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47.復讐の歌⑥

 大内さんは喫茶店で三人と合流した。


「みんな、本当にありがとう。検査の結果、阿久津が犯人だった」


「しかし、どうして阿久津を見張っていないんだ」


「大内さん、大丈夫です。スコープを付けていますから」知樹が答えた。


「なんだそれは」大内さんは戸惑っていた。


「簡単に説明すると火草の能力で相手をどこまでも追跡します」知樹が話した。


「なんだそれは」大内さんは更に戸惑っていた。


「まぁ、いきなり特殊能力ギフトの話をしても理解出来ないぜ。知樹」健司が話した。


「今回、犯人を探し当てたのも特殊能力ギフトなんですよ」知樹が話した。


特殊能力ギフトか、犯人までたどり着いたんだ。文句は無いさ」大内さんが納得していた。


「お前たちは不思議だな。一緒に居るだけで幸せを運んでくれる。そんな気がするよ」大内さんが笑顔になった。


 健司は照れくさい表情をしながら「まぁ、後は阿久津をボコるだけっすよ」と言った。


「家に居るみたいです。荷物を纏めています」火草が報告した。


「逃亡するんじゃないか」健司が話した。


「多分、そうだろうな。何か脱出ルートがあるのかも知れない」大内さんが話した。


「そういえば、マリアさんが用意周到な奴って言ってました」知樹が話した。


「過去を見れるって人か、便利な能力だな」大内さんが話した。


「一回、一千万円らしいですよ」健司が話した。


「一千万円だと、知樹はどうしたんだ」大内さんが話した。


「払いましたよ。大内さんにはお世話になったんで」知樹が笑顔になった。


「そんな大金、どこから手に入れたんだ」大内さんが真面目な顔になった。


「大内さんは気にしなくても良いですよ。真っ当な金ですから」知樹が話した。


「知樹、本当に、本当にありがとう」大内さんは知樹に深々と頭を下げた。


「では、そろそろ追いますか」健司が話した。


「動いたよ」火草がみんなに伝えた。


「どこに向かっている」大内さんが尋ねた。


「方向としては横浜に向かっているみたいですね」火草が答えた。


「急いで追うぞ」大内さんが慌てていた。


「横浜から九州(現中国領行政特区)に流れる裏ルートがあるんだ」大内さんが説明をした。


「阿久津は国外に脱出するつもりだ」そう大内さんが言うと四人はエアータクシーで横浜港に向かった。


 四人は横浜港に到着すると阿久津を追跡した。天気は大雨だった。


「倉庫の中に居る」火草が話した。


 阿久津が隠れている横浜の倉庫街で四人は傘を差しながら歩いていた。


「ここだな」そう言いながら健司が倉庫の扉をベアナックルで破壊した。倉庫の中には一人の男が立っていた。


阿久津義孝あくつよしたか、お前を四年前の殺人事件で逮捕する」大内さんが大声で話した。


 阿久津は不気味な笑顔を見せていた。


「しかし、よくここにたどり着いたな。何者なんだ。お前ら」阿久津が話をした。


「それ以前にあの事件を解決出来る奴がこの世に居るとは思わなかったよ」阿久津はニヤニヤと笑っていた。


「何故、殺した」大内さんが話した。


「強姦するだけじゃ退屈だろう」阿久津が話した。


「お前、洋子だけじゃ無いだろう。他にも余罪がありそうだな」大内さんが問い詰めた。


「何人かは殺したな。まぁ、最高の気分だったよ」


「お前みたいなのは一回殺さないと分からないんだろうな」大内さんがハンドレーザーガンを取り出した。


「おいおい、逮捕するんじゃ無かったのか」「お前も俺と同じだな」阿久津も懐からハンドレーザーガンを取り出した。


「お前と一緒にするな。この外道」大内さんが話した。


「誉め言葉か、しかし、何だって俺にたどり着いたんだ。慎重に行動していた筈だ」阿久津は質問をした。


「世の中は広いんだよ」そう言いながら知樹がコンセントレーションを発動させた。


「四人対一人では分が悪いな」阿久津が話した。


「もう、袋の鼠だぜ。お前」健司が話した。


「そうかな、わざわざ、倉庫まで来たのは理由があるからだ」阿久津が話した。


「それも予測出来ない奴らがどうして俺まで辿り着いたんだろう」阿久津は独り言を呟いた。


「さて、お前らの相手はこいつらだ」阿久津が話した。


 倉庫の奥から五台のポリロボ君(警察ロボット)が姿を現した。


「要人護衛モード起動、警告、武器を捨てなさい。警告、武器を捨てなさい」ポリロボ君が戦闘モードに移行した。


「お前らはここで死ぬんだよ」阿久津は笑っていた。


 健司が一足先に動いた。一台のポリロボ君をベアナックルで思いっきり叩くとポリロボ君は頭をへこませながら健司に対人用スタン弾を放った。しかし、健司には当たらなかった。


「木偶人形ごときが俺を倒せる訳が無いだろう」そう言いながらポリロボ君を再びベアナックルで叩いた。ポリロボ君は稼働を停止させた。


「軍事用サイバーウェアか」阿久津が話した。


「お前の頭もかち割ってやるよ」健司が阿久津を挑発した。


 健司の後ろから別のポリロボ君が対人用スタン弾を放った。健司に当たると健司は悶えながら地面に倒れた。


「この野郎」健司が叫んだ。


 次に知樹が動いた。別のポリロボ君を右手で思いっきり殴るとポリロボ君は吹き飛んでぐしゃぐしゃになった。知樹は再びコンセントレーションを発動させた。


「ポリロボ君には借りがあるからな。今日は思う存分、借りを返させて貰う」知樹は右手を握りしめながら笑っていた。


 阿久津の表情が重くなった。阿久津は心の中で(こいつら一体、何者なんだ)そう考えていた。


 倉庫の屋根から聞こえる雨音が激しくなっていた。

◆登場人物


木下知樹きのしたともき 十七歳、物語の主人公。


松田健司まつだけんじ 十八歳、ストリートギャング(バッズ)のメンバー。


上野火草うえのひぐさ 十八歳、ストリートギャング(バッズ)のメンバー。


大内重之助おおうちじゅうのすけ 三十八歳、警視庁少年育成課の刑事。


阿久津義孝あくつよしたか 三十歳、警視庁ロボット整備係の職員。


◇設定資料


◇ポリロボ君(警察ロボット)テックロック社製【ニュージャパン】のロボット、対人用スタン弾搭載の最新モデル。スマイルマークが目印。

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