前作のハイライト+登場人物紹介
【前作のあらすじ】
「19歳ニート、山形で農業はじめました!」
小中高と不登校、大学も中退。アルバイトの経験もないハイパー雑魚ニートの天見とうまは、地元の新潟を出て山形のブラック農家「赤根農園」に就職した。
多くの秋野菜が採れる11月は、農家も大忙し。スーパーへの配達、野菜の収穫、出荷に向けた袋詰めなどなど――初めての仕事にもめげず、天見は素人ながら奮闘する。
従業員たちとも打ち解け、仙台で行われた産直イベントでも無事に成功を収める。天見は故郷の母親に採りたての野菜を送り、手紙を通して今までの感謝を伝えたのだった。
【登場人物紹介】
「色々出来ないことも多いと思いますが、頑張ります!」
●天見とうま(19)
新潟から山形に住民票を移した元ひきこもり。感情のコントロールが苦手なため、ささいなことですぐ泣く。体力も根性もない貧弱人間。
○好きな野菜…枝豆、白菜 ○休日…部屋のパソコンでゲーム。図書館でネット
「はいはい、どーせおれはネギも満足に採れねーボンクラバンバンジーですよ!」
●赤根優作(24)
赤根農園の後継者。中性的な美形だが、面倒くさがりで言動が子どもっぽい。田舎の貧乏な家庭で育ったため、金持ちに対して強い嫉妬心を抱いている。
○好きな野菜…ピーマン、福耳 休日…仙台で遊びたい
「天見くん。我が赤根農園が売り上げにおいて他の出店者と差をつけるには、何が必要か言ってみなさい」
●九条仁(26)
仙台で会社を経営する一方で、赤根農園の事務員をしている変わり者。稼ぎがいいので金銭感覚が人とズレている。家事が趣味で、健康食品を好んで食べる。
○好きな野菜…ほうれん草、ねぎ 休日…経営者仲間と飲み会
「なるべく金のかからない生活を送るのが当面の目標だ」
●芹沢ひとみ(25)
神奈川から自転車で山形まで来た体力自慢。農業機械や車の修理もできる頼れる大男。無口で無愛想だが、弱者には優しい。
○好きな野菜…じゃがいも、すいか 休日…登山。もしくは部屋で寝る
「んだよ、なんか文句でもあんのか? ゴミムシの分際で」
●那須叶(19)
赤根農園のアルバイト。口は悪いが仕事が早い金髪ヤンキー。実家は米農家。赤根とは旧知の仲で尊敬しているが、新入りの天見には教育と称して厳しく接している。
○好きな野菜…トマト、なす 休日…庄内で磯釣り。夏なら川でアユ釣り
●赤根農園について
山形県の内陸でもがいている、借金まみれの弱小農家。全国から研修生がやってくるが、朝から晩までこき使われる上に給料が少ないのですぐに辞めていく。
一年を通して、およそ二百種類の有機野菜+さくらんぼを栽培。スーパーや飲食店に直接配達するほか、ネット通販もやっている。
仙台や山形、東京の直売イベントにも定期的に参加しており、野菜の味に関してはかなりの高評価を得ている。
次回から本編が始まります。
……ほんぺん? はんぺん? おでんが食いてえなあ……。