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3-2

 「手分けして、扉を調べよう」

ディーの声に私たちは扉を調べ始めた。

と言っても、扉の高さはコーガの背丈より高いので上の方はコーガとディー、

中間あたりはミレイが、下の方を私とヒューゴで見ることにした。

「なんかここ隙間あるよ」

ヒューゴが右扉の王の目前にある盛り土の頂点を指さした。

「ほんとだ」

コーガが屈んで隙間スリットを覗き込む。

隙間は幅が手のひらほどで高さは指の関節1つ分ほどだった。

「上の方に変な窪みがあるぞ」

デイーが扉を見上げながら言う。

左側の扉の上部左端に窪みがあった。

「窪みならここにもあるわよ」

ミレイが左扉の中央の高さからやや右寄りの窪みを指さした。

どちらもきれいな円とかではなくいびつな形の窪みだった。

「うーん」

「なんだ?」

「どういうことだ?」

「なんか入れるのかしら?」

「うむ」

全員で見つけた隙間と窪みを見つめた。

「あれは、魚かな。あっちは波?」

しばらく皆で見つめていると飽きてしまったのかヒューゴが後ろに下がり扉の浮彫レリーフの精霊当てを始めた。

「あっちは木かしら」

ミレイも加わった。

「んじゃ、あれは太陽と月か?」

コーガも加わる。

「あの丸いのは種か」

ディーも指差し始めた。

「飛んでる蝶みたいのは虫かしら」

中央の翅のある女性を指してミレイが言う。

「後ろのひだひだは?」

ヒューゴが背景になっている放射状の線を指さす。

「それが光ではないか?」

「人は?」

ミレイが言う。

「グァンディル王は人だぞ!」

ディーがいいことを思いついたように言う。

「おお!」

コーガが手を打つ。

「なんか足りなくない?」

ヒューゴが指を折り数え始めた。

「えぇっと…あれが」

「魚」

コーガが答える。

「あれは波だろ」

ディーが上の方を指さしながら言う。

「あれが木で、こっちが種、あれは虫でしょ」

ミレイが言う。

「太陽と月だよな」

コーガが言う。

「あと人」

ディーが言う。

「うんと、あとひだひだ」

「光りだな」

ヒューゴが折った指を見ながら首を傾げた。

「八個しかないよ、たんなくない?」

全員で浮彫レリーフを見上げた。

「窪みは二個だよな」

「それで、十の精霊ということになる」

「そこに、あと二つの精霊がそろえばいいのよね」

ミレイの意見に皆が頷く。

「で、それどこにあるの?」

ヒューゴがつぶやいた。

また、全員が無言になった。


『契約の箱を委ねられる

鷹の王、獣の王たる

猛き者グァンディル』


『土の中に埋もれていたのを見つけて、掘り出して在りし日を再現してみたんだ』

私はディーの言葉を思い出して上に向かう階段を駆け上がった。

「きんちゃん?!」

ヒューゴが後ろからついてきた。


ヒューゴと二人で目的のものを1つずつ持ち階段を駆け下りた。

「きんちゃん、どうしたの?」

ミレイの言葉に無言で頷くとヒューゴが

「これ持ってて」

とコーガに自分の持ってきたものを渡した。

「きんちゃん、僕に乗って」

ヒューゴは私の前で腰を落とすと私の足の間に首を入れて肩車をした。

「それなら、俺の方が背が…」

コーガの声に私を肩に乗せたまま

「僕がやるの」

とヒューゴが言った。

私は上部にある窪みに自分の持っている方の彫像を入れたがうまくはまらない。

「コーガ、そっちのをもらえないか」

私はヒューゴの肩に乗ったままコーガに言うとコーガが持っている方を私に渡した。

今度は窪みと彫像がしっくりと合った。


カチリ


ヒューゴは彫像が入ったのを見ると私を肩からそっとおろしてくれた。

そしてヒューゴが持ってきた精霊堂の側面に飾ってあった獣の彫像を下の方にあった窪みにはめた。


カチリ


扉の中で何かかが起動した音がした。

「うん、うまくはまったけどなんにもならねぇな」

コーガが扉を押しながら言う。

「まだ、何か足りない」

私は鳥の彫像と獣の彫像がはまった左側の浮彫レリーフから右側の浮彫レリーフに目を移しながら答えた。

右側の浮彫レリーフを見ながらこれはどういう隠喩なのだろうと思って、ディーの方を見た。

「ディー、あの盛り土はどういう意味があるのだ?」

ディーは顔に掌を広げて撫でてから

「たぶん、この地を平定したという意味じゃないかな」

なるほど平定した土地の土を盛ってこの地が自分のものだという意思表示をしているのか。

「ただ、その場合、そこに自分の剣を刺すのが一般的だけどな」

ディーが広げた掌の親指と中指を両頬に押すように当てながら言った。

「剣?」

コーガが自分の剣を見た。

「これを刺しゃいいのか?」

「ち、違う…」

「ぐぅ!」

私が慌てて抜き身の剣をその溝に刺そうとしているコーガを止める前にミレイが鞘のついたままの短剣ダガーでコーガの頭を無言で殴りつけたのでコーガの動きが止まった。

「コーガ、来てくれないか?」

頭を押さえて悶絶しているコーガに私は声を掛けた。

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