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癌の告知を受けたなら  作者: もちづき裕
抗がん剤編
32/45

こりゃまずいことになっているね

お読みいただきありがとうございます!よろしくお願いします。

 病原菌扱いされてブチギレ気味の家族と私の心の距離はそれなりにあったまま、外来受診の日を迎えることになりました。熱を出した日から数えて三日後に受診の日だったので、

「37・5度以上にならなければ受診日までそのまま様子見で良いですよ」

 と、夜間の電話で言われることになった訳ですが、

「望月さん、体調の方はいかがですか?」

 担当の教授先生は笑顔で私を迎えてくれました。


「実は熱が出ることになって、電話でもご相談させていただくことになったのですが」

 私は一回だけ飲んだ抗菌剤を先生の前に差し出しながら言いました。

「実はこのお薬を一回だけ飲んだんですけど、薬疹が出ちゃったんです」

 

 風邪薬を飲んだだけでも薬疹が出てしまうのですが、今回は抗菌剤でも薬疹が出ちゃったんですね。先生は『Oh!』という表情を浮かべると、

「そうですか・・それじゃあ別の薬を処方しなければなりませんね!」

 と言って、そこからパソコンをカタカタカタカタ、カタカタカタカタ叩き始めたのです。


 受診前に採血をしたのですが、やっぱりデーターが悪かったようで、

「内服で対処をするか、それが出来なかったら入院するようになってしまうんですけど、そうですか・・薬疹が出ちゃったんですかあ」

 カタカタカタカタカタ、薬疹出ちゃったし、アレルギーが出なさそうな薬を選ぶのが大変ってことかしら〜。


「そうですね、とりあえず月曜日にもう一度受診をして採血のデーターを見る必要がある訳ですが、もちづきさんは月曜日の受診は問題ありませんか?」

 月曜日って5日後ですし、その週の水曜日には抗がん剤治療の予定となっておりますが、

「大丈夫です!受診出来ます!」

 二つ返事でOKしちゃいますよ!


「また熱が出るようだったらすぐに電話をしてもらうことにして・・」

「この前の熱の時も夜中にお電話してご迷惑をかけちゃったなあと思っていたのですが」

「もちづきさん!熱が出たら!絶対に!何時でも良いので電話をしてください!」

 先生は目をギラリンと目を見開きながら言いました。

「絶対に!迷惑ではないので!電話をしてくださいね!」

「は・・はい〜!」


 私の家族は夜中に電話をして常識はずれ〜みたいなことを言っていたけれども!やっぱり電話をして良かったんじゃないのよ!

「それからもちづきさん、お薬を処方しておきましたからきちんと内服してくださいね!」

「はい!わかりました!」

「それではこれが血液データーの結果になります、後は看護師の方で説明しますから廊下の方でお待ちください」


 血液データーの結果を貰った私が廊下に出ると、後からやって来た看護師さんが処方箋を私に渡しながら、

「もちづきさんの場合は薬疹が出ることが多いみたいなので、今回処方されたお薬でもアレルギー反応が出るかもしれないんですよ」

 と、言いました。

「もしもアレルギーが出るようでしたらすぐに電話をしてくださいね!それと、他に何か心配なことなどはありませんか?」

 おお〜、心配なことを尋ねてくれるなんて素晴らしい!


「いや、実は味覚障害が出ていてカレーを食べても味がしないような状態なんです。味はしないんですが食欲はあるので一生懸命食べるようにしてはいるんですけれども」

「味覚障害が出ているんですね!亜鉛とか取った方が良いかもしれないですねえ」

「亜鉛ですか!」

「亜鉛で良くなる人もいるんですけど・・次の受診で先生に確認してみても良いかもしれませんねえ」


 ここで一般の人なら、

「だったら今確認してくれよ!」

 と、思うかもしれないけれど、冷静になって周囲を見回してみてください。無茶苦茶受診待ちの人が居ますよね。みんな揃って待ち時間がものすごーい長いんです!


 今から先生の元に戻って看護師さんに確認してくれだなんて言えないっすよ。それに亜鉛でしょ?採血でデーターを確認しなくちゃいけないだろうし、今回の採血で亜鉛値までみているかどうかもわかんないもんね!

「それじゃあ次回、先生に尋ねてみます!色々とありがとうございました!」


 こうして私は外来受診を終えてお会計を済まし、病院前にある処方箋薬局で処方箋を提出した訳ですが・・

「もちづきさーん、すみませーん、ちょっと良いですかあ?」

 薬剤師の方がわざわざ私の元までやって来て言いました。

「実はもちづきさんの処方箋なんですけど、お薬の数と種類がですねえ、ちょっと、その、かなり多くてですねえ・・」

「あっ、実は私、今現在、抗がん剤治療を受けていまして〜」

 あっ!抗がん剤治療!癌患者?すみません!余計なことを聞いてしまって〜という表情を薬剤師さんは浮かべているのだが、良いんです、まごうことなき癌患者なので!


「三日前に熱発したので、それでお薬が処方されたみたいなんです」

「ああ!そうなんですか〜!」

 薬剤師さんは思案顔となったのですが、

「それでも・・やっぱりお薬の量が多すぎるようにも思えるので、一回、主治医の先生の方へ確認の電話をしてみても宜しいでしょうか?」

 と、言ったんですね。


 処方箋薬局でわざわざ確認の電話をしてくれるなんて!なんて!しっかりした薬剤師さんでしょう!

「こちらは全く問題ないです!お手数おかけしますがよろしくお願いします!」

「いいえ、こちらこそすみません!それじゃあ確認してみますので!」

 こうして薬剤師さんは戻って行ったのですが、私はソファに座り直しながら、

「え?確認が必要なほどの薬が処方されていたの?」

 と、そこで処方箋について考えを巡らせることになった訳です。


 ちなみに私の薬は5日分処方。

 シプロキサン錠200mg(細菌感染を治療する薬)2錠を1日3回。

 オーグメンチン配合錠250RS375mg(細菌感染を治療する薬)一錠を1日3回。

 アモキシシリンカプセル250mg(細菌感染を治療する薬)一カプセルを1日3回。

    

 主治医の先生の診察室の前には受診待ちの患者さんが長蛇の列を作っているような状況なので、そんな中で確認するなんて本当に大変だとは思うけれど・・これは時間が掛かるなと思いながら私はひたすら待ち続けることにしました。


 そういえば看護師さんも処方箋の中身を見て、

「もちづきさんの場合は薬疹が出ることが多いみたいなので、今回処方されたお薬でもアレルギー反応が出るかもしれないんですよ」

 と、言いながら、処方されている薬の量に驚いているような感じだったもんなあ。


 えーっと・・つまりは・・私の血液データー、結構まずい感じだったのかしらん。白血球が下がっていて好中球がどうとか言っていた気がするけれど、内服治療が出来なければ入院しかないんですよと言っていたけれど・・


 私の場合は夜中に38・6度の熱が出て以降、次の日は37・5度以上になることはなかったし、更に次の日には平熱になっていたし・・体調的にはこの通りそれほど悪化しているわけではないのだけれど・・

「もちづきさーん!お待たせしました!主治医の先生に確認が取れましたー!」

 薬剤師さんは満足そうな笑みを浮かべながら言いました。

「骨髄抑制なのでこの量で何の問題もないと確認が取れました!」


 うん・・うーん・・こりゃ血液データが大分まずいことになっているってことだね!


癌の告知を受けた私の状況をコミカルに描いていきたいと思います。

癌を治療するにあたり、私としてはこうした方が良いのだなという部分をクローズアップして、

二人に一人が罹患すると言われている癌について、情報を共有しつつ、楽しんでいただけたら幸いです!

もし宜しければ

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