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 春に雑誌社に入社したミヤタという男は、四ヶ月の新人であった。今だ、取材ひとつ一人でさせてもらうことはできず、今日も先輩の後ろにくっついて取材を行うことになっている。

「おい。ミヤタ早くしろ。」

 そういう先輩、タカクラは待つ気がなく、会社のドアを開けさっさと出て行ってしまう。散乱した机の上から何とかメモ帳とボイスレコーダーを引っ張り出しカバンに突っ込むとミヤタもタカクラの後を追った。

「今日の取材相手はようやく予約をとれたんだ。相手はかなり忙しいからな。遅れは許されないぞ。」

 会社のロビーを出ると夏真っ盛りのむわっとした熱気が二人を不快な気持ちにさせる。二人は駐車場にある車に乗り込みエンジンを吹かし、真っ先に冷房のスイッチを入れた。

「お前、先方がどういう方が調べてるか。」

 まだ、車内の空気が冷えておらず雑誌を団扇代わりに使いながらタカクラは助手席に座っているミヤタに話しかける。

「千年に一度生まれるか、生まれないかの天才少女ということは知っています。」

 そう答えるミヤタにタカクラは団扇代わりに使っていたライバル会社の雑誌をミヤタに乱暴に押しつけた。

「その雑誌の二十五ページに取材相手の記事が書いてある。あっちにつくまでよく読んでおけ。」

 車内の中で文字を読むのは気分が悪くなるということをタカクラに伝えたかったが、以前タカクラからお前は余計なことを口にしすぎるという注意されていたばかりということを思い出し、やめた。

 その代り、はあ、と気のない返事をタカクラに返すと、車は発進した。


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