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44.復讐の歌③

 札幌空港の喫茶店で三人はお茶を飲んでいた。


「いよいよだな」健司が少し緊張しながら話をした。


「無事に済むといいけど」火草が答えた。


「詳しい説明は現地に着いてから話すよ」知樹が話した。


 三人は搭乗口から機内に乗り込むと座席に座って出発を待った。札幌空港から羽田空港までは一時間弱でたどり着く。


「しかし、知樹。外交官って何だ。観光ビザに記載されていたけど」健司が知樹に尋ねた。


「外交官特権って言うのがあって、条約が適用されるから色々と便利なんだ。武器の携帯も許可されるしね」


「何だか小難しい話だな」


「まぁ、気にしなくても良いよ。俺もあまり分かって無いから」


 それから飛行機が離陸すると三人が乗った飛行機は羽田空港にたどり着いた。ゲートを降りるとセキュリティチェックを受けた。


「外交官ですね、ニュージャパンへは視察で来られたんですか」セキュリティの職員が知樹に尋ねた。


「そうですね」知樹が落ち着いて話をした。


「良い旅を」セキュリティの職員が笑顔で答えた。


 迷路のような羽田空港内を三人は歩いていた。大内さんとは空港内の喫茶店で落ち合う予定だった。


「喫茶店はどこにあるんだよ」健司が呟いた。


「そこの角を左に進むとあるみたいだよ」知樹が話した。


 ようやくたどり着いた喫茶店の前に大内さんが立っていた。


「知樹か」大内さんが話しかけてきた。


「しばらく見ない間になんだか大きくなったな」大内さんが話した。


「大内さん、お疲れ様です。この二人組が健司と火草です」知樹が話した。


「よろしくお願いします」健司と火草が大内さんに挨拶をした。


「こちらこそ、よろしく」大内さんが二人を見つめた。


「知樹、さっそくだが話を聞かせてくれないか」


「取り合えず、喫茶店に入りましょう」知樹が喫茶店に入っていった。


「三人ともホットコーヒーで良いか」大内さんが尋ねた。三人とも頷いた。


「それで、犯人は分かったのか」大内さんが知樹に尋ねた。


「はい、結果的には三人が候補に上がりました」


「どんな奴らなんだ」大内さんが聞いた。


「一人目は阿久津義孝あくつよしたか、警視庁ロボット整備係の職員です」


「二人目は鈴木健すずきけん、新宿署の新宿一丁目交番勤務の男」


「三人目は南陽介みなみようすけ、警視庁生活安全課の刑事」


 知樹は容疑者の画像をみんなに見せた。


「確かに三人とも顔が似ているな」健司が話した。


「気持ち悪い顔」火草が話した。


「こいつらの誰かが洋子を殺したんだな」大内さんの声が怒りに満ちていた。


「そうですね、こいつらの中に犯人がいます」知樹が話した。


「どうやって犯人を割り出すんだ」健司が知樹に尋ねた。


「直接、本人に聞き込みをしよう」知樹の代わりに大内さんが答えた。


「何かあれば必ずボロが出る。一人ずつ、対処していこう」


「そうですね、その辺は大内さんに任せます」知樹が話した。


「お前たちはどのくらいニュージャパンに滞在する予定なんだ」大内さんが聞いた。


「一週間程ですね。大内さんはどうなんですか」知樹が答えた。


「俺は有休を使って一週間休みを取った。お前たちと同じだな」大内さんが話した。


「では、さっそく始めましょうか。誰から行きますか」知樹が話した。


「阿久津から聞き込みを開始しよう。新宿区の整備工場にいる筈だ」大内さんが話した。


 四人は羽田空港からエアータクシーに乗って新宿区にある警視庁の整備工場に向かった。


「阿久津さんは居ますか」大内さんが職員に尋ねた。


「阿久津は今日は休みだよ。何の要件だ」職員が大内さんに聞いた。


「実は四年前の殺人事件の事で話を伺いたいんですが」大内さんが答えた。


「なら、出直して貰えるかな。明日だと阿久津は出勤日だから」職員が答えた。


「分かりました。失礼します」大内さんが話した。


 整備工場から外に出ると、どしゃぶりの雨が降っていた。


「阿久津は休みでしたね」知樹が話した。


「まぁ、次に行こう」大内さんが話した。


 四人はエアータクシーを使って新宿一丁目交番に向かった。


「失礼します。鈴木健すずきけんさんは居ますか」大内さんが尋ねた。


「鈴木は私ですが、何の要件でしょうか」交番の奥から鈴木が顔を出した。


「四年前の八月十日、夜九時ごろのアリバイを伺いたいのですが」大内さんが話した。


「一体、何の事でしょうか。多分、交番勤務中だったと思いますが」鈴木が答えた。


「成程、では申し訳ないのですが髪の毛を一本頂けないでしょうか」大内さんが頼んだ。


「分かりました。これで良いでしょうか」鈴木が髪の毛を抜き取った。


「ご協力、ありがとうございます」大内さんが礼を言った。


 交番から少し離れたエアーバスのバス停で雨宿りしながら四人は話をしていた。


「その髪の毛は何に使うんすか」健司が尋ねた。


「ディーエヌエー検査の為だよ」大内さんが答えた。


「現場に犯人の体液が残っていたんだ。それを照会すれば犯人は分かる」


「犯罪者のデータベースに体液のディーエヌエーを照会しても犯人は出て来なかった」


「鈴木は犯人じゃないと思いますよ。犯人だったら髪の毛をそう簡単に渡さないでしょう」知樹が話した。


「確かにそうだが、今のところ何とも言えないな」大内さんが話した。


「次は南陽介みなみようすけ、警視庁生活安全課の刑事ですね」知樹が話した。


「そうだ。警視庁には俺が聞き込みに行くからお前たちは外で待機していろ」大内さんが話した。


 どしゃぶりの雨の東京で四人は警視庁へと向かうのだった。

◆登場人物


木下知樹きのしたともき 十七歳、物語の主人公。


松田健司まつだけんじ 十八歳、ストリートギャング(バッズ)のメンバー。


上野火草うえのひぐさ 十八歳、ストリートギャング(バッズ)のメンバー。


大内重之助おおうちじゅうのすけ 三十八歳、警視庁少年育成課の刑事。


阿久津義孝あくつよしたか 三十歳、警視庁ロボット整備係の職員。


鈴木健すずきけん 二十八歳、新宿署の新宿一丁目交番勤務の男


南陽介みなみようすけ 二十九歳、警視庁生活安全課の刑事。

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