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癌の告知を受けたなら  作者: もちづき裕
抗がん剤編
31/45

ここで四面楚歌になるなんて

お読みいただきありがとうございます!よろしくお願いします。

「婦人科外来を受診していて現在抗がん剤治療をしているもちづきと申しますが〜」

 急変もなければ当直医はぐっすり眠っている時間帯・・やばい・・ぐっすり眠っていたところを叩き起こされたみたいですよね?


 再度、23時42分に38・6度だったため、熱発時に飲むように処方をされた薬を内服したものの今も37・8度の熱発があり、37・5度以上の熱が1時間以上出ているため退院時に担当の医師から言われた通り電話をすることにしたことを説明。


「本当に・・こんな夜遅くに申し訳ありません〜」

「いえいえ、大丈夫ですよ!そうですか、熱発時に飲むように処方されたレボフロキサシン(500mg)を内服されたんですね。これは解熱剤というものではなく抗菌剤になるので、これを飲んで解熱をするということではないのですが、今のところ体調が急激に悪くなっているわけではないんですね?」

「はい、最初は体調も悪かったんですけど、今は落ち着いています」

「そうですか。だとしたらこのまま様子を見て頂いて、熱が37・5度以上にならなければそのまま次の外来まで様子を見る形でも良いですし、37・5度以上の熱が続くようでしたら明朝、婦人科外来の方に電話をして頂いた上で受診して貰う形になりますね」


 眠りから覚めた先生は懇切丁寧に熱発したらどうしたら良いのかを教えてくださって電話を切ることになったのですが、ふと見ると呆れ顔の夫が隣で私の方を見ているではないですか。


「あのさ、何で病院に電話しているの?」

「いや、それは、37・5度以上が1時間以上続くことがあったら何時でも良いから電話をするように退院時に説明を受けていたから」

「おかしいよ」

「はい?」

「いくら熱があるからって、夜中に電話をするようなことなの?」

 時計を見ればすでに夜中の3時を過ぎております。

「そもそもさ、本当に電話をしなくちゃならないなら何で起こしてくれないの?」

「はあい?」

「夜中に病院に電話をするような緊急事態だったら起こしてよ、そこは俺が電話をしなければならないところなんじゃないの?」


 ここら辺で起き出してきた娘まで夫に加担。

「ママさあ、パニックになり過ぎてない?落ち着いた方が良いよ」

 はあ?パニック?

「今、夜中だよ?」

「いや、だから、病院から37・5度以上が1時間以上続くことがあったら夜中でも良いから電話をするようにと言われていたからさ」

「なんで起こしてくれなかったの?」

「いや、だって、みんな寝ていたから!熱も37・8度あるし!」

 二人は揃って大きなため息を吐き出しました。

「だけど今は夜中だよ?」

「こんな時間に普通、病院に電話するか?」

「おかしいよ!」

「いや、だけど、きっと今、骨髄抑制で白血球が減りまくり状態なんだよ!そんな状態で熱が出るってことは体に何処かの菌が入ったっていうことで!」

「菌ってなんなの?」

「だってそうでしょう!貴方達!外に出かけているじゃないですか!パパなんて最近、喉が痛いとか言っていたよね!喉の奥が痛いと言っていたよね!」


「「あー〜」」


 二人は呆れ返った様子で私の方を見ましたとも。

「いや、ないわ、本当にないわ」

「ショックだわ、そんなことを言われるなんてさ・・」

 病原菌扱いをされた二人の逆鱗に触れたのは間違いないのですが・・

「いや、あの・・本当に調子が悪いんだわ」

 熱が37・8度あるからね!

「とにかく寝るから、寝させてくれる?」

 ということですったもんだあったものの、私は寝室から離れてリビングの片隅に置いてあるエアベッドに寝転がり、タオルケットを引き上げたのですが、

「「ハアー〜・・」」

 二人のため息が聞こえてくるな〜。


 結局、その後は眠れたとしても1時間程度のもので、汗がだくだく、だくだく、流れる、流れる。通常の熱とは到底思えないし、具合が悪いし、このまま悪化したら救急車案件かと思いながらもウトウトとして、そうして何とか朝を迎えることになったのですが・・


「いや、はっきり言って(病原菌扱いされて)ショックだったわあ」

 翌朝、夫と娘は揃ってお怒りモードのまま。

「いや、あのね、抗がん剤治療をしていると血液を作る場所が攻撃を受けて白血球が下がることがあるんだよ。白血球が下がると菌が攻撃できずに菌が増えることになって熱発することになるわけで」

「いや、いいよ。喉痛いと言っても今は痛くないのに、いや、マジでないわ」

「そうだよママ、私だって学校に出掛けているんだし、学校でも気にしてマスクをして過ごしているんだよ?それなのにあんな風に言われたらさあ、こっちはどうしたら良いわけ?」

「それにさあ、こっちだって色々と我慢している部分はあるんだよ。それは分かってくれない?」

「私たちの気持ちも理解してよ」

「ああー〜」


 うちの家族は言うなれば献身的だと思うし、夫に至っては味覚異常により普通の水、お茶、苦く感じるので炭酸水ばっかり飲んでいたら速攻でソーダストリームを購入してくるほどなんですけれども・・私の病気が発覚する前にチケット購入したエンタメが、

「お前、そんなに予定があるのか・・」

 と、呆れるほどあったんですね。


 私は癌を患って以降、家族の外出を(娘がテーマパークに友達と一緒に行くのも)止めたことはないんですけれども・・

「お前らが持ち込んだ菌によってこんなことに〜」

 と、恨みたくなるほど熱が出て具合が悪くなったんだよー!だけど、この具合の悪さが家族には分からないのは仕方がないことなのかもしれないけれど。


 家族が癌に罹ったら、そりゃ家族の負担が大きなものになるわけだし、普段はしなくても良い家事とかしなくちゃならなかったりで、精神的ストレスは大きなものになるのも分かっているんですけれども・・

 ピーピーピー

 脇に挟んだ体温計を確認すると37・4度、ギリギリ外来に行かなくて良い体温。その後、37・3度、37・4度を繰り返している自分の体に感謝しつつ(予約してないのに外来なんかに行きたくない)間違いなく!間違いなく!体調がおかしいんです!


 ここに来て四面楚歌となった私がどうしたかというと、イヤホンを手に取り、スマートフォンを手に取り、音楽を聴きながらリビングに置かれたエアベットで就寝しました。

「もう、何もやらん。本当に、何もやらん。だって微熱(37・4度、フィーッギリギリだぜー)が続いているんだもん」

 何もかもを放棄して、就寝、就寝、寝っ転がりながら漫画を読み始めたわけですが・・

 不思議ですよねえ。

 本棚に並んでいた『岳』を読んでいたんですけど、山登り中にこれまた死んじゃったり、生き残ったり、死んじゃったり、生き残ったり。

「人間、いつかはどうせ死ぬよ!」

 しゃあない、しゃあない。

 癌の治療だって40年間、癌センターで働いていたお医者さんの記事読んだけど、どれだけ医学が発達しても、どれだけ抗がん剤の種類が増えても、治療方法も色々と増えているとは言えるけど、結局のところ・・

「運!」

 だって言うんですもの!このまま体調が悪化したとしても、家族が揃ってブスくれていたとしても、

「まだ死なないよ!」

 それだけは間違いない事実だもんね!



癌の告知を受けた私の状況をコミカルに描いていきたいと思います。

癌を治療するにあたり、私としてはこうした方が良いのだなという部分をクローズアップして、

二人に一人が罹患すると言われている癌について、情報を共有しつつ、楽しんでいただけたら幸いです!

もし宜しければ

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