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小市民の選択  3

お読みいただきありがとうございます!よろしくお願いします。

 おみくじで『旅行』の欄があると思うんですけど、私が知る限り 『控えよ』『急ぐな』『病気に注意』『利なし』というマイナスコメントは見たことがありますよ。ただし、今年引いたおみくじのように『行けない』とは? 行けない? 初めて見たわ〜とその時は思っていたわけですが、

「マジでおみくじ当たっているのかも〜」

 去年の年末に『凶』を引いた私は、年始に2回引いても『小吉』『小吉』状態ですからね。このまま旅行は『行けない』を選択するかどうするか。


 10万越え(そのうち10万は貰った旅行券だったけれども)を当日キャンセルでパアにするかどうするか。

「小市民の選択? そんなものは決まっている! 」

 行く、一択。『旅行 行けない』じゃなく『旅行 行く』を選択した私は、超強力な抗生剤3種と解熱剤を服用。

「この雪の中、電車で行くのは良いけれど、駅まではタクシーじゃないとマジで無理だから! 」

 何が悲しくて雪の中を伊勢市に向かって出発しなければならないのかと思うけれど、とりあえず私も一緒について行けば、夫と娘は温泉、豪華料理、卓球を楽しむことが出来るでしょう。


 大阪難波から特急に乗りさえすれば一時間四十四分で伊勢市駅まで行くことが出来るんです。しかも私は近鉄沿線に住んでいるので難波でホームを移動する必要もない。こうしてタクシーと電車を乗り継いでホテルへと到着した私は・・私は・・

「ヤバイ・・悪寒が・・」

 上等のベッドの上でガタガタ震えておりました。 

 1日目のホテルは部屋も広いしベッドも上等。広い窓から見える森は素晴らしいものだったんですが、そのうち、真っ白の雪が横なぐり状態で降り出して来たんです。

「ついに雪が伊勢市までやって来たのか」

 さすが最強寒波、短時間で雪は止んでいたけれど、

「とてもじゃないけど夜ご飯を食べに行ける状態ではないわー〜」

 温泉も絶対に無理でーす。


 ホテルの人は(一人でも欠けたら宿泊出来ないというシステム故か)具合が悪くて食事を食べに来ることも出来ない宿泊客に向けての対応に慣れているようで、親切にも部屋で食事が出来るようにお粥や食べられそうなおかずを用意してくれました。

 こんな状況だったので私たちは15時きっかりにチェックインしたのですが、まだ清掃中だったお隣の部屋に同じような食事(お粥セット)が置いてあったので、やっぱり寒い日が続いているし、インフルエンザも流行しているし、私みたいに具合が悪くても無理してやって来る人がいるのかな?


 夫と娘は私を置いて夕食をとりに行ったんですが、

「お父様ですか?」

 娘と夕食を食べている最中に、夫がホテルの人に問いかけられたみたいです。

「お父様ですか?・・え?・・お父様ですか?」

 質問の意味が分からない。お父様ですか?と、問われたら確かにお父様なんですけれども、娘は高校二年生、まさか爛れた関係だと思われたのか?

「え?・・まさか?・・」 

 夫がポカーンとしている間に、ホテルの人も何処かに行っちゃったみたいなんですけれども、夫がホテル内でパパ活疑惑を受けている最中、

ピピーッピピーッ

 熱が39・2度、マジでやばい。


 旅行 行くを選択した私は、悪寒も終わり、すっかり上がりきった熱を確認するなり解熱剤を飲みました。ベッドが高級だった為、うなされても、ゴロゴロ転がっても体はとっても楽なのがありがたい。

「これはもう、寝るしかない〜」

 その日は部屋まで持って来てもらったお粥で夜の分の抗生剤を流し込み、熱が下がることを祈って寝るしかありません。

 そうして翌朝、36・8度!

「熱が下がったんなら温泉入れそう?」

「無理、無理、無理、無理」

「伊勢神宮にお礼参り行けそう?」

「無理、無理、無理、無理」

 私は夫と娘に向かって言いました。


「とりあえず私だけ一旦帰ることにして、二人は次のホテルへ移動するというのはどう?」

 一軒目は一人でも減ったら宿泊不可能と言われたホテルですが、二軒目のホテルは一人減っても宿泊が出来るホテルなのです!

「特急に乗って私だけ先に帰っているから」

「「いやいやいや、だったら一緒に帰るよ!」」

「いや、マジで、二人で楽しんでくれれば良いから!」

「ママだけで帰らせられる訳がないでしょう!」

「途中で倒れたらどうするんだよ!」

「途中で熱がぶり返したらどうするの!」

「具合が悪くなった時に一人で対応できるのか?」

 うぜー〜。

「それじゃあ、今日は二つ目のホテルに泊まるとして、私だけアーリーチェックインすることにするわ」

 これだけは譲れないです。

「二人には今日、お伊勢参りをして貰って、その間、私はホテルで待つことにするよ」

「えええ!だけど、ホテルがアーリーチェックイン出来るかどうかも分からないのに!」

「調べてくれるよね?」

 私は夫に向かって言いました。

「ネットで調べれば一発でしょ? 調べてくれるよね?」


 朝食を食べに行くことは出来たんですけど、半分も食べることが出来ないような状態です。チェックアウトギリギリまで寝ている間に、夫は二軒目のホテルに電話をしてくれたようです。

「ホテルに確認をしたら、予約していた旧館じゃなく新館の方の部屋を用意してくれていたみたいなんだ。アーリーチェックインで1時間だけ早めに入ることは出来るんだけど、旧館だったら1時間二千五百円払っていたところを新館だから三千三百円払わなくちゃいけないみたいなんだよ」

「三千三百円?払う!払う!」

「それから、チェックイン出来るまでの間はホテルのエントランスホールで待つことになると思うんだけど」

「全然いいです、3時間くらい余裕で待ちますとも!」


 一軒目のホテルの送迎バスで駅まで移動をして、その後は三人で二軒目のホテルまで移動。荷物を預けて夫と娘は伊勢神宮へ、私はとにかく眺めが素晴らしいホテルのエントランスホールで十四時まで待つことになったんです。

 病院の待ち時間で鍛えている私としては3時間待つぐらい何の問題もなかったのですが、

「まさか、あんなことが起こるなんて・・」

 という、娘にとっても私にとっても一生に一度のネタになるような出来事に出くわすことになるのです。


癌の告知を受けた私の状況をコミカルに描いていきたいと思います。

癌を治療するにあたり、私としてはこうした方が良いのだなという部分をクローズアップして、

二人に一人が罹患すると言われている癌について、情報を共有しつつ、楽しんでいただけたら幸いです!

もし宜しければ

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