持たざる手のアート
シンク、シンク、シンク。持たざる手では溺死せよ、血の通う衝動のままに、涙も流せぬ程に絶望する。空白は埋めるものと聞こえるだろう、無いを越える量さえ無いのだから、故に持たざる手だと言ったはずだ。
ヤケテ、ヤケテ、ヤキツクセ。この平の衝動の名の元に、躊躇うことなど無いはずだ。所詮凡人持たざる手、何かを掴むと葉は言うが、ならば持たざるとは成らぬだろ。故に先など皆無なら、灰と化すまで焼き尽くせ。
沈む、沈む、この息が。尽きるヒの残光それさえも、解りきった事だった。ならば、脚止め、肺停めて、腐るときを待ちわびる。持たざる手のその上に、枝の何本もある事は無い。溺死する位ならば、自ら灰と化するのみ。
いくら黒を連ねども、本物には成得ない。凡人平均持たざる手、何者にも為れぬもの。所詮狂人の物真似者、自ら炎へと飛び込めない。結局在りたいと願うばかりで、シンク、シンク、シンク。何も掴めぬからこその今だろう。
焼けろ、燃えろ、灰と化せ。持たざる手であるのなら、何を後悔すれば良い。進駆、真苦、深紅、躊躇うことなど焼き尽くせ。血の通う衝動のままに、眼も眩む残光を遺すのだと、揺さぶり燃えて、焼き尽くせ。
激情、衝動、そのままに。埋めるものなど無いのだと、理解さえも尽き崩せ。空虚な凡人であったとて、一つくらいは突き抜けろ。脳裏に焼くその為ならば、何も戸惑う事はない。自ら炎と化せ、灰と化せ、これが持たざる手のアート。
シンク、シンク、シンク。溺死することは解ってた