情報整理
少し短いかもしれません。
キャメルナ王国の検問所に俺達が着くと、兵士の人達が来て、騎士様と何か話していた。話を終えると、騎士様が俺達に聞いてきた。
「ヴァレン国王がお待ちのようです。このまま王城へ直行してもよろしいですか?」
「わかった。今すぐ案内してくれ」
そう騎士様に言うと、快く了承してくれた。そうして俺達はすぐにキャメルナ王国の王城に向かった。
王城に着くと執事の人に、ヴァレン国王がお待ちかねですと言われ、王様の個室に案内された。そこにはヴァレン国王だけでなく、ローランス王国のレン王や、ウォルテラ王国のエレナ女王、その側近の方達が勢揃いしていた。
軽く挨拶をした後、ヴァレン国王が切り出した。
「アルマ達も含めここに集まってもらったのは他でもない。もう一度情報の共有をしておこうと思ってな。狭間の出現位置や持続時間、おおよそのこちらの戦力等だ」
「それはありがたいですね」
「しかしヴァレン国王。出現位置やその時間など、そんな簡単に分かるものなのか?」
そうレン国王が質問してくる。ヴァレン国王は彼に視線を向けた後、レン国王の質問に答えた。
「過去の情報などを参考にし、ある程度の目星などはつけることが出来た。今から説明しよう」
そう言ってヴァレン王が詳細の記された世界地図を開いた。
「過去に数度この狭間が開かれており、調べさせたところある規則性があることが分かった」
「規則性?」
「ああ。基本的には二箇所、百年毎に別の場所で発生する。オズフィア大陸最北端の《命の平原》、セーナ大陸最南端の《緑の大地》という場所だ。百年前は命の平原だったので、今回は恐らく緑の大地だろう」
「なるほど」
「そして狭間の持続時間だが、これは毎回全く同じで二十四時間、つまり一日だ。日付が変わった瞬間に開き、次の日になった瞬間に閉じるということらしい」
「大体分かりました······しかし、注意点がありますね」
「注意点?どんなですか?アルマさん」
「午前零時に狭間が閉じるということは、それまでにこちら側にいなければ、向こうに閉じ込められてしまうということです。まあ前線で戦う人限定の話ですけどね」
「確かにそうですね······私達は戦えないので確かに関係ないといえばないですが······」
「話を戻そう。肝心のこちらの戦力だが、三カ国から招集をかけたところ兵士達が三千人、冒険者が五千人集まった。そのうち前衛職が七割、後衛職が三割だ」
「総数八千人ですか···かなり集まりましたね」
「魔族達の総数はこちらよりも少ないだろうが、そう単純な話でもない。暗黒魔法があるからな」
「それに関しても要注意って事か」
そこまで話すと、今度はレン国王が呟いた。
「向こう側······《闇の大地》にわざわざ行く必要はないかもな。二十四時間経つまでこちら側で守りきればいい話だからな」
「恐らくそれは魔族たちも承知でしょう。だからこそ死に物狂いで襲いかかってくる······油断は出来ませんね」
「ああ。決して油断はしないように、冒険者達に気を引き締め直すよう言っておこう」
「それと······もう一ついいですか?」
「なんだ?」
「もしかしたら······いや間違いなく魔王ガルシャやその魔眷属達はこちらに攻め込んでくるでしょう。彼等だけは他の冒険者の手には負えないと思います」
「ふむ······それもそうだな。それで?」
「その時は、俺達が彼等の相手をします。もしかしたらロダンさん達にも手伝ってもらうかもしれませんが······その時は、他の冒険者の人達には撤退するように伝えておいてもらえますか?」
「······わかった。だが、その時は頼むぞ」
「勿論です」
その後も色々な作戦会議をして緊急の会議を終了し、久しぶりに会うことが出来た国王達と少し会話を交わした後、俺達はその部屋を後にした。
次の日、セーナ王国最南端の《緑の大地》目指して、俺達は連合軍の人達と一緒に移動を開始した。途中魔物の大群に襲われたりしたが、被害を最小限に抑えながら無事に進むことが出来た。
徒歩で移動すること四日。俺達は緑の大地に到着し、来る大戦の準備を開始した。
次元の狭間解放まで、残り二日。
空に、一筋の亀裂が走った瞬間であった───。
不足していた補足情報まとめて詰め込んでみました。
主人公と王様以外完全に空気でしたね...笑
次回、魔族編(の予定)です。




