2-19話
「うん、これでよし」
クラウスの声に新しい罠を見上げる。
「『クラウス・特別極改五号』だ」
確かに原型は蛇腹扇でそれを大きくして細いひもでつるしてある。
「ここを踏むと、ここが引かれて後ろから当たるという感じだ」
「なるほど」
ふふんとクラウスが自慢げに鼻を鳴らす。
「雨とかで切れちゃわない?」
私とヒューゴの言葉にクラウスが顎に親指と人差し指を当てて考え始めた。
「『改』というのは?」
「改良したってことさ」
クラウスが満足気にうなずきながら言う。
「技術者たるもの前よりいいものを作らないとね」
確かに、クラウスを交えて作った罠は日々改良している。
「んまぁ、技術者の性ってもんだよ」
技術者の性か。
「あ」
私はあることに思い至ったがここで言うことではないので
後でディーに相談してみようと思った。
「どうしたの?」
「この前、夜盗があそこから現れたから
そこの場所にも罠をかけたいと思って」
それも思っていたのでクラウスに言った。
「うん、そうだね。どこから侵入してきたのか検証しよう」
グー
ヒューゴのおなかが鳴った。
「ヒューゴに餌あたえてからにするか」
クラウスが笑いながらヒューゴを見る。
「おやつって言ってよ」
ヒューゴが頬を膨らませながらクラウスを見上げた。
「差し入れを持ってきたから、お茶にしない?」
丁度いい拍子でミレイが中庭に続く扉を開きながら私達に声をかけた。
「ミレイ、ディーに聞きたいことがあるのだが連絡を取ることは可能か?」
ミレイと共に客間に向かいながら私はミレイに聞いた。




