点滴が漏れまして
お読みいただきありがとうございます!よろしくお願いします。
ピー・ピー・ピー・ピー
アラーム音がひたすら鳴っております。
初回の点滴からアラーム音が響き渡っておりました。
今現在、抗がん剤の種類は数えきれないほどあるという話を聞いていたのですが、私の場合は昔からあるお薬を利用することになりました。どんな薬なのかというと、ドキソルビシン、シスプラチンという名前のお薬でして、副作用がキッツイお薬で知られているみたいです。
私の本日の予定 (7本入れる予定です)
1本目 吐き気やアレルギーを予防する。薬品名 デガドロン・パロノセトロン・アロカリス・生食(100)
2本目 点滴ルートや注射部位に薬が残らないように点滴投入 生理食塩液 50ml
3本目 抗がん剤一本目 *ドキソルビシン*生食(100) とっても強い薬なので血管外に漏出したら組織が壊死する恐れあり!!
4本目 腎障害を予防するための点滴、同時にマグネシウムも補給。ヴィーンD(500)硫酸Mg補正薬
5本目 2本目の抗がん剤 *シスプラチン*(生食500)
6本目 ヴィーンD(500) 腎障害を予防するための点滴。開始後、ラシックス(利尿薬)を点滴のコネクターから注入
7本目 ソルデム3A(500) 腎障害を予防するための点滴。
という予定になります。
抗がん剤治療ということで点滴の針は研修医さんが入れてくれたのですが、一本目を失敗。二本目は違う腕の血管にルートを確保したのですが・・選んだ血管がどうやら細かったようで(細い血管に入れると血管壁にルートの先が当たっているのが良くわかるんですけれども)初回一本目からアラームがピーピー鳴り続けていたんですよね〜。
それでもって皆様、お気付きでしょうか?
三本目に入れる予定のドキソルビシンの注意書きを読んでいらっしゃいますか?そうです、そうなんです。この薬、十五分くらいでスワーッと点滴で落としちゃうんですけど、強力すぎるが故に漏れたら壊死すると説明を受けたんです。
初回、一本目からアラームがピーピーと鳴り、針先(プラスチックなんですけどね?)が血管壁に当たっているのを感じるし、
「もちづきさ〜ん、心配しなくても血管にはきちんと入っていますよ〜」
「大丈夫ですよ〜、大丈夫〜」
そんなん言われてもですね、怖っ!て思いますよねえ?
強烈なドキソルビシンを入れる以前の問題で、生食100プラス制吐剤を入れた点滴と、点滴ルートや注射部位にお薬が残らないようにするために落とす生理食塩水50mlすらアラームがすぐに鳴って落ちない、落ちない。
それでも腕の向きを変えたり、枕の上に置いたりして何とか二本目まで落としきり、問題のドキソルビシンを入れる時には病室に四人の看護師さんが集まっているような状況です。
「あの〜、これから入れるドキソルビシンというお薬は、漏れたら壊死すると聞いているので、本気の本気で心配なんですが?」
細い血管に針が留置されているような状態なのだもの。
「もちづきさーん心配な気持ちは良く分かりますよー。だけど大丈夫、きちんと血管に入っていますからね!大丈夫!大丈夫!」
抗がん剤治療をする際には、薬液を用意する側が薬液に触れると被曝扱いになるため、看護師さんは使い捨てのエプロン、帽子、手袋、マスク状態でセッティングをするわけです。ここで点滴を繋げた看護師さんはベテラン看護師さんだったので、
「ほら、見てください。きちんと流れているのが良く見えますよね?逆血(点滴のルートを下げると点滴ルートの方まで血液が流れてくる)も見えますよね?ですからそこまで心配しなくても大丈夫ですよお」
と言ってドキソルビシンの点滴開始!
ドキソルビシンはアラームが鳴ることもなくスムーズに落ちて行くことになったのでちょっとホッとしつつも、
「すみません、トイレに行ってきても大丈夫ですか?」
ドキソルビシンを落とし終わったところで、先ほどの看護師さんとは別の担当の看護師さんに声をかけてトイレに行くことに。
点滴は輸液ポンプを使って正確に滴下をしていきます。おトイレに行くと滴下を正確に感知出来なくてアラームが鳴ったりするのですが、案の定、トイレに行っている最中に再びピー・ピー・アラームが鳴り出しましたよ。
ベッドに戻った私は早速ナースコールを押すわけですが、そこで気が付いちゃったんですよね。漏れたら壊死すると言われるドキソルビシンが漏れていることに。そこで私はナースコールを受けてやって来た若い看護師さんに言いました。
「すみません、点滴漏れているみたいです」
「はい?」
「あの、ここなんですけど、完全に赤くなっています」
「え?前から赤かったんじゃないんですか?」
完全に点滴の針先からジワーッと皮膚が紅斑している状態で、前から赤かったんじゃないか疑惑?いや、そんなわけないでしょう?
「ドキソルビシンが漏れたんじゃないですかね?」
「ちょっと待ってください」
点滴を止めた看護師さんは病室を後にし、その後、女医さんを連れて戻って来たのですが、
「あ、これはもう刺し替えしなくちゃ駄目だね」
と、言われたわけですね。
その後・・
「もちづきさん、ドキソルビシンが流れ終わった後に!点滴は漏れたんですよね?」
「使用した血管が細かった為に、途中で血管が壊れてしまったんだと思います」
「皮膚が硬結しているんですか?そういうことは退院後、外来で問い合わせしてください」
無茶苦茶ですがな。
むかーしむかし、私が働いていた時にも、
「え?抗がん剤治療?うちの病棟で?」
ということがありました。三年働いていて抗がん剤治療をしていたのはたった一人の患者さんでしたけど、
「なんでうちで抗がん剤?」
と、思った記憶がありますとも。
学生時代に担当した抗がん剤治療中の患者さんは、それこそ洗面器なしでは生活が出来ないと言っても過言ではないほどの吐き気に襲われていたのですが、今は点滴一本目に入れる制吐剤がものすご〜く優秀なため、昔みたいに『ウェー』とはならないので医学の進歩に感謝!感謝ですよ!
そんな抗がん剤治療を、あんまりすることがないと思われる病棟で受けたなら、
「点滴の落ちは悪いけど、流れているんだから問題ない!問題ない!」
「先生を針刺しの為にまた呼ぶのも億劫」
「入れられるのなら、入れられるところまで点滴を入れてしまいたい!」
その心理、良く分かりますよ〜。
だけど、だけど、今現在、ドキソルビシンが漏れて皮膚が茶褐色に硬結しているような状態を確認したまま、
「あたかも自分たちに非はないんです、何の問題もないんです。後は外来の方でやってください」
という姿を見てしまうと、ああ、前に入院した病棟の方が良かったのかもなあ〜と思ってしまうのは仕方がないのかなと。
ドキソルビシン漏れの後、指先がめっちゃ痺れたし。揉んでたら治ったから良いけれど、
「すみません、点滴が漏れた方の指が痺れるんですけど」
「ああ、そうなんですか」
やっぱり前の病棟の方に入院しておいた方が良かったのかな〜。
ちなみに次の抗がん剤治療は外来で行われることになったのですが、
「右手のここなんですけど、ドキソルビシンが漏れちゃったみたいでこうなっています」
と、皮膚が茶褐色に硬結している部分を見せると、担当の看護師さんは写真を撮りながら言いました。
「確実に漏れたみたいですね。今のところ症状はあまりないみたいですけど、この後に水ぶくれが出来たり、皮膚がぐずぐずしてきたり、痛みが酷くなるようなことがあったらすぐにこちらに電話をしてくださいね」
プロや。
「ここの血管はもう使えないので、これから先の治療の際に何か聞かれるようなことがあったら、今みたいに点滴が漏れたということを担当の看護師に言ってください」
プロや〜。
看護師って専門職みたいなところもあるので、自分の範疇にはないことについてはなるたけノータッチで行きたいという気持ちは本当に良く分かります。私だってそうでしたし、専門外のことで分からないから避けて通りたい。
だからこそ病棟の看護師さんと、癌センターの看護師さんが違うというのは仕方がないことでもあるのですが、今になってつくづくと思います。
『私たちは抗がん剤治療の患者様に対しても、細かな配慮を忘れないサポートを常に心がけております』
という手作りポスターを掲げていた病棟で、入院しておけば良かったな〜と思うのです。入院前の部屋決めの際、
「今回は手術じゃないからまあいっか!」
と、考えちゃった私が全て悪いということは分かっておりますとも!
癌の告知を受けた私の状況をコミカルに描いていきたいと思います。
癌を治療するにあたり、私としてはこうした方が良いのだなという部分をクローズアップして、
二人に一人が罹患すると言われている癌について、情報を共有しつつ、楽しんでいただけたら幸いです!
もし宜しければ
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