表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自由気ままな異世界冒険譚  作者: 鈴野 白
第五章 カウントダウン
55/75

平和な一時

 妖精族たちに挨拶を終えた後、《魔獣の森》を出て俺はローランス王国の冒険者ギルドにも寄ることにした。ロレナさんにも挨拶はしておきたいし、今どんな状況なのかの確認も兼ねて行けば好都合だと思ったのだ。


 《瞬足》を発動し、俺は途轍もない速さで森を抜け、あっという間にローランス王国の検問所についた。身分証の提示を頼まれたが、Sランク冒険者の証を見せるとすぐに通してくれた。やっぱりなっておいて良かったと思ったものだ。


 歩くこと数十分、俺はローランス王国冒険者ギルドに到着し、入口の門を開き中に入った。ギルド内は慌ただしい様子で、ギルド職員の人達が色々な書類整理に追われていたり、冒険者達もパーティーなどで固まり、大戦に参加する者はその時の立ち回りの話などをしていた。


 俺は彼等のことは気にせず、同じく仕事に忙殺されているロレナさんの元へ向かった。途中で何人かが怪訝そうな目を向けてきたが、特に気にするようなこともしなかった。



「ロレナさん。お久しぶりです」

「なんですか······今忙し······って、アルマさん!?」



 俺が突然目の前にいた事に驚いたのだろうか。ロレナさんがびっくりして大きい声を出す。すると、周りの冒険者達がひそひそと話す声が聞こえてくる。



「おい······アルマってあの······」

「ああ······最近Sランク冒険者になった奴だ」

「へえ······あんな小さいのになぁ······」

「なんでも、邪龍アジダハーカを倒したらしいぜ」

「なるほどな。だから殺龍剣士ブラック・キラーって呼ばれてるのか」

「Sランクは二つ名までかっこいいんだな」



 そんな会話が耳に入ってくる。というか途中で聞こえてきた二つ名はなんだ。俺そんなふうに呼ばれてるのかよ。恥ずかしいから辞めてほしいものだ。いや本当に。


 心の中で羞恥に悶えていると、ロレナさんが返事をしてくる。



「それでアルマさん、どういったご用件で?」

「あーなんだ······その、もうすぐ次元の狭間が開くだろ?」

「そうですね。魔族との大戦が近いんですよね」

「ああ。それに俺も参加するからさ、一応挨拶だけはしておこうと思って。······今生の別れになるかもしれないし」

「今生の······そんな!死ぬおつもりなのですか!?」



 そう言ってロレナが勢いよく立ち上がってくる。少し気圧されるが、すぐに訂正を入れる。



「違う違う。死ぬつもりなんてないよ」

「だったらなぜそんなこと······」

「万が一の事もあるかもしれないだろ?それにロレナさんにはお世話になったしな」

「······そうですか······それは······ありがとうございます」



 ロレナさんの頬が赤くなる。お互いに無言になり、どこか気まずい雰囲気が漂う。とりあえず俺は話題転換をしようと彼女に話しかけた。



「それで、ローランス王国もその連合軍に参加するのか?」

「勿論です。私は直接戦いはしませんが、ここにいる人達のバックアップ等をしたいと思っていますね」

「そっか。じゃあ、もしその機会があればよろしくな」

「はい!よろしくお願いします!」



 そう言って彼女が満面の笑みを浮かべる。とりあえず機嫌が良くなってくれて良かったと思った。



「俺はそろそろお暇させてもらうよ。準備もあるしね」

「はい!頑張ってください!」



 手を振りながら見送ってくれるロレナに軽く会釈をし、俺はローランス王国のギルドを後にした。そしてその一部始終を見ていた冒険者達は───。



「結局何しに来たんだ?あいつ」

「ロレナちゃんに唾付けとこうと思ったんじゃね?」

「なんだと!そんな汚らしい真似を!?」

「そういう意味で言ったんじゃねーよ」



 馬鹿丸出しで喋りあっていたのであった。







 冒険者ギルドを後にし、そのまま特に寄り道もせずローランス国を出た俺は真っ先に実家に戻った。家を出てから数時間程度しか経っていなかったが、何か巻き込まれなかったかとか、結構心配された。何も無かったから良かったが。


 そうしてその日の夜、俺達はいつもと同じように七人で食卓を囲っていた。皆が談笑している中、俺は切り出す。



「父さん、母さん。もうすぐ魔族が攻めてくることは知ってる?」

「ああ。次元の狭間が開くんだろ?」

「アルマ達も、戦うんですよね?」

「まあね。それで、その準備もあるから明日辺りにはここを出ようと思ってるんだ」

「······そうか」



 そう言ってガルアが少し残念そうな顔をする。それを見て、俺もいたたまれない気持ちになる。そうしてその場に気まずい空気が漂っていると───。



「あなた。アルマ達はこの世界の為に頑張るのよ。だからこそ、笑顔で見送ってくれあげないと······ね?」

「······そうだな。きっとまた会えるしな······だろ?」

「もちろんさ。死ぬつもりなんて毛頭ないからな」

「私達も同じ気持ちです。また色々とお話しましょう」

「その後には私達の結婚式もあるからねー」



 そうラミアが言うと、皆が笑い、温かい雰囲気に包まれる。そんなこんなでその日は今まで以上に触れ合い、沢山のことを話してとても楽しい一日になった。





 そして次の日、俺達は二人に見送られ、出発するところだった。



「大丈夫か?忘れ物はないな?」

「ああ。大丈夫だ」

「誰一人欠けないで、必ず帰ってきてね」

「勿論だ。なあ、みんな」



 俺がそう聞くと、皆が朗らかに返事を返してくる。それに満足したガルアとメーアは微笑を浮かべていた。



「それじゃ······そろそろ行くよ」

「ああ······行ってこい」

「頑張ってね」

「うん······行ってきます」










 そうして俺達は実家を後にし、馬車に揺られながら、連合軍に合流するべくキャメルナ王国へと向かった───。

後半かなり急ぎ足になってしまいました...

読みにくかったりしたら申し訳ないですm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ