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小市民の選択  5  

ここまでお読みいただきありがとうございます!

「悪い顔の癌ですね」

 癌の告知を受けて以降、これは良く言われる言葉でした。

 私は子宮癌に罹患したのですが、特にリンパ転移しやすい種類の癌ということで、

「うーん、もちづきさんの癌は悪い顔の癌だから〜」

 小さなポリープから3・5センチほどの大きさに成長した私の癌は『悪い顔の癌』ということになるのでしょう。


 手術をして病巣を取り去り、抗がん剤治療を6クールやり切った私ですが、

「もちづきさんの癌の場合、悪い顔の癌なので、転移するとしたら三年以内の場合が多いかと思います」

 抗がん剤治療後に行った造影CTでは『転移なし』の結果となりましたが、悪い顔の癌なのでまだまだ予断は許さない状況だといえるのですが・・

『抗がん剤治療』『右鼠径痛み』『発赤』の検索結果が、

〈鼠径リンパへの転移が考えられますので、すぐに担当医師に相談してください〉

 こえー〜って!


 いや、ない!ない!ない!23日前に行った造影CTの問題なかったんだから・・そんなバカな!とは思いつつも時間が経過するうちにどんどん右鼠径部の腫れが赤くなっていったので、ホテルから帰宅後すぐに病院に電話をしましたとも。


「それじゃあ、もちづきさん。今日の外来はすでに終わってしまったので、明日、十一時までに来て受診をするようにしてください。予約をしているわけじゃないので、待ち時間は長くなるとは思うんですが大丈夫ですか?」

「大丈夫です!」

 私の右鼠径は押さえるとズキズキ痛むような状態であり、鼠径の右側だけが発赤。ホテルから帰ったその日も夕方になると38・5度まで熱が上がり、

「たぶん、鼠径ヘルニアだと思う!」

 と、転移よりも鼠径ヘルニアであれ! と、思いながらその日は早めに寝ることにしたのでした。


 私の場合は子宮を丸ごと摘出しているので、元々子宮があった場所に腸がどさっとずれるように落ちていることから、腸閉塞、鼠径ヘルニアを起こす可能性が高いんです。お腹がゆるゆる状態でガスが出ないということはないので腸閉塞ではないとして、

「右鼠径が痛いから鼠径ヘルニアか?」

 鼠径ヘルニアとは腸が皮下へ脱出する脱腸状態のことをいうのですが、これを治す場合はまた手術をしなければならないんですよね。


 翌日には熱がすっかり下がり、長時間待つのは覚悟の上で婦人科外来へと向かいます。まずは、

「もちづきさーん、鼠径部が腫れているということですが、あらかじめちょっと見せて貰いますねえ」

 と、看護師さんに言われて無人の診察室へ。そこで右鼠径だけ真っ赤になっている状態を見てもらうことになり、

「押すと痛みがあるんですね、なるほど、なるほど。一回、お熱を測ってみましょうか」

 体温計を脇に挟んだ結果、36・6度。


 その後、1時間も経たずに診察室に呼ばれ(3時間は待つかと思ったよ)旅行に行ったということはもちろん伏せた上で、日曜日から熱が出たので病院の医師に電話をして確認をして、以前処方された抗生剤を飲んでいたということ。

 昨日の朝から右鼠径部が赤く腫れて痛みが出て来たということ。

「もちづきさんの場合は手術をしているし、鼠径ヘルニアの可能性が高いかなあとは思うんですが、まずは採血をしてもらって、その後にエコーで確認をすることにしましょう」

 と、言われることになったんですね。


「すみませんが、一つだけ質問があるんです」

 私は前のめりになって質問をしましたとも。

「私の癌はリンパ転移しやすい癌だと言われているんですけれども、鼠径リンパへの転移とか・・そんな恐れがあるわけじゃあないですよねえ?」

 先生は笑って言いました。

「リンパ節ってとっても小さいので、仮に鼠径リンパ節に転移していたとしても、こんな腫れ方はしないです。これだけの腫れが癌のせいだとしたら、それはとっても大きな癌があるってことになるので、もちづきさんの場合、鼠径リンパ節への転移とは考えられないかなと思います」

 それじゃあやっぱり、鼠径ヘルニアの可能性は高いってことですかね。


 そこから採血をして、外来に戻って三十分ほどしたところで、

「もちづきさ〜ん、内診室の方へお入りくださーい」

 内診台がある診察室に案内されることになったんです。


 婦人科の内診台ってあれですよ。下は一糸纏わぬ状態で座り、ぐるーんと移動をしている間に両足がパカーッと開くあれですよ。私は子宮を全部取っているので下着は脱ぐべきなのか・・いや(嫌だけど)脱ぐんだよな!


 こうしてまな板の上の鯉状態になった私は内診台の上へ、ぐるーんと移動した後は、

「それじゃあエコーをしますねえ」

 膣エコーではなく普通のエコーを鼠径部にすることになりました。(え?パンツ履いてても大丈夫だった感じ?)

「あっ、鼠径ヘルニアじゃないですね」

 この時、男性医師と女性医師と看護師さんがいたんですけれども・・あっちとこっちを隔てるカーテンがシャーッと開けられました。

「確かに右鼠径が発赤しているけど、もちづきさん、ここ痛いですか?」

「もうちょっと中央側が痛い感じで、昨日の方が実は物凄く痛かったんです」

「昨日の痛みが十としたら今はどれくらいですか?」

「3くらいです〜」

「鼠径ヘルニアじゃないし、リンパかなあ」

「確かに陰部の右側の方が腫れていますね」

「やっぱりリンパかなあ」

 とにかく何が言いたいかと言うと、これがまな板の上の鯉状態って奴です。おばさんだからまあ耐えられるけど、若い人だったらキツイって。

「もちづきさんの場合はリンパ郭清をしているので、残ったリンパの部分が何か悪さをしているかもしれないとは思うんですが、鼠径リンパに転移とかそういったことではないので心配しないでくださいね!」


 こうして内診室から一旦外に出た私は、その後、診察室に呼ばれまして、

「もちづきさん、血液データが出たんですけど、それほど悪くはないんですよ」

 と、先生は言いました。

「今日はこの後、両下肢のエコーを撮って貰うことにして、次回、外来の時にその結果を聞いてもらうことにしますね!」

 あ〜、そうっすか〜。

「抗生剤を出しておくので、それを飲んでくださいね」

 

 ということで未だに何で鼠径が腫れたのかは良くわからないのですが、抗生剤を五日分内服している間に腫れも引き、その後、熱発することもなく今に至るというわけです。

 これから抗がん剤治療をする方へ、個人差があるとは思うんですが、抗がん剤治療が終わったから体調も良いしスッキリ!という訳にはなかなかいかない場合もあるし、旅行の予定を立てるのなら最低でも三ヶ月後・・いや、半年後の方が良いのではないかと思っちゃいました。とりあえず一ヶ月半後じゃないですね!


 


ここでこのお話は一旦、終了となります!!

癌の告知を受けた私の状況をコミカルに描いていきたいと思います。

癌を治療するにあたり、私としてはこうした方が良いのだなという部分をクローズアップして、

二人に一人が罹患すると言われている癌について、情報を共有しつつ、楽しんでいただけたら幸いです!

もし宜しければ

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― 新着の感想 ―
旅行を楽しめなかったのは残念でしたね。神様か霊もやりがいがなかったようで…。 鼠蹊部の腫れもこのまま何事もなく終わりますように! 私も内膜の組織検査で引っかかって摘出予定だったんですが、改めて検査した…
良かったですね、と言っていいのか分かりませんが、とりあえず転移ではなくて安心ですよね。 私はリンパ節と骨への転移で現在も2週間おきに化学療法をしています。 治療が終わっても定期的に検診等あると思います…
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