冒険者登録
カーン。カーン。カーン。
教会の鐘が街に木霊する。
朝になった。辺りはまだ霧に覆われている。
しまった。少し早く起きてしまったようだ。
大きく背伸びをして顔を洗う。
よく寝れた。さて、今日は冒険者登録だから事前に調べておいて損はないだろう。棚からホコリ一つついていない本を取り出す。後でメイドさんに感謝しておこう。まず振り返りから
・素行が悪い奴らが普通にいる。
・ランクがあってEからSSSまで順に上がっていく
・登録時に専用の魔道具を使う。
・クエストには推奨ランクがあって自分のランクの 一つ上までしか選べない
新しい知識
・ランクによっては店やギルドから特別なサービスが
受けられる(街の人からチヤホヤされる権利つき)
・ランクアップ試験では普通に座学や礼儀作法まであ
る
こんなもんだ。
おっともう6時半だ軽く朝食を食べてから待ち合わせ場所に向かう。
5分前に来たけどまだいないみたいだ。
3分程たって来た。
「おはよう。」
「お、早いな。ハヤトだけに早いナンチャッテ。ハッハ」
「そんなのいいから。早く行こ」
「そんなに楽しみか?じゃあギルドまで競争だな」
お父さんが走り出す。
「ちょっとまって。はぁ~~」
ため息をつきながら僕も走る。
「3秒かまぁまぁだな」
「いや1キロを2秒で走るってきついでしょ。」
「お前もあと一秒だけ縮めれば2秒で走れるぞ。」
「そんなことは…etc」
僕たちはそんな他愛も無い会話をしながらギルドに入って行く。
まだ朝だというのにたくさんの人で賑わっている。
そんな中、僕たちは受付に歩いて行く。
「この子の登録を頼む。」
「わかりました。ではこの書類に保護者の魔力証と名前をそ君は文字かけるかな。」
受付嬢は慣れた動きで書類を出していく
「はい。」
「じゃあここに名前を書いて、次にここに少し魔力を流して。」
「わかりました。」
名前を書いて魔力を流すと
「「あ」」
僕とお父さんの紙が灰になった。
「すいません。もう一枚ずつもらっていいですか?」
「わ、わかりました。こ、これですね」
「ありがとうございます。」
今度は紙に指をつけたら認識できた。
お父さんも終わったみたいだ。
「アールス?もしかして剣聖様ですか?」
「ハッハッハ。いかにも。今日は息子が登録をしたいといったものでな。」
「個人的なお礼ではありますが、先日私の母を助けてくださったみたいでありがとうございます。」
そういいながら受付嬢は金貨の詰まった袋を差し出す。
「だいじょぶだ。気持ちだけでも受け取っておこう。」
断られたと思われた受付嬢は顔を上げてパァ〜と笑顔になった。
「ありがとうございます!!」
「ごほん。では総合力を測定しますのでこの水晶に触れてください。」
僕はストンと手を優しく置くと水晶が虹色に輝く。
「あの~虹だったんですけど」
「虹ですね~は~いって…え?」
はえ?なに?
「虹?虹じゃん!え?ほんと?おぉ〜初めて見た!」
なんかしらんけどめちゃ興奮してるんだけど
「虹って何がすごいんですか?」
「いいですか?虹というのは過去で虹色になった人はSランク以上になってるんですよ!」
受付嬢が身を乗り出して話してくる。
「そ、それはそうと近いですって」
「す、すみませんでは、これがあなたのライセンスです。とりあえずBランクからスタートです。」
とりあえず銀で出来たカードを受け取る。
「それでは良い冒険者ライフを!!」
よし!これから学校頑張るぞ