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「あとは医師に任せよう」

 そう言って一花と一菜は真桜高校の後輩たちを院内のカフェに誘った。

 岩志木の家族は控え室に残るとのことだった。

 カフェのテーブルに着いたあと、一菜は全員を見渡す。そして緒方と坂本に頭を下げた。

「春羅、春瀬。ありがとう。お前たち二人のおかげで岩志木を助けることができた。この通り、感謝する」

「いや、それはいいんですけどね」と坂本がそこで初めて戸惑いの表情を浮かべる。「えーと、宗像先輩でしたっけ。あなたが桜姫ってことでいいんですか?」

「そうだよ。オレが桜の精を宿している」

「ええ〜!」

 と文芸部員たちが驚く。

「やれやれ」と肩をすくめて鏡子と梨々香を見たのは緒方だ。「どうやら僕たちは見当違いのことをしていたようだね」

「………」

「………」

 鏡子も梨々香も呆然としていた。

「お前たちのとった方法は、それはそれで有りだったけどな」

「でも、結果的には外れていました」

「無理もない。オレと一花がそう仕向けたんだから」

「え?」

「はい?」

 二人のスーパースターが虚を突かれた顔をする。鏡子と梨々香も口をポカンと開けている。

「一菜。この子たちにも分かるように話せ」

 一花が文芸部員たちを見る。

「一花。だったらお前が話せ。そういうことはお前に任せるさ」

 そう言って一菜は水を飲む。他の者たちが飲み物をオーダーしたなかで彼女だけが何も注文しなかっった。水以外の飲み物は口にしないようにしているとのことだった。

「わかった」

 一花はうなずき、一同を見渡す。

 そして話し始めた。


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