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第3話 スライム狩り その4


 二日目。


 


 アイツ等ちゃんと仕事しているだろうか?

 アマカは商会の指名だと言っていたが、なぜアイツ等が指名されたんだ? 指名って事は前から知ってるパーティなんだろ? アイツ等は何者なんだ。

 何故芝居なんて回りくどいやり方までして連れてこさせたんだ? 知っているなら商会の方から声を掛ければいいと思うんだが。誘うのも試験の一環だって言うが、本当にそうなのか?


 まさか実はもう俺等の不採用は決まっていて、アイツ等を連れて来られなかった次点で時点でクビ。連れて来られてもトラブルを起こしたら紹介した責任を取らされてクビとか?

 連れて来いとそっちが指示を出したんじゃないかと反論したところで、シラを切られて終わりとか?

 とにかく何でもいいから難癖つけて俺達を落としたいと思ってるのかもしれない……。



 ――バシュ



 いや、待てよ。不採用にするならこんな手の込んだ事をせずとも、不採用ですって一言言えば済む話だ。それにアイツ等が問題を起こさなかったらどうなる? 失敗しなきゃクビにする口実にはならないぞ。

 てかそもそもアイツ等は問題のあるパーティなのか? もしかするととても優秀なパーティなのかもしれない。もしそうなら……そうか。やはりライバルなのかも。

 その方が自然だ。今回の仕事の結果でどちらを採用するか決まるのかもしれない。これはうかうかしていられないぞ。

 

 ……ん? じゃあ何故アマカに芝居をさせたんだ? ライバルなら参加が決まってるんだから、アマカに誘わせる理由がないぞ。

 第一その場合、アマカだけじゃなくてアマカの知り合いも芝居をしていた事になる。

 

 "お前達がライバルだと知らせていないアマカにお前達を誘えと指示を出しておいたので、それとなく誘われると思うから知らないフリして誘いを受けろ"

 

 何だそのややこしい設定。意味が分からん。

 分からな過ぎて思考が追いつかん。よし一旦整理しよう。確実に分かるところから考えてみるか。



 ――バシュ



 俺は冒険者になりたくて、五年前に弟のタックと二人で王都にやってきた。父ちゃんと母ちゃんは共に村で農家をやっている。

 

 ……ここまで戻る必要は――まぁ、いいか。

 

 種無しの頃は舐められちゃいけないと思って、村ではバンバン兄弟と恐れられており、村の悪い奴等はだいたい友達――そういうていでやっていた。

 もちろん悪い友達なんていなかった。と言うよりも小さな村だから同年代が弟しかいなかったわけだけど。


 冒険者になって二年目にアマカと出会って弟と三人で《マウンテン》を作った。それから少ししてようやく三種に上がり、いよいよ冒険者らしいクエストをこなすようになる。しかし思ったよりも金回りは良くならなかった。

 やはり冒険者でガンガン稼いでいるのは贔屓のお貴族様や商会がいる人達だった。もちろん第一線で活躍するトップ冒険者もだが、そもそも一種の冒険者なんて一握りしかいない。多くは道半ばで妥協してしまうからだ。

 多くの冒険者の目的は金だと思う。強い信念や明確な目標を持って冒険者をやっている奴の方が少ない。でもそれが悪いとは思わない。金を稼ぐという目的だって立派な目的だと思う。



 ――バシュ



 俺達兄弟もそうだ。金が稼ぎたくて冒険者をやっている。決して畑仕事が嫌で逃げ出したわけじゃない――わけじゃないぞ。

 あぁ、そう言えば昨日納屋のそばに放置されたモモモモの実があったな。

 ガキの頃、親父が野菜を同じように――。



「ニキ……兄貴」


「ん? 何?」


 ――バシュ


 上空を旋回するオオカラスに撃った矢が当たって落下してくる。


「あっ」


 アマカとタックがスライム駆除をしている間、俺はオオカラスが邪魔をしてこない様にひたすら弓で牽制していた。ただ、全然違う事を考えていたのだからまともに当たるわけがない。今当たったのは全くの偶然だ。


「ここは終わったから移動するぞ。ボーっとしてんなよ」


「ああ、スマン、スマン」


 と謝ってはいるが、正直悪いとは思っていない。

 気が付くとネガティブな思考にどっぷりハマってしまっているのだから仕方ないじゃないか。

 無意識なものは治しようがない。誰だって目の前に異臭を放つ物があったら鼻じゃなくて口呼吸になるだろ?

 それと同じで――そうそう、臭いと言えば冒険者として一番重要な感覚は嗅覚だと思うんだよな。もちろん他の感覚も大切だが、一番は嗅覚だと俺は思う。二番目は聴覚で、次は―― 

 

「――おい、聞いてるか兄貴。またブツブツ言ってるぞ」


「ああ、スマン、スマン」


 またやってしまった。とりあえずスライムを荷車に載せないと。

 俺は弓を背負うと二人と一緒に駆除されたスライムを拾い集めた。積み終わった荷車を押すと結構な重さを感じる。一日ちょいでこの重さだと、今日拠点に戻ったら一旦全部降ろした方が良さそうだ。じゃないと明日はもっと重い荷車を一日移動させる羽目になる。

 

 そうだ。矢筒の矢も補充しなければ。後、さっき偶然撃ち落としたオオカラスも回収しておくか。それにしても昨日よりもオオカラスが増えてるな。昨日は全然いなかったのに。

 でも何でだろう? 普通初日が一番多いと思うのだが――まさか。

 どちらかのパーティ、若しくは両パーティが俺等の方にオオカラスを追いやっているとか? それなら増えてる理由の説明がつく。


 ぐぬぬ……どうやら俺達は妨害を受けているようだな。

 商会の奴等は新入りが入って来ない方が自分達の回転率が上がるだろうし、《オーラ》の奴等はライバルだから当然邪魔をするのだろう。


 クソ! 底意地の悪い奴等め。


 そんな奴等に絶対に負けてなるものか。荷車を押す俺の手に力が入る。商会専属の冒険者になれれば一般的な冒険者と比べて、圧倒的に安定した生活が見込める。いくつもの試験をこなしてようやくたどり着いた最終試験。このチャンスを逃してなるものか。

 

 そう言えば《オーラ》の連中とは今回が初めてなのだが、今まで一度も試験で出くわした事がないな。全く別のところで試験が行われていたのだろうか。


 いやそもそもアイツ等は試験を受けていたのか? もしかすると特別待遇でいきなり最終試験にエントリーされた可能性もある。


 アイツ等は何者なんだ。





 ……あれ? これさっきも考えてなかった? 


 どうも堂々巡りしてるような気がしないでもない。



この拙作、実はカクヨムのコンテストに応募していますが、腕も実績も戦略も無い上に、遅筆のせいで〆切日に滑り込んだものだから、いまだにプレビュー0ですorz


現時点で残り話数は@2話です

カクヨムの方ならすぐに読むことができます

もし、もしも、わずかでも続きが気になるようでしたら、ぜひカクヨムの方も覗いてみて下さい

よろしくお願いいたします

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