2-17話
朝、日が昇る前に目が覚めた。
窓辺に置いた蛹を外の日陰に持っていこうと鉢を持って中庭に向かった。
緑色だった蛹は茶色になりなんだか中が透けているように見えた。
中庭に出てみると、ヒューゴが池のふちで狼姿で寝そべっていた。
私の足音で目が覚めたのか顔を上げてから起き上がり私の足元によって来た。
日が昇ってきたので日陰になるところを探して鉢をそっと置いた。
蛹が脈動しているように動くのでそのままそこに座り見ていると
ヒューゴも私の隣に座った。
しばらくすると蛹の背中が裂けて乾いた音を立て
むくりと頭が出てきてはねるように触覚が立った。
脚が何かを探るように枝を何度か叩く。
腹部が何度も揺らされてずるりと体全体が出ると何かを探すように脚が動いて枝に着けた横木にその脚を延ばした。
腹部が重そうに蛹の殻から出て濡れたような翅が小さく体に張り付いている。
見ているうちに翅が息を拭きいれたかのように伸びていく。
みていると、さらに伸びをしているかのように翅が伸びその翅を風が揺らす。
蝶は数回、羽ばたきをしてからゆらゆらと枝を離れ上に飛んで行った。
私とヒューゴは同時に息を吐いた。
二人とも息を止めるようにして見ていたらしい。
緊張から解き放たれたかのように私は後ろに倒れて寝そべったまま
宙を舞う蝶を見ていると上からヒューゴが私の首と胸の間に頭を乗せてきて金色の目を上に向けて同じ蝶を見ていた。




