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ピカピカ光るそいつはなんだ?

お読みいただきありがとうございます!よろしくお願いします。

 第一診療室では前回とは違う先生(教授)が待ち構えていたわけですが、

「もちづきさん、昨日、行ったPET・CTなのですが、ここを見てください、ここです」

 先生が見せて下さった画像が頭から足先までグワーと移動していく中で、丁度、下腹部の辺りで静止をするとピカピカ光るものが見えますわ。

「子宮内の特別大きな光が悪性腫瘍ということになるのですが、ここから血液を移動したその先のリンパ、ここですね。ここに小さな光があるんです。ここのリンパに6ミリ大の癌が転移しているということになりますので、転移の進行度合いは1Aではなく3A(要するにステージ1からステージ3に移行)ということになりますね」

 ああー〜―。

 癌の進行期ステージは1期から4期に分類されるんだけれども、子宮癌の浸潤具合や広がり方によってA・B・Cに分けられることになるみたい。


 PET・CTをやる前は癌の浸潤が子宮筋層の二分の一未満のものであるとして1A期、一番初期の癌だと言われていたんだけど、6ミリという小ささでもリンパに転移しているということで3A期にカテゴライズされちゃうわけですね。


「子宮の動脈が流れるその先に6ミリの転移ということは、これは疑いようのない事実であるとも考えられるわけですが、傍大動脈リンパ節のここ、ここの部分も怪しいのではないかという意見もあったのです。ですが、私としては節だと思うんですよねえ」

 臓器を包む腹膜の内側にはリンパ節が広がっているんですが、子宮からも近い骨盤のリンパ節に6ミリ転移しているだけでなく、上の方にある傍大動脈リンパ節まで飛んでいる可能性もあると判断する医師も居たってわけですね。そこまで転移すると肝臓と肺への転移リスクがバカ上がりすることになるので!ただのリンパ節であって欲しい!

「それでですね、1Aでしたら内視鏡下での手術で済んだのですが、3Aですので開腹手術をすることになります」

「「えええ!開腹手術!」」

 この時、私と夫は声を揃えて同じ言葉を発していた。

 私は最初から開腹手術をすると断言していたし、家族は『開腹手術をするの?』と怯えていたのに『なーんだ!結局開腹手術じゃないくて内視鏡下での手術じゃないか!』と、言っていたところに来ての手術宣言。すごろくだったらサイコロをふった末にふりだしに戻るみたいな感じだよね!


「あ、もしかして内視鏡が良かったですか?ですがこの状態で内視鏡となると自費手術となって60万を自腹で支払うことになりますし、その手術自体も8月後半になるでしょうしねえ」

 先生は悩ましげな顔で言い出した。

「たまに内視鏡でやりたい!と言い出す方もいるんですが、もちづきさんの場合は早急に手術をして癌を取ったほうが良いと考えられますしねえ」

「「いやいやいや!開腹手術で大丈夫です!」」

 なんで夫婦揃って声が出てしまうのかは、まずは置いておいて、

「先生、私は開腹手術で何の問題もないのですが、一つだけ質問したいことがあるんです!」

 私は前のめりになって言いました。


「私には高校二年生になる娘がいるんですが、テレビで子宮頸癌ワクチンによる副反応の特集を見たことがあって、それが理由で娘には頸癌ワクチンを打たせていないんです。私もこんな病気になったということもありますし、娘には自腹でも良いので今からでも頸癌ワクチンを打った方が良いのかどうなのか?確認をしたいと思いまして」

「・・・」


「子宮頸癌と子宮体部癌が全く違うものということは分かっているんですけれど、必要なら打ったほうが良いのかを知りたくて!」

 世の中には『癌家系』という言葉もある通り、親子で似たような癌に罹ることは多いですよね?そこで私は前のめり状態で質問をしたわけですが、

「とりあえず先に言っておきますが」

 先生は真面目な顔で言いました。

「今回のこの癌は、遺伝しません」


 夫はこの時、まずは自分の癌のステージが1からステージ3に移行したということを心配するべきじゃないのか?と、思ったし、ここで子宮頸癌ワクチン?なんでよ?とも思ったそうなのですが、

「子宮頸癌ワクチンというものは、性交渉を経験した後に打ったところで何の意味もないのです」

 先生はそこから、それは詳しく子宮頸癌ワクチンについて説明して下さったので、私たちの頭の中は癌がステージ3になってしまったということよりも、子宮頸癌ワクチンについての情報で頭の中がいっぱいになってしまったのでした。


 娘に子宮頸癌ワクチンをするべきかどうかで悩んでいたけれど、先生の話を聞いて思うに、今現在、やたらと目にする子宮頸癌ワクチンのCMって情報が偏りすぎてない?

(子宮頸癌はヒトパピローマウィルスの感染が主な原因であり、一度でも性交渉を行った場合はワクチンを打っても意味がない。30代の女性の約半数がヒトパピローマウィルスを持っていると言われており、ウィルスが陽性でも直ちに癌になるというわけではない。継続的に検診を受けることが大事。ちなみにワクチンを打ったら子宮頸癌には一切罹らなくなるというわけではなく、リスクが高いウィルスから癌に発展した場合、ワクチンを接種した人の方が間違いなく余命が長いということだそうです)

 そんなことをツラツラと考えている間に、麻酔科医の予約も入れられ、7月31日に入院、8月1日に手術が決定することになったわけです。


「こいつ・・ワクチンのことを聞いている場合じゃあねえだろ。ステージ3って、ステージ3って、マジか、それって危ないんじゃないのか?覚悟を決めなくちゃならないのか?」

 子宮頸癌ワクチンが夫の頭の中を埋め尽くしたのは一瞬のことで、ステージ3が頭から離れない状態になっていたみたいですが、

「8月1日に手術になるんだったら、それまでに小説の方を進めるだけ進めておかなくちゃ!手術後はどうなっているか分からないし、やれるところまでやらないと、出版会社様に迷惑をかけることになる!」

 子宮頸癌ワクチンが私の頭の中を埋め尽くしたのは一瞬のことで、すぐさま、小説の準備で私の頭の中はいっぱいになってしまったわけです。


 夫はステージ3!ヤバない!本当の本当にヤバイでしょ!と、考えていたみたいだけど、癌が子宮を突き抜けて筋層まで到着したという最悪の展開ではないし、ステージ3の初期(だって6ミリだもん!)と考えた私は、

「入院までに第二稿まで進めたいから、担当さんに色々とお願いしなくては!」

 完全に現実逃避に走り出したというわけです。


 とりあえず、過去に読んだ悪性腫瘍G3、3A患者の余命がどうだったのかについては一切、考えることをせずに巨大な思考の蓋の下に押さえ込んでしまうと、まずはバランスの取れた食事を考え、筋トレを行い、良質な睡眠を取ることで体をベストな状態にまで持っていくことを率先して行うことにしました。


 筋トレは家の中で簡単に出来るもの。スクワット、足に2キロの重りをつけて開脚運動。両手に二キロの錘を持ってダンベル運動にスクワット。もちろんウォーキングも実施。1日2キロは歩くようにしました。スポーツジムまで行って運動?それは血流良くなり過ぎて何処かにまた転移?なんてことになったら怖いのでやりません。

 寝る前には寝転んだ姿勢で腰上げ、引き締め、骨盤底筋を鍛える運動を実施。


 食事は美味しいものをたらふく食べた結果、毎日1キロ減っていた体重もどんどんと増えていき・・

「オウ、元に戻ってしまったのデース」

 元に戻るどころかリバウンドしそうな始末です。


 担当さんには無理を言って早めに第一稿をチェックして貰い、手術までに第二稿(アドバイスを受けて書き換えたもの)を提出。

 そうして入院日である7月31日は朝五時に起床し、日課のウォーキングを実施。その後、筋トレまで行った上で病院へと出発することになったのです。


*手術までの期間は癌患者としては転移の恐怖に打ち震えることになるのですが、そんな恐怖には蓋をして自分の筋力アップに努めましょう! 私は慌てて筋トレをしたのですが、手術後、自分の筋肉の有り難さを実感することになる訳です。


*この病気になる前からエアロフィットを使って呼吸機能訓練をしていたのですが(階段を登る時の息切れが酷いので始めていた)術前までの間は朝・晩やっておりました。術前は呼吸訓練した方が絶対に良いです!なんで必要かについては、手術編でお伝えしていきたいと思います。



癌の告知を受けた私の状況をコミカルに描いていきたいと思います。

癌を治療するにあたり、私としてはこうした方が良いのだなという部分をクローズアップして、

二人に一人が罹患すると言われている癌について、情報を共有しつつ、楽しんでいただけたら幸いです!

もし宜しければ

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