ってた。そしたらねーちゃんが『「それだけはやめてください!私がすくいの『ミコ』さまをおつれいたしますので」』って言ってた」

「それで琥珀ちゃんは『ミコ』を探してると思ったのね」

ミレイの言葉に琥珀が頷いた。

「それで、なんでここに?」

「ねーちゃんが『「私がおつれします」』って言ってたからねーちゃんの後をついていけば『ミコ』ってのが見つかると思ってそこにいたんだ」

「それで?」

ディーが言葉を促す。

「そしたら夜になってねーちゃんとおっさん達が家から出て行ったから後ろからついていったんだ」

「なるほど」

いつも間にか復活したコーガが合の手を入れるように相槌を打った。

「そうしたら、ねーちゃんがここに入っていったからついて行こうと思ってみてたんだ」

「ここに入ったって、どんな風に?」

ミレイが聞くと琥珀が“うーん”と言いながら自分の頭を軽く何回か叩いた。

「ねーちゃんが手を壁に当てたら壁に穴が開いてそこから入っていったんだ」

ディーが私の方を見た。

糸を出している?それともまた違う仕様ちからなのか?

「だからオレもねーちゃんのあとついていこうってしておっさんたちがいなくなってからその穴から入ったんだ」

「凄い行動力ね」

「まぁな」

ミレイの賛辞に琥珀が誇らしげに胸を張った。

「野に放ったきんちゃんみたいな子だな」

コーガがぼそっと言った。

「言い得て妙だな」

ディーが言い二人で私の方を見る。

私はどのような顔をすればいいのかわからず二人から視線をそらした。

「わかったんなら『ミコ』っていうのをだせよ!そしたらねーちゃんはあそこから出れるんだろ?!」

巫女それは先ほどから琥珀の目の前に出されているのだが。

ミレイが琥珀の方を見てから首を傾けた。

「琥珀ちゃん、そんなに簡単な事じゃないかもしれないわ」

「どういうことだ!」

琥珀がミレイの方に向かって怒鳴るとエディンの目が吊り上がった。

「琥珀ちゃんがお姉さんにあった時、そこにはお姉さんしかいなかったのよね?」

「そうだ」

「お姉さんは壁を簡単に壊せる人なのよね」

「うん」

「だとしたら、逃げようとすれば逃げれるはずなんじゃない?」

「あ」

琥珀が驚いたように上を向いた。

「お姉さんが逃げられない理由わけは他にもあるんじゃないかしら」

「そ、そうかもしれねぇ…」

琥珀がおずおずと言った。

「それなら私達も琥珀ちゃんのお手伝いができるかもしれないわ」

ミレイがにっこりと笑って琥珀の目を見る。

「わかったよ、なら、あんた、オレを手伝え」

琥珀がミレイに言った。

「もちろんよ」

ミレイは優しくきれいな微笑みを琥珀に返した。

琥珀がまた顔を赤くした。

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