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癌患者の家族の混乱

お読みいただきありがとうございます!よろしくお願いします。

「マジでやべえよ」

 やたらと長い病院のお会計を待っている間、子宮体部癌患者、G3で検索をしまくっていた私は腎盂腎癌が肺に転移しても克服したお医者さんの記事を読むことになるわけです。とにかくこの方も癌が発症したのは青天の霹靂だったのですが、

「とにかく癌のことについては全てに蓋をして、考えないようにしたんです。癌は癌、治療もそりゃ進めて行くことになったのですが、その事と自分を切り離して考えるようにしたんです」

 後から確認したらこの記事、すでに削除されているのか読み返すことが出来なかったのですが!確かに!そんなことが書かれていた!この時のこの方の記事はガチーンと私にハマったのは間違いないです。

「そうだよ、そう!考えたらあかん!癌は癌だし、治療もすることになるけれど、癌の種類とか予後とか、そんなことは一切考えずに切り離していこう!」


 それは何故かと言うのなら、

「癌にとって一番悪いことはストレス!ストレス感じまくっていたら飛んでいっちまいそう!(転移してしまいそう!)だからこそ!絶対に!絶対に考えない!癌については考えない!」

 転移だけは阻止したい!だからこそストレスの根源である『ハイリスクな癌を罹患した患者の未来』については一切考えない!考えないったら考えない!

「バランスの取れた食事!良質な睡眠!良質な睡眠を得る為には適度な運動!術後筋肉が衰えるのは間違いないので筋力トレーニング!体重維持!筋力アップ!肺機能アップ!」

 ぐるぐるぐるぐる、頭の中は術前の体調管理、いかに自分が手術に耐えられるメンタルでいられるかを模索し始めていた。


 この時、

「「ママが癌だなんて・・」」

 ショックを受けた家族を完全に置き去り状態だったのは間違いない。

 ストレスは癌の進行を助ける餌!ストレスは大敵!だったらどうする?ハイリスクな癌を罹患した患者の未来については一切考えない!だって、考えたところで何も良いことないもんね!


 だけど、家族はそうはいかない。

「ううう・・ううう」

 告知を受けた夜の深夜三時、突然、夫は起き出して泣き出した。そりゃもう悔しそうに泣き出した。おかげで私も泣いた。この時、告知を受けてから初めて泣いたかもしれない。

「どうして癌なんかに・・」

 夫は泣いているけど、もう!本当に!それを考えるのはやめようって!

「ママ、頭痛い」

 翌朝、目を真っ赤に腫らした娘が、頭が痛いと言い出した。

「そうか、頭痛いか」

 そりゃそうだよなあ。

「バファリン飲むか?」

「うーん、それはいいや」

 そうして学校に登校をした娘はその日、腹痛を訴えて保健室へと行ったらしい。


 家族が癌を告知、それもハイリスクの癌だもの。家族だって、

「「ガーーーーーンッ!」」

 となるよなあ。でもね、でもなんだけど、母はガーンッ!となっている暇がないのよ。


 令和七年七月七日に癌の告知を受けた私だけれども、令和七年六月二日に『貴婦人たちの噂話は今日も楽しい』という単行本が出版されており、10月には二巻目を刊行予定。この二巻目が何故だか本当に書く気がしなくって、筆が進まずの状態だったのです。


 なろうさんやカクヨムさんに掲載をツラツラ続けている私ですが、筆が止まるということがあまりない私が完全停止状態。七月七日の告知の時点で二万字しか進んでおらず、残り十万字が残っている。

「マジでヤバい!」

 これから手術、抗がん剤治療になったらどれだけ副作用が出るか分からんし、とにかくオペに入る前に第一稿は書き上げないとヤバい。


「すまんけど皆、ママ、ここから必死になって小説を書かなくちゃならんからごめん」

 悲壮感たっぷりの家族に向かってノートパソコンを出しながら言いましたとも。

「ママ、今の時点であと10万字が残っているの、本当に、マジでやばいから」

「「はあ・・」」

「ママ、今はこれに集中するしかない状態だから!」

「「はあ・・」」

 入院前までに完成させなくては出版会社様にご迷惑をおかけすることになってしまうもの。

「すまんけど、小説書くわ」

 混乱状態の家族のことなんかは置き去りにして、癌についてもガン無視状態となって、目をバッキバキにしながら執筆作業を進めて行くことになったわけです。


 ちなみに、ハイリスクの癌に家族が罹ったら、

「お前はもう(あと数年で)死んでいる(北斗の拳風に)」

 と、サポートする側の家族はまずこれを考えちゃうみたい。

 確かにハイリスクであればあるほど、五年後生存率がバンバン下がっていっちゃうのは分かるけども、

「知らん、知らん、全くしらん」

 G3の余命については告知一日目にネット上で確認(東京にある大学病院が患者のデーターをまとめていたものを発表していた)したけれど、それ以降は見るのもやめた。


 癌になってみたら分かることなんだけど、

「お前はもう(あと数年で)死んでいる(北斗の拳風に)」

 と、周りから思われることになるのよ。まずは余命や如何にという雰囲気が滲み出てくる。いや、死なねえよっ!と自分でも思っているつもりではあるけれど!その、北斗の拳みたいなの、良くないよ!良くないって!


夫なんかキッチン前をうろうろ歩き回った挙句に言い出したのよ。

「なんか落ち着かないんだよ、これはもう、娘を嫁に前に出す前の父親のような気分!これはもう冠婚葬祭みたいなものだしな!」

「冠婚葬祭って、それもう、私は死んでいますよね?」

「ああああ! そうじゃなくて! ごめん! ごめん!」

 とにかく癌患者になって分かったことだけど、それがハイリスクであればあるほど。

「「それはつまり、死んでしまうかもしれんってことだよね?」」

 という考えが家族の脳裏に張り付いていくわけで、

「ママが死んじゃったらどうしよう!」

「妻が死んじゃったらどうしよう!」

 この家族の考えは、癌に罹った本人からしたら、

「いや、待て!待て!待て!まだ死んでねえよ!」

と、声を大にして言いたくなるんだよね!


「ノー!負のスパイラル!ノーモア!負のスパイラル!」

 私は知っているんです。癌にストレスは大敵!負の感情も大敵!考えない!考えない!

「私はまだ生きているし、とにかく小説書かないとまずいから」

 残り十万字もあるし、こっちもこっちで、本当にヤバいから。


「学校でお腹が痛くなって保健室に初めて行って」

「そうか、ストレスだな。胃薬飲もうか。あと、夜は三人で川の字になって寝よう!その時に話を聞くから!」

 パソコンから顔を上げて言いましたとも。

「今はちょっと小説書かなくちゃなんないから、すまんね」

 この時、夫は、

「マジか、この人〜」

 と、思ったらしい。


 癌に罹っていない自分たちがこれだけダメージを受けているのに、お前は小説を書くのか?本当に書くのか?

「強がっているんだろうなあ」

 この時、夫はそんなことを考えながら私を見ていたそうなんだけど、そのうちに気が付いたみたい。

「あれ、もしかして、強がっているとかじゃない・・のかな?」

 そう、そう。強がっているんじゃないんだよ。小説書きながら現実逃避をしているだけなんだよ。小説書きながらハイリスクな癌を罹患した患者の未来については一切考えないようにしているだけ。実際に入院前までに十万字を書くのは大変だもの。そりゃあ夢中になって書きましたとも。

「こりゃもう、入院した後にも書かなくちゃならんかもしれん」

 告知を受けたのが月曜日、大学病院を受診するのが木曜日。頭の中は木曜日受診したら緊急入院することになっているから、

「パソコン、マジで病院まで持って行かなきゃ完成しない!」

 焦りまくっていたのは間違いないです。


癌の告知を受けた私の状況をコミカルに描いていきたいと思います。

癌を治療するにあたり、私としてはこうした方が良いのだなという部分をクローズアップして、

二人に一人が罹患すると言われている癌について、情報を共有しつつ、楽しんでいただけたら幸いです!

もし宜しければ

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