ゼロ次元
SFとはちょっと違う感じだと思いますが、SFが一番近いと思いました。
あるとき、世界が二次元になった。高層ビルも、電波等も、木も、全部、紙に描いた絵のようになった。
「この世界は、一本の線だ」
そういったら、今度は一次元になった。丸い地球の中の広い世界は、長い長い一本の線になった。三次元に存在していたものは、見えなくなった。
「もしも、世界が点になったら、どうなるんだろう」
呟くと、ゼロ次元になった。全てがひとつの点になり、何もかも目で捉えることは出来ない。
「やっぱり、三次元が一番良い」
というと、立体になった。
―――真ん中の、黒い点が。―――